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厚床駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
厚床駅
駅舎(2018年9月)
あっとこ
Attoko
姉別 (6.6 km)
(15.6 km) 別当賀
地図
所在地 北海道根室市厚床
北緯43度13分41.56秒 東経145度15分8.53秒 / 北緯43.2282111度 東経145.2523694度 / 43.2282111; 145.2523694座標: 北緯43度13分41.56秒 東経145度15分8.53秒 / 北緯43.2282111度 東経145.2523694度 / 43.2282111; 145.2523694
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 根室本線(花咲線)
キロ程 262.6 km(新得起点)
電報略号 アト
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
20人/日
-2014年-
開業年月日 1919年(大正8年)11月25日
備考 無人駅
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厚床駅
標津線記念看板(2018年9月)
あっとこ
Attoko
奥行臼 (11.5 km)
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 標津線(支線)
キロ程 47.5 km(中標津起点)
駅構造 地上駅
開業年月日 1933年昭和8年)12月1日
廃止年月日 1989年平成元年)4月30日
テンプレートを表示

厚床駅(あっとこえき)は、北海道根室市厚床にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線(花咲線)のである。電報略号アト事務管理コードは▲110448[1][2]。かつては標津線(厚床支線)の分岐駅であった。

歴史

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1977年の厚床駅と周囲約1km×1.5km範囲。右の下が根室本線根室方面、上が標津線中標津方面。駅裏釧路側に機関区を持つ。駅舎横に貨物用切り欠きホームと2本の引込み線を持つ貨物積卸場がある。右側に明治乳業根室工場への専用線と貨車が見える。左側、駅前通から牧草地帯へ斜めに直進する軌道跡が殖民軌道風連線(古くは根室線)の跡で、この先で北へ向きを変え、姉別川を渡った。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

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所在地名より。アイヌ語の「アットゥ(at-tuk-to)」(オヒョウニレ・伸びている・沼)に由来するとされる[12]

駅構造

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1面1線のホームを有する地上駅根室駅管理の無人駅
かつては単式ホーム島式ホーム複合型2面3線を有する列車交換可能な交換駅であった。駅舎側単式ホームの1番線が根室本線の下り本線、島式ホーム内側の2番線が標津線、外側の3番線が根室本線の上り本線で、互いのホームは駅舎側ホーム中央部分と島式ホーム西側を結んだ構内踏切で連絡していた。さらに、1963年(昭和38年)時点では3番線の外側に貨物側線を3線有していた[新聞 1]。標津線廃止の際に2番線の線路が撤去され単式ホーム2面2線となり、3番線(根室本線の上り本線)は2番線に改称された。なお貨物側線の撤去時期は不明である。その後2016年(平成28年)3月25日までは、当駅にて行き違いがある場合のみ、釧路方面行上り列車が2番線(旧3番線)を使用していたが[新聞 1]、翌26日のダイヤ改正に伴う減便で、当駅構内は単線での運用となった。現在は2番線(旧3番線)の線路及びホームは残っているものの、構内踏切跡の階段部分に蓋がされ立入禁止となっている[新聞 1]。棒線駅ではあるが、場内信号機や出発信号機は存在し、閉そく境界としては機能している。

現在の駅舎は1989年(平成元年)の標津線廃止後にバス待合所兼用として建て替えられたものであり[13][14][10]、窓口は根室交通厚床案内所として営業していたが、現在は営業休止となっている。標津線廃止と同時の簡易委託化によりJR乗車券の発売も行っていた。

現在の構内配線(2016年3月26日以降)

利用状況

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乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

戦前は馬市で活気づき、根室管内全域の馬が集まるほどだった。戦後、軍馬の需要がなくなると、酪農が台頭し1960年代は毎年約20万人が乗降するにぎわいを見せた[新聞 1]

年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1978年(昭和53年) 112 [15]
1979年(昭和54年) 43,497 (118.8) [16]
1980年(昭和55年) 42,550 (116.6)
1981年(昭和56年) 42,022 (115.1)
1982年(昭和57年) 40,644 (111.4)
1983年(昭和58年) 35,420 (96.8)
1984年(昭和59年) 33,698 (92.3) [17]
1985年(昭和60年) 29,858 (81.8)
1986年(昭和61年) 31,465 (86.2)
1987年(昭和62年) 22,776 (62.2)
1988年(昭和63年) 24,146 (66.2)
1989年(平成元年) 24,681 (67.6) [18] 同年度4月30日で標津線廃止
1990年(平成02年) 22,265 (61.0)
1991年(平成03年) 18,323 (50.1)
1992年(平成04年) 14,533 (39.8)
1993年(平成05年) 13,870 (38.0)
1994年(平成06年) 13,140 (36.0) [19]
1995年(平成07年) 6,570 (18.0)
1996年(平成08年) 5,724 (15.7)
1997年(平成09年) 6,300 (17.3)
1998年(平成10年) 6,387 (17.5)
1999年(平成11年) 4,380 (12.0) [20]
2016年(平成28年) 12.4 [JR北 1]
2017年(平成29年) 12.8 [JR北 2]
2018年(平成30年) 10.6 [JR北 3]
2019年(令和元年) 9.0 [JR北 4]
2020年(令和02年) 6.6 [JR北 5]
2021年(令和03年) 7.6 [JR北 6]
2022年(令和04年) 7.2 [JR北 7]
標津線廃止以降、2番線(旧3番線)廃止までの配線
標津線廃止以前の配線

駅弁

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かつて駅前の「田中屋」が「ほたて弁当」を製造販売しており[新聞 1]、日本最東端の駅弁販売駅であった。しかし、1990年頃に厚床駅での販売が中止される一方、2004年から根室駅で駅弁の販売が開始されたため、日本最東端の称号は根室駅に譲ることとなった。駅での販売が中止されたのちも、駅前の「佐々木商店」で取り扱われていたが、2006年に販売終了となった。2012年には、7月21日から8月31日に運行された臨時列車「快速 北太平洋 花と湿原号」の当駅停車に合わせて、「ビーフサンダーマウンテン駅弁」が期間限定販売された。当駅から約2.5km北にある「明郷伊藤☆牧場」が製造販売を行い、快速運行時間以外でも予約することで牧場内で購入可能だった[21]

駅周辺

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厚床市街地が広がる。しかし、廃屋が多く駅前は寂しい。

バス路線

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根室交通(および共同運行会社)により根室駅方面、別海町中標津町方面(中標津空港連絡バス)、釧路市方面および札幌市方面の都市間バスが発着する。都市間バスは駅前ロータリーに乗り入れない。

標津線の廃止による代替バスとして当駅 - 別海町・中標津町の路線も設定されていたものの、2023年10月1日のダイヤ改正をもって当駅 - 別海町の区間が廃止され、当駅 - 別海町・中標津町へのバスは中標津空港連絡バスのみが残存している[22]

路線詳細は根室交通#路線バスを参照。

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
根室本線(花咲線)
快速「はなさき」
浜中駅 - 厚床駅 - 別当賀駅
快速「ノサップ」
浜中駅 → 厚床駅落石駅
普通
姉別駅 - 厚床駅 - *初田牛駅 - **別当賀駅 - 落石駅
*:打消線は廃駅
**:一部下り列車は別当賀駅を通過する。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、233頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  2. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  3. ^ 内閣印刷局, ed (1917-11-27). “鉄道院告示 第114号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (2189). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954302/2. 
  4. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ a b c d e f g h i j k JR釧路支社「鉄道百年の歩み」北海道旅客鉄道株式会社釧路支社 平成13年12月発行。
  6. ^ 内閣印刷局, ed (1920-10-30). “鉄道省告示 第113号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (2475). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954589/5. 
  7. ^ 釧路鉄道管理局史 昭和47年10月発行。
  8. ^ 『根室市史年表』(1988年3月20日、根室市発行)244頁。
  9. ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 |II』(初版)JTB、1998年10月1日、884頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  10. ^ a b 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 79. ISBN 4-89391-549-5 
  11. ^ 込山富秀『「青春18きっぷ」ポスター紀行』講談社、2015年5月26日、66-67頁。ISBN 978-4-06-219279-8 
  12. ^ アイヌ語地名リスト ア~イチ P1-10”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
  13. ^ 根室市 根室市のあゆみ (PDF)
  14. ^ バスとJRが合体し厚床駅 根室”. 北海道新聞社. フォト北海道(道新写真データベース) (1989年10月27日). 2014年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月10日閲覧。
  15. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、873頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  16. ^ 根室市 (1985-03-20). “第8編 運輸・通信” (pdf). 昭和59年度根室市統計書: 52. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/Os5EV. 
  17. ^ 根室市 (1990-03-01). “第8編 運輸・通信・港湾” (pdf). 平成元年度根室市統計書: 45. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/0H4bZ. 
  18. ^ 根室市 (1995-03-01). “第8編 運輸・通信・港湾” (pdf). 平成6年度根室市統計書: 46. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/XBQC0. 
  19. ^ 根室市 (2000-03). “第8編 運輸・通信・港湾” (pdf). 平成11年度根室市統計書: 59. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/8N99n. 
  20. ^ 第8編 運輸・通信・港湾”. 平成16年度根室市統計書. 根室市. p. 52 (2004年3月). 2019年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月5日閲覧。
  21. ^ 駅弁「ビーフサンダーマウンテン」販売、明郷伊藤☆牧場、2012年07月20日更新、2016年6月21日閲覧。
  22. ^ JR標津線代替バス路線の再編について”. 中標津町. 2024年1月15日閲覧。

JR北海道

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  1. ^ 根室線(釧路・根室間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102705/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/05.pdf2017年12月10日閲覧 
  2. ^ 根室線(釧路・根室間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818152757/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/05.pdf2018年8月19日閲覧 
  3. ^ 根室線(釧路・根室間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  4. ^ 根室線(釧路・根室間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  5. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。

新聞記事

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関連項目

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外部リンク

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