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ポスター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロートレック作のポスター

ポスター: poster)は、屋外・屋内を問わず、面やなどに掲示するために制作された、視覚的な広告宣伝媒体

通常は、大判のまたはそれに類するものへ印刷され、同一のものが大量に制作される。背景には絵画イラストレーション写真が主として用いられ、タイトルやメッセージが記載されることがある。近年ではデジタルサイネージと呼ばれる「大型モニター」に画像動画を映す電子的なポスターが見られる。

掲示ではなく配布のために制作されるチラシ、紙や印刷によらない看板ネオンサイン壁面絵画を含む)、おのおのの製品そのもののパッケージラベルなどの媒体とは異なる。

なお、鉄道車両内に掲示される吊り広告や、学校・職場の壁新聞は、通常、ポスターとは呼ばない。

ポスターの例

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都知事選掲示板

選挙

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選挙に際して掲示板に掲出されるポスター。

告知・宣伝

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赤玉スイートワイン1922年
太い枠入り
商品・サービス
企業の販売促進のためにポスターを作成・掲出し、商品サービスの提供を予告・開始・終了する際に用いられる。
旅行会社や交通機関
観光地交通機関宿泊施設などのポスターを掲出し、旅行需要を喚起する。
飲食店
になるとビールメーカーのキャンペーンガールのポスターが見られる。
映画演劇コンサート
現在上演・上映中の作品や、次回予定されている作品のポスターが劇場や繁華街に掲出される。コンサートなら出演するアーティスト、映画や演劇なら俳優や作品中のシーンが写真やイラストで掲載される。会場で鑑賞記念グッズとして販売されることもある。
なお、映画の場合はポスターの正式公開に先駆けて速報的に作成された縦長(B2の約2分の1)サイズのものが、スピードポスターとも呼称されている[1][2][3]
スポーツイベント
映画・演劇・コンサートなどと同様の目的で、出場する選手などをあしらったポスターが掲出される。オリンピックについては大会のシンボルとしての側面もあり、過去に様々な意匠のポスターが制作されている(オリンピックポスターを参照)。
啓蒙
交通安全運動や衛生週間など、地域学校職場などで標語を記載したものが掲出される。そのようなテーマを決めたポスターの募集が小学校中学校などで行われることも多い。官公庁が作成する啓蒙ポスターには、多くの場合、その時代において人気がある、若い女性アイドルが起用される。
募集
広く公衆から催事の参加者を募るほか、社員職員求人広告として掲出される。
プレイバイウェブ
プレイヤー獲得のため秋葉原駅構内やコミックマーケットの開催時期に掲出される。
プロパガンダ
思想・信条を大衆に浸透させるために、プロパガンダポスターとして掲示される。

研究発表

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ポスターセッション

学会における研究発表において、「ポスター発表」、「ポスターセッション」という形式がとられる場合がある。大判の紙に研究内容をまとめたものを掲示し、これを使って研究の説明がおこなわれる。1つの会場に多数のポスターが掲示されており、参加者は興味を引く研究を自由に見て回ったり、発表者と個別に討議したりすることができる。

その他

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単に装飾品として掲出・販売されることもあるが、風景なら旅の思い出や、芸能人アニメゲームなら自分がその人のファンであることをアピールする要素となる。雑誌DVDなどの購入特典として添付されることもある。

ポスターのサイズ

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主に、以下太字表記のサイズが、一般的に「ポスター」と呼ばれて製作されている傾向がある。

  • A0:縦 841×横 1189
  • A1:縦 594×横 841
  • A2:縦 420×横 594
  • A3:縦 297×横 420
  • A4:縦 210×横 297
  • B0:縦 1030×横 1456
  • B1:縦 728×横 1030
  • B2:縦 515×横 728
  • B3:縦 364×横 515
  • B4:縦 257×横 364
  • 菊全:縦 980×横 680

(単位:mm)

歴史

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日本において「ポスター」という呼び方が広まった時期は、1914年(大正3年)頃である[4]

ポスターの取引

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美術的、歴史的価値が評価され、評価の高いものは高値で取引される。発行時から高い人気のあったアルフォンス・ミュシャの例は言うまでもなく、日本においても過去のポスターが評価、収集の対象になることがある。1970年の朝日新聞新聞広告では、明治41年の東亜煙公司、明治44年の日本郵船、大正3年の白木屋、昭和10年の東和映画のポスターを出品するオークションの開催が告知されている[5]

デジタルポスター

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如上のように、伝統的なポスターの定義には紙や印刷によらないものは含まれないが、新たな広告媒体として「デジタルポスター」が一部の鉄道事業者によって運用されている。これは、コンコースその他の駅構内の支柱に設置された液晶ディスプレー無線通信網で配信される静止画データが映し出されるもので、紙媒体によるポスターと比較して時間帯や曜日別のコンテンツ表示が可能であり、設置や撤去が迅速で、有線設備を設置せずに効率よく適時に広告スペースを広告主に提供することができるという。

脚注

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  1. ^ @shochiku_corpの2019年1月9日のツイート2023年8月27日閲覧。
  2. ^ 『男はつらいよ』ポスター&プレスリリース制作秘話「決まった形の中に新しさを!! 宣伝(ポスター)の挑戦とは?」”. 『男はつらいよ』公式noteアカウント. note (2020年1月23日). 2023年8月27日閲覧。
  3. ^ 三日月堂”. A-LIFE. 2023年8月27日閲覧。
  4. ^ 下川耿史 家庭総合研究会 編『明治・大正家庭史年表:1868-1925』河出書房新社、2000年、398頁。ISBN 4-309-22361-3 
  5. ^ 新聞広告『朝日新聞』昭和45年(1970年)3月27日朝刊、12版、15面

関連項目

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