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木村尚三郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
木村 尚三郎
人物情報
生誕 (1930-04-01) 1930年4月1日
日本の旗 日本東京都杉並区
死没 2006年10月17日(2006-10-17)(76歳没)
日本の旗 日本東京都
出身校 東京大学
学問
研究分野 西洋史(西洋中世史)
研究機関 日本女子大学旧・東京都立大学東京大学
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木村 尚三郎(きむら しょうさぶろう、1930年昭和5年)4月1日 - 2006年平成18年)10月17日)は西洋史学者ヨーロッパ史)。東京大学名誉教授静岡文化芸術大学名誉教授、地域経済総合研究所名誉評議員。日本女子大学文学部助教授旧・東京都立大学法学部助教授、東京大学教養学部教授、静岡文化芸術大学学長などを歴任した。

経歴

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出生から修学期

1930年、東京都杉並区で生まれた。1948年、東京都立第十三高校を卒業し、旧制東京高校に入学。東京大学文学部西洋史学科に進み、中世史の堀米庸三に師事した。中世フランス荘園研究を始めた。1953年、同大学を卒業し、同大学大学院に進んだ。

西洋中世史研究者として

1958年、日本女子大学文学部助教授に就いた。1959年、旧・東京都立大学法学部助教授に転じた。1966年、東京大学教養学部助教授に就任。1976年、同教授に昇格。1990年に東京大学を停年退官し、東京大学名誉教授となった。

東京大学退任後

その後は、1997年より食料・農業・農村基本問題調査会会長。1998年より財団法人トヨタ財団理事長。2000年、静岡文化芸術大学初代学長に就任。これは1999年に創立され、2000年に開校予定であった同大学の初代学長予定者・高坂正堯死去したことに伴うものであった。2005年、愛知万博総合プロデューサーに就任。続いて平城遷都1300年記念事業総合プロデューサー・理事長に就任したが、イベントの開始を待たずして永眠。2006年10月17日午後9時25分、肝細胞癌のため東京都で死去。享年76。墓所は多磨霊園にある。生前に学長を務めた静岡文化芸術大学より、没後の2010年10月名誉教授称号追贈された[1]

役員、委員ほか

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受賞・栄典

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研究内容・業績

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研究者として学界での活動

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専門はヨーロッパ史で、中世ヨーロッパ史。13世紀フランス中世の荘園史・法社会史の研究から研究をスタートさせた。歴史学者の目で見た現代文明論や、音楽・映画批評、料理や生活文化に関する著作を幅広く手がけた。

文化人として

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著書

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単著

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  • 『歴史の発見』中公新書 1968
  • 『組織の時代 潮出版社(潮新書) 1971
  • 『ヨーロッパとの対話』 日本経済新聞社 1974
  • 『西欧文明の原像』(人類文化史 5) 講談社 1974
  • 『世界戦史99の謎』産報(サンポウ・ブックス) 1975
  • 『近代の神話中公新書 1975
  • 『色めがね西洋草子』ダイヤモンド社 1977
    • 文庫化 角川文庫
  • 『都市文明の源流』東京大学出版会(UP選書) 1977
  • 『西欧の顔・日本の心』PHP研究所 1977
    • 文庫化 角川文庫
  • 『ヨーロッパからの発想 講談社 1978
  • 『日本人にとって商業とは何か』現代研究会(現代セミナー) 1979
  • 『新しい対話の時代』講談社学術文庫 1979
  • 『人間の歴史 西ヨーロッパの人と自然』旺文社(テレビ大学講座) 1979
  • 『和魂和才のすすめ』日本経済新聞社 1979
    • 文庫化 角川文庫
  • 『新・日本人論』講談社 1980
  • 『知的野蛮人を育てる獅子の教育』講談社オレンジバックス 1981
  • 『 "料理外交"のすすめ 』PHP研究所 1981
  • 『ケジメの時代』ダイヤモンド社 1982
  • 『武器としての手帳活用』パシフィカ 1982
  • 『ユーラシア時代の日本人』朝日新聞社, 1982
  • 『ヨーロッパ文化史散歩』(音楽選書 12) 音楽之友社 1982
  • 『風景は生きた書物だ 体験的ヨーロッパ論』日本交通公社出版事業局 1982
  • 『成熟の時代』 日本経済新聞社 1982
  • 『中世騎士の時代・ジャンヌ・ダルク』(少年少女世界の歴史 3) あかね書房 1982
  • カオールの酒壷 歴史へのひとり旅』講談社 1983
  • 『家族の時代』新潮選書 1985
  • 『男時・女時の文明論』PHP研究所, 1986
    • 文庫化 PHP文庫
  • 『ダウントレンド』リクルート出版部 1986
  • 『粋な時間にしひがし』文藝春秋 1986
    • 文庫化 文春文庫
  • 『時代を見通す発想』講談社ビジネス 1987
  • 『「耕す文化」の時代 セカンド・ルネサンスの道』ダイヤモンド社 1988
    • 文庫化 PHP文庫
  • 『随想ヨーロッパの窓から 』講談社 1988
  • 『紳士淑女のおしゃれ学』有斐閣 1989
  • 『中世の街角で』グラフィック社 1989
  • 『世紀末泰西風俗絵巻』文藝春秋 1989
  • 『ふりかえれば、未来 歴史を読む明日を読む』PHP研究所 1992
  • 『世界の都市の物語 1 パリ』文藝春秋、1992
  • 『文明が漂う時』 日本経済新聞社 1992
  • 『旅だちのとき 』ネスコ 1994
  • 『日本が、動く』 講談社 1995
  • 『折り返し点からの発想』 PHP研究所 1995
  • 『作法の時代 小笠原流を生かす』 PHP研究所 1996
  • 『文化の風景』 日本経済新聞社 1997
  • 『ご隠居のすすめ 人生の自由時間を豊かに生きる法 』PHP研究所 1997
  • 『美しい「農」の時代 耕す文化の復権』ダイヤモンド社 1998
  • 『歴史の風景』山川出版社 2003
  • 『ヨーロッパ思索紀行』 日本放送出版協会(NHKブックス) 2004
  • 『日本の美風』 潮出版社、2007
    • 改題新版『年寄りはなぜ早起きか』潮出版社 2012

編著・共著

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  • 『中世の森の中で』(生活の世界歴史 6) 堀越孝一渡辺昌美・堀米庸三 河出書房新社 1975
  • 『西欧精神の探究 革新の十二世紀堀米庸三共編、日本放送出版協会 1976
    • 新編 (NHKライブラリー) 2001 
  • 『フランス 1:愛の世界の女たち』(世界の女性史 4) 評論社 1976
  • 『概説西洋史』 本間長世 有斐閣選書, 1977
  • 『文明にとっての変革期』G.バラクロウ著、日本放送出版協会(NHKブックス) 1977
  • 『フランス 2 自由の国の女たち』(世界の女性史 4) 評論社, 1977
  • 『それでも日本は世界を目指す 木村尚三郎座談集』PHP研究所 1979
  • 『鼎談書評』丸谷才一山崎正和 文藝春秋 1979
  • カール大帝:ヨーロッパ世界の形成者』(世界を創った人びと 6) 平凡社,1980
  • 『中世ヨーロッパ』有斐閣新書 1980
  • 『概説フランス史』志垣嘉夫共著、有斐閣選書 1982
  • 世紀末を生きる知恵』渡部昇一共著、サンケイ出版 1982
  • 『三人で本を読む 鼎談書評』丸谷才一・山崎正和 文藝春秋 1985
  • 『物語にみる中世ヨーロッパ世界』(朝日カルチャー叢書 20) 光村図書 1985
  • 『城と騎士』(カラーイラスト世界の生活史 8) フィリップ・ブロシャール著、福井芳男共訳、東京書籍 1985
  • 『固い本やわらかい本 鼎談書評』丸谷才一・山崎正和共著、文藝春秋 1986
  • 『祭りだワッショイ 面白まじめのむらづくり』小山智士共著、日本経済評論社 1986
  • 『フランス中世の社会 フィリップ・オーギュストの時代』アシル・リュシエールフランス語版著、監訳、東京書籍 1990
  • 『森の生活ドラマ100』共編・筒井迪夫著、日本林業協会 1990
  • 『名言の内側 歴史の発想に学ぶ』村山吉廣・外山滋比古 日本経済新聞社 1990
  • 『続 名言の内側 色褪せぬ先人の知恵』村山吉廣・外山滋比古 日本経済新聞社 1992
  • 『日本という存在: ジャパンズアイデンティティ』ジョン・ネスビッツ著、長井京子翻訳、日本経済新聞社 1992
  • 『パリ歴史地図』ジャン=ロベール・ピット著、監訳、東京書籍 2000
  • 『学問への旅 ヨーロッパ中世』山川出版社 2000
  • 『農の理想・農の現実 新しい農の形』中村靖彦 ダイヤモンド社 2000
  • 『ジャンヌ・ダルク フランスを救ったオルレアンの乙女』(学習漫画 世界の伝記) 監修・高瀬直子画、集英社, 2005

外部リンク

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  • 基調講演「21世紀の新しい生き方の場としての農村」濃文協

脚注

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学職
先代
(新設)
静岡文化芸術大学学長
初代 : 2000年 - 2006年
次代
川勝平太
文化
先代
(新設)
世界緑茶協会理事長
初代 : 2001年 - 2006年
次代
石川嘉延
先代
飯島宗一
トヨタ財団理事長
第3代 : 1998年 - 2006年
次代
遠山敦子