ヒト上科
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ヒト上科 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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スマトラオランウータン Pongo abelli
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Hominoidea Gray, 1825[1][2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ヒト上科[2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
科 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ヒト上科(ヒトじょうか、Hominoidea)は、ヒトの仲間(人類)と類人猿をくくる霊長目の分類群。現生群ではヒト科(ヒト、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンが含まれる)とテナガザル科で構成される[1]。
形態
[編集]テナガザル(小型類人猿)を含めた現生種では、尾は失われている[3]。
5種のヒト上科(テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ヒト)の肝臓から尿酸オキシダーゼ活性は検出されなかったが、ヒト上科以外の旧世界のサルと新世界のサルでは尿酸オキシダーゼ活性が検出された。ヒト上科の共通の祖先が旧世界のサルから分枝した際に、尿酸オキシダーゼ活性が消失したものと推定される[4]。尿酸オキシダーゼ活性の消失の意味付けは、尿酸が直鼻猿で合成能が失われたビタミンCの抗酸化物質としての部分的な代用となるためである[5]。しかし、ヒトを含むヒト上科では、尿酸オキシダーゼ活性の消失により難溶性物質である尿酸をより無害なアラントインに分解できなくなり、尿酸が体内に蓄積すると結晶化して関節に析出すると痛風発作を誘発することとなる[6]。
分類
[編集]オナガザル上科とは3600 - 2700万年前または3800 - 2500万年前に分岐したと推定されている[7]。
従来は人類と大型類人猿を科レベル(ヒトニザル科、オランウータン科Pongidae)で分けていたが[2]、DNAによる分子系統解析等の知見により類人猿は側系統であることが判明し[8]、現在ではヒト科に大型類人猿も含めることが一般的である[1]。
ヒト上科 (Hominoidea)の新しい分類例
[編集]- (新しい分類には、いくつか異学説がある)
- †アフロピテクス科 Afropithecidae
- †アフロピテクス属 Afropithecus (1400万年前、ケニア)
- †Morotopithecus属
- テナガザル科 Hylobatidae
- ヒト科 Hominidae
- オランウータン亜科 Ponginae
- †Sivapithecini族
- †シヴァピテクス属 Sivapithecus (中〜鮮新世、インド)
- †ギガントピテクス属 Gigantopithecus (更新世、中国/絶滅)
- Pongini族
- †Sivapithecini族
- ヒト亜科 Homininae
- †Dryopithecini族
- †ドリオピテクス属 Dryopithecus (中新世、ケニア)
- ゴリラ族 Gorillini
- ヒト族 Hominini
- チンパンジー亜族 Panina
- ヒト亜族 Hominina
- †サヘラントロプス属 †Sahelanthropus
- †オロリン属 Orrorin
- †オロリン・トゥゲネンシス †O. tugenensis
- †アルディピテクス属 Ardipithecus
- †ケニヤントロプス属 Kenyanthropus
- †アウストラロピテクス属 Australopithecus(華奢型)
- †アウストラロピテクス・アファレンシス Au. afarensis ("ルーシー")
- †アウストラロピテクス・アフリカヌス Au. africanus
- †アウストラロピテクス・アナメンシス Au. anamensis
- †アウストラロピテクス・ガルヒ Au. garhi
- †パラントロプス属 Paranthropus (頑丈型)
- †パラントロプス・ロブストゥス Par. robustus
- †パラントロプス・エチオピクス Par. aethiopicus
- †パラントロプス・ボイセイ Par. boisei
- ヒト属 Homo
- †ホモ・ルドルフェンシス Hm. rudolfensis
- †ホモ・ハビリス Hm. habilis
- †ホモ・エルガステル Hm. ergaster
- †ホモ・エレクトス Hm. erectus
- †ホモ・アンテセッサー Hm. antecessor
- †ホモ・ハイデルベルゲンシス Hm. heidelbergensis
- †ホモ・フローレシエンシス Hm. floresiensis
- ホモ・サピエンス Hm. sapiens
- †ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス Hm. s. neanderthalensis
- †ホモ・サピエンス・イダルトゥ Hm. s. idaltu
- ホモ・サピエンス・サピエンス Hm. s. sapiens
- †Dryopithecini族
- オランウータン亜科 Ponginae
- この分類の場合、ヒト亜族が人類となる。また、ヒト上科のうち人類を除く霊長類は類人猿とよばれる。
ヒト上科の従来の分類
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c Colin P. Groves, “Order Primates,” Mammal Species of the World (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 111-184.
- ^ a b c 岩本光雄「サルの分類名(その4:類人猿)」『霊長類研究』第3巻 2号、日本霊長類学会、1987年、119-126頁。
- ^ 國松豊「ヒト科の出現 中新世におけるヒト上科の展開」『地學雜誌』第111巻 6号、東京地学協会、2002年、798-815頁。doi:10.5026/jgeography.111.6_798。
- ^ Thomas B. Friedman; George E. Polanco; Jerry C. Appold; James E. Mayle (1985). “On the loss of uricolytic activity during primate evolution—I. Silencing of urate oxidase in a hominoid ancestor”. Comparative Biochemistry and Physiology Part B: Comparative Biochemistry 81 (3): 653-659. doi:10.1016/0305-0491(85)90381-5. ISSN 0305-0491. PMID 3928241 .
- ^ Peter Proctor Similar Functions of Uric Acid and Ascorbate in ManSimilar Functions of Uric Acid and Ascorbate in Man Nature vol 228, 1970, p868.
- ^ 高木和貴, 上田孝典「尿酸分解酵素PEG化ウリカーゼの適応と意義」『高尿酸血症と痛風』第18巻第2号、2010年2月、145-150頁、hdl:10098/2955、CRID 1050845762720162432。
- ^ 中務真人・國松豊「アフリカの中新世旧世界ザルの進化:現生ヒト上科進化への影響」『Anthropological Science (Japanese Series)』第120巻 2号、日本人類学会、2012年、99 - 119頁。
- ^ M. Goodman, D. A. Tagle, D. H. Fitch, W. Bailey, J. Czelusniak, B. F. Koop, P. Benson, J. L. Slightom (1990). “Primate evolution at the DNA level and a classification of hominoids”. Journal of Molecular Evolution 30 (3): 260–266. doi:10.1007/BF02099995. PMID 2109087.