東京レインボープライド
東京レインボープライド(とうきょうレインボープライド、Tokyo Rainbow Pride)は、「LGBTQ+、いわゆる性的少数者が、差別や偏見にさらされず、前向きに生活できる社会の実現」を目指した団体、およびイベントの総称。2012年より毎年4月または5月に、東京都渋谷区代々木公園周辺で開催される。プライド・パレードも行われる(2020年、2021年は新型コロナウイルス感染拡大のため、オンラインのみでの開催)。略称は、TRP。
「東京レズビアン・ゲイ・パレード」「東京レズビアン&ゲイパレード」「東京プライドパレード」などを前身とする。
前史
[編集]日本初のプライド・パレードである「第1回レズビアン・ゲイ・パレード」は1994年8月28日に開催された[1]。1996年に3回目のパレードが開催されたが、トラブルから東京の大きなパレードは中断する[2]。
2000年8月、「東京レズビアン&ゲイパレード2000」として東京のパレードが復活するが、2003年に中断する。 2005年、毎年安定してパレードを開催するための運営母体として「東京プライド」という任意団体が設立されて2007年まで開催されるが、2008年に再び中止。その後に復活し2010年8月に「東京プライドパレード2010」が開催された。2011年は同年3月11日発生の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の影響などにより中止された[独自研究?]。
沿革
[編集]2011年5月、新たなパレードの運営母体「東京レインボープライド」が、「東京プライド」から分かれて新たに設立される[3][4]。
東京レインボープライドは翌2012年から毎年、団体名を冠したパレードを継続して開催している。
2013年からはパレードに合わせ、その前後に「レインボーウィーク」を実施するようになった。
2015年6月にNPO法人となる[5]。
2017年、参加者10万人を突破。
2019年、参加者20万人を記録。
2024年の東京レインボープライドでは協賛する企業・団体が300を超えた[6]。
団体の趣旨
[編集]各年の実施
[編集]2010年代
[編集]2012年
[編集]2013年
[編集]- 4月27日から5月6日にかけて、東京レインボープライドを含めた7団体の主催によるレインボーウィークが開催[10]。東京国際レズビアン&ゲイ映画祭や作家の石田衣良らを迎えた公開授業などのイベントが行われた[11][12]。
- 野宮真貴&BIBA、中村中らが特別出演した。
2014年
[編集]- 4月26日から5月6日にかけて行われたレインボーウィークでは、安倍昭恵首相夫人らがパレードに参加した[15]。
- アメリカ合衆国、イギリスやオランダなどの各国大使館、日本IBM、東京インターバンク・フォーラム、Google、マイクロソフト、フィリップス、ギャップなどの大手企業がブースを出展したことが注目を浴びた[15]。
- 司会の一部を東小雪が務め、夏木マリが特別出演した。
2015年
[編集]- 4月25日から5月6日にかけてレインボーウィークが行われた。イベントには渋谷区長の桑原敏武やミュージシャンの清貴も出席したほか、同性カップルによる結婚式も行われた[17][18]。
- 清水ミチコ、IMALUが特別出演した。
2016年
[編集]- 開催日:2016年5月7日・8日
- 参加者:70,500人(パレード 4,500人)
- フロート車:18
- テーマ「BEYOND THE RAINBOW」
- 内容:
- 4月29日から5月8日にかけてレインボーウィークが行われた。キャロライン・ケネディ駐日米国大使、アン・バリントン駐日アイルランド大使、ティム・ヒッチンズ駐日英国大使らがパレード帰着後のステージでスピーチをした[19]。
- Charaが特別出演した。
2017年
[編集]- テーマ「CHANGE ー未来は変えられるー」
- 内容
2018年
[編集]- 開催日:2018年5月5日、6日
- 参加者:140,000人(パレード 7,000人)
- フロート車:37
- テーマ「LOVE & EQUALITY 〜すべての愛に平等を。」
- 内容
- 4月28日から5月6日にかけてレインボーウィークが行われた。前年同様、阿部知代が司会の一部を務めた。公式前夜祭「PARTY OF LIFE」には大黒摩季らが出演した[21]。
- 浜崎あゆみが特別出演し、自身初のフリーライブを行った[22]。
2019年
[編集]- 開催日:2019年4月28日、29日
- 参加者:204,000人(パレード 10,915人)
- フロート車:52
- テーマ「I HAVE PRIDE あるがままを誇ろう。」
- 内容
- 4月27日から5月6日にかけてレインボーウィークが行われた。前年同様、阿部知代が司会の一部を務めた。
- ニューヨークで勃発したストーンウォールの反乱から50年。プライドが日本で1994年に開催されてから25年という記念の年となる。
- ソニーPlayStationが『ゴールドスポンサー』として協賛したことで注目を浴びた[23]。
2020年代
[編集]2020年
[編集]- 開催日
- オンライン トークLive:2020年4月25日、26日
- オンライン プライドウィーク:2020年4月25日-5月6日
- テーマ「Your Happiness is My Happiness」
- 内容
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による緊急事態宣言発令中のため、初めてオンラインのみでの開催となった。
2021年
[編集]- 開催日
- プライドパレード&プライドフェスティバル(オンライン):2021年4月24日、25日
- プライドウィーク(オンライン):2021年4月24日-5月5日
- テーマ「声をあげる。世界を変える。Our Voices, Our Rights. 」
- 内容
- 前年同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による緊急事態宣言発令中のため、オンラインのみでの開催となった。
2022年
[編集]- 開催日
- プライドパレード&プライドフェスティバル(会場)2022年4月22日-24日
- フロート車:8
- プライドカンファレンス:6月3日(オフライン)
- プライドトークライブ:6月25日、26日(オンライン)
- プライドパレード&プライドフェスティバル(会場)2022年4月22日-24日
- 参加者数
- テーマ「繋がる、見える、変わる Change the Future Together」
- 3年ぶりに代々木公園イベント広場での開催となった。
- 4月23日、『プラチナスポンサー』として協賛していた大手外資系保険会社アクサグループのブース前で、ゲイ男性がプラカードを持ち、「アクサグループ傘下のアクサ損害保険で自動車保険を更新する際、保険料金が安くなる配偶者限定特約の制度が、同性パートナーに認められなかったことにショックを受けた」「LGBTQに対する取り組みが十分とは言えない企業が、お金を出すだけで大きなスポンサーになれてしまうことには疑問」という内容の抗議文を読み上げた。TRP実行委員会は警察へ連絡したが、警察官は「男性の抗議行動に問題はない」とした。ハフポスト日本版が4月24日報じた。[24]。TRP実行委員会は4月27日に見解を発表し[25]、「テロ対策のため、スタッフには何か不安なことがあった場合はすぐ警察に連絡するよう事前周知していたこともあいまって、警察へと連絡した」などと説明。男性は、TRP実行委員会が警察を呼び対応した経緯について「『スポンサーへの妨害行為』として通報された」とハフポスト日本版に語った一方で、TRP実行委員会は「抗議活動自体を『妨害行為』として通報した」という意図は否定し、男性が出展者用リストバンドを付けていたことを根拠に「出展者同士のトラブルと認識しており、出展中のトラブルについては主催側が独断で判断、対処はできないため、参加者からの依頼を受けて参加者の安全を第一に考慮し万一に備え警察へ連絡した」と説明。これに対し、「TRP実行委員会が警察への通報は過剰対応であったと認め、男性への謝罪を求める」署名が200人以上集まり[26]、5月9日にTRP実行委員会に提出された。5月17日時点でTRP実行委員会が「本人とやりとり中」となっている。なお、アクサ損害保険は男性からの抗議の後、2022年中に同性パートナーも配偶者として認める方針を男性とハフポスト日本版に明かした。
2023年
[編集]- 開催日
- プライドフェスティバル:4月22日・4月23日
- プライドパレード:4月23日
- プライドイベント:4月22日 - 5月7日
- プライドカンファレンス:11月9日
- テーマ「変わるまで、続ける Press on till Japan changes.」
2024年
[編集]- 開催日
- プライドフェスティバル:4月19日 - 4月21日
- プライドパレード:4月21日
- テーマ「変わるまで、あきらめない。」(英:Don't give up, change Japan)
- 内容
- パレードでは南定四郎が先頭に立って参加した[27]。
脚注
[編集]- ^ PRIDE PARADEとは | 東京レインボープライド
- ^ 「東京レズビアン・ゲイ・パレードの創始者」南定四郎さん(86)「LGBT運動の過去と未来そして老後の生活」レポート | 日仏共同テレビ局フランス10
- ^ “東京レインボープライド、来年4月29日にパレードを開催”. ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド). 2022年2月27日閲覧。
- ^ “レポート:東京レインボープライド公開ヒアリング”. ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド). 2022年2月27日閲覧。
- ^ https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/013011784 内閣府NPOホームページ
- ^ 根岸拓朗 (2024年4月21日). “「変わるまで、あきらめない」30年の節目 東京レインボープライド”. 朝日新聞. 2024年8月8日閲覧。
- ^ “東京レインボープライド”. 2018年1月19日閲覧。
- ^ レポート:東京レインボープライド2012 | ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド)
- ^ 東京レインボープライドに2500名が参加、TBSでもニュースになりました | ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド)
- ^ >2013年、東京のゴールデンウィークは「レインボーウィーク」になります | ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド)
- ^ “代々木公園などでLGBTイベント「東京レインボーウィーク」-「性の多様性」考えるきっかけに”. シブヤ経済新聞 (2013年4月26日). 2015年11月5日閲覧。
- ^ "東京が虹色に染まる?LGBTの祭典、GWに開催!前編・後編".エキサイトニュース (2013年4月25日, 26日). 2015年11月5日閲覧。
- ^ “東京レインボープライド2014〜パレードで性の多様性アピール〜 写真特集”. 時事ドットコム (2014年4月27日). 2015年11月5日閲覧。
- ^ “安倍首相夫人、都内のLGBTパレードに参加”. AFP BB News (2014年4月28日). 2015年11月5日閲覧。
- ^ a b “首相夫人も参加、LGBTパレードin原宿 GAP原宿店はレインボーカラーのロゴを設置”. 東洋経済ONLINE (2014年5月14日). 2015年11月5日閲覧。
- ^ “性的少数者:虹色の旗で理解呼びかけ…東京でパレード”. 毎日新聞 (2015年4月26日). 2015年5月1日閲覧。
- ^ “「東京レインボープライド2015」開幕 同性カップルの公開結婚式が行われる”. ハフィントンポスト (2015年4月26日). 2015年5月1日閲覧。
- ^ “「カミングアウト、自然にできた」Ki-Yoさん、LGBT明かす【東京レインボープライド2015】”. ハフィントンポスト (2015年4月26日). 2015年5月1日閲覧。
- ^ “About TOKYO RAINBOW PRIDE 2016”. TOKYO RAINBOW PRIDE. 2018年1月19日閲覧。
- ^ “『東京レインボープライド2017』無事に終了いたしました!”. TOKYO RAINBOW PRIDE (2017年5月8日). 2018年1月19日閲覧。
- ^ 浜崎あゆみさんも出演した東京レインボープライド2018が、過去最高の約15万人の参加者で盛り上がり、大成功を収めました | ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド)
- ^ “あゆ、LGBT想う 「東京レインボープライド2018」で初フリーライブ”. 中日スポーツ (2018年5月7日). 2018年5月17日閲覧。
- ^ “ソニー 世界で2019年の「プライド」イベントをサポート ~米国ストーンウォール事件から50年の節目の年に~”. SONY (2019年9月). 2021年4月17日閲覧。
- ^ 「LGBTQ差別の企業の出展はおかしい」ゲイ当事者が『アクサ』と実行委に抗議【東京レインボープライド2022】ハフポスト日本版2022年4月24日
- ^ 一部報道について 特定非営利活動法人東京レインボープライド2022年4月27日
- ^ 東京レインボープライド実行委はスポンサー抗議した男性への対応に問題があったと認め、謝罪してください。change.org
- ^ “市民権を得たプライドパレード、30年前日本で始めた92歳の男性が心配すること LGBT理解増進法に潜む差別、「大事なのは個々の幸せ」”. 信濃毎日新聞 (2024年6月19日). 2024年6月20日閲覧。