Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
コンテンツにスキップ

ディーン・チャンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ディーン・チャンス
Dean Chance
1964年
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オハイオ州ウースター
生年月日 (1941-06-01) 1941年6月1日
没年月日 (2015-10-11) 2015年10月11日(74歳没)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 1959年
初出場 1961年9月11日
最終出場 1971年8月9日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ウィルマー・ディーン・チャンスWilmer Dean Chance, 1941年6月1日 - 2015年10月11日)は、アメリカ合衆国オハイオ州ウースター出身のプロ野球選手投手)。

経歴

[編集]

1959年ボルチモア・オリオールズと契約。1960年12月14日に行われたエクスパンションドラフトワシントン・セネタースから48巡目に指名を受け、同日トレードでロサンゼルス・エンゼルスに移籍。1961年9月11日ミネソタ・ツインズ戦でメジャーデビュー[1]1962年はリリーフでの起用が多かったが、8月から先発に定着[2]8月10日のツインズ戦でジム・カートとの延長11回の投手戦を制してメジャー初完封[3]9月10日の同カードでは8回1死までノーヒットに抑えて1安打完封勝利を挙げる[4]など14勝10敗・防御率2.96を記録し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票で3位に入った[5]1963年7月29日クリーブランド・インディアンス戦で7回2死までノーヒットに抑えて完封勝利[6]。終盤負けが込んで13勝18敗に終わった。

1964年6月2日ボストン・レッドソックス戦でキャリアハイの15奪三振で完封[7]6月6日ニューヨーク・ヤンキース戦では勝利こそ付かなかったが14回を3安打無失点に抑える[7]オールスターゲームに初選出され先発投手を務めた[8]7月11日から3試合連続完封を含む9連勝を記録する[7]など後半戦は15勝4敗・防御率1.29・8完封[9]と絶好調で、20勝9敗・防御率1.65・207奪三振、いずれもリーグトップの15完投・11完封・278.1イニングを記録し、最多勝利最優秀防御率の二冠を獲得。特に同年リーグ優勝のヤンキース戦では5試合に先発して4勝0敗、50イニングを被安打14で1失点、防御率0.18と完璧に抑え込んだ[10]サイ・ヤング賞を初受賞し、MVPの投票では5位に入った[11]。チーム名がカリフォルニア・エンゼルスとなった1965年は、前半戦は6勝・防御率3.98と今ひとつだったが、後半戦で9勝・防御率2.38[12]と復調し、15勝10敗・防御率3.15の成績。1966年は初の開幕投手を務める。防御率3.08ながら12勝17敗と負け越し、リーグワーストの114四球を記録した。12月2日に3選手との交換トレードで、後日発表の1選手と共にツインズに移籍。

1967年は開幕直後から7連勝を記録[13]するなど前半戦で11勝を挙げ、3年ぶりにオールスターゲームに選出され自身2度目の先発投手を務めた[14]8月6日のレッドソックス戦では5回コールドゲームのため参考記録ながら完全試合[15]8月25日のインディアンス戦では1失点ながらノーヒッターを達成[13]。チームはレッドソックスと激しい優勝争いを繰り広げ、シーズン最終戦を前に同率で並ぶ。10月1日の直接対決で先発したが5回5失点で敗戦投手となり[16]リーグ優勝を逃した。20勝14敗・防御率2.73・220奪三振、いずれもリーグトップの283.2イニング・39先発・18完投を記録し、カムバック賞を受賞した。1968年8月27日のセネタース戦で7回まで失策の走者1人に抑えたが、8回に初安打を許した後本塁打を浴びて敗戦投手となる[17]。16勝・防御率2.53、共にキャリアハイの292.0イニング・234奪三振を記録した。東西2地区制となった1969年は背中を痛めて故障者リスト入りし[10]、5勝に留まる。チームは地区優勝を果たしたが、オリオールズとのリーグチャンピオンシップシリーズでは第3戦のリリーフ登板のみに終わり[18]、3連敗で敗退した。12月10日ルイス・ティアント他1選手との交換トレードで、グレイグ・ネトルズ他2選手と共にインディアンスに移籍。

1970年は初登板で勝利を挙げるが、その後5連敗[19]。以後はリリーフでの登板が多くなり、9月18日ニューヨーク・メッツに移籍。シーズン通算で9勝・防御率4.36に終わる。1971年シーズン開幕直前の3月30日に1選手との交換トレードで、1選手と共にデトロイト・タイガースに移籍。同年は開幕6連敗を喫する[20]など4勝に留まる。10月6日に解雇され、30歳で現役引退。

引退後はボクシング界に転進し、国際ボクシング協会 (IBA) を設立した。

2015年10月11日死去[21]。74歳没。

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
1961 LAA
CAL
5 4 0 0 0 0 2 0 -- .000 88 18.1 33 0 5 1 1 11 1 0 15 14 6.87 2.07
1962 50 24 6 2 0 14 10 8 -- .583 864 206.2 196 14 66 5 5 127 2 0 83 68 2.96 1.26
1963 45 35 6 2 1 13 18 0 -- .419 1058 248.0 229 10 90 7 10 168 7 1 109 88 3.19 1.29
1964 46 35 15 11 1 20 9 4 -- .690 1093 278.1 194 7 86 9 2 207 9 0 56 51 1.65 1.01
1965 36 33 10 4 1 15 10 0 -- .600 950 225.2 197 12 101 10 9 164 6 3 86 79 3.15 1.32
1966 41 37 11 2 1 12 17 1 -- .414 1067 259.2 206 18 114 9 7 180 8 0 113 89 3.08 1.23
1967 MIN 41 39 18 5 3 20 14 1 -- .588 1161 283.2 244 17 68 7 7 220 9 2 109 86 2.73 1.10
1968 43 39 15 6 8 16 16 1 -- .500 1161 292.0 224 15 63 8 10 234 12 1 96 28 2.53 0.98
1969 20 15 1 0 0 5 4 0 -- .556 371 88.1 76 6 35 3 4 50 4 0 39 29 2.95 1.26
1970 CLE 45 19 1 1 0 9 8 4 -- .519 678 155.0 172 18 59 11 6 109 7 1 80 73 4.24 1.49
NYM 3 0 0 0 0 0 1 1 -- .000 10 2.0 3 0 2 1 0 0 1 0 3 3 13.50 2.50
'70計 48 19 1 1 0 9 9 5 -- .500 688 157.0 175 18 61 12 6 109 8 1 83 76 4.36 1.50
1971 DET 31 14 0 0 0 4 6 0 -- .400 405 89.2 91 5 50 4 4 64 4 1 43 35 3.51 1.57
MLB:11年 406 294 83 33 15 128 115 23 -- .527 8906 2147.1 1864 122 739 75 65 1534 70 9 832 697 2.92 1.21
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 「-」は記録なし
  • LAA(ロサンゼルス・エンゼルス)は、1965年にCAL(カリフォルニア・エンゼルス)に球団名を変更

タイトル 

[編集]
  • 最多勝利 1回:1964年
  • 最優秀防御率 1回:1964年

表彰・記録

[編集]
  • サイ・ヤング賞 1回:1964年
  • カムバック賞 1回:1967年
  • MLBオールスターゲーム選出 2回:1964年, 1967年
  • ノーヒッター 1回:1967年8月25日

脚注

[編集]
  1. ^ 1961 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  2. ^ 1962 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  3. ^ Sep 10, 1962, Angels at Twins Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  4. ^ Aug 10, 1962, Twins at Angels Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  5. ^ AL Rookie of the Year Voting” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  6. ^ Jul 29, 1963, Angels at Indians Play by Play and Box Score” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  7. ^ a b c 1964 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  8. ^ Jul 7, 1964, AL All-Stars at NL All-Stars Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  9. ^ 1964 Pitching splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  10. ^ a b Dean Chance” (英語). SABR Baseball Biography Project. 2013年5月8日閲覧。
  11. ^ AL MVP Voting” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月8日閲覧。
  12. ^ 1965 Pitching Splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  13. ^ a b 1967 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  14. ^ Jul 11, 1967, NL All-Stars at AL All-Stars Play by Play and Box Score” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  15. ^ Aug 6, 1967, Red Sox at Twins Play by Play and Box Score” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  16. ^ Oct 1, 1967, Twins at Red Sox Play by Play and Box Score” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  17. ^ Aug 27, 1968, Twins at Senators Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  18. ^ Postseason Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  19. ^ 1970 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  20. ^ 1971 Pitching Gamelogs” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年5月9日閲覧。
  21. ^ 元サイ・ヤング賞投手のチャンス氏が死去 74歳 日刊スポーツ 2015年10月12日閲覧

外部リンク

[編集]