Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
コンテンツにスキップ

松村克弥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
まつむら かつや
松村 克弥
松村 克弥
茨城県大子町での『天心』上映会にて
本名 同じ
生年月日 (1963-03-19) 1963年3月19日(61歳)
出生地 日本の旗 日本東京都
職業 映画監督
ジャンル 映画オリジナルビデオ
主な作品
オールナイトロング
受賞
ヨコハマ映画祭
新人監督賞
1993年オールナイトロング
テンプレートを表示

松村 克弥(まつむら かつや、1963年3月19日 - )は、日本の映画監督東放学園映画制作科講師。妹は東京都議会議員上田令子

来歴

[編集]

東京都港区西麻布出身。明治学院高等学校卒業。成城大学文芸学部国文学科卒業。大学在学中、映画研究部で自主制作映画の制作に携わる。卒業後、毎日映画社演出課に入社[1]。同社にてTVドキュメンタリー、短編記録映画など100本近くの構成や演出に携わる。1988年、ニュース映画『今なお苦悩は続く~土呂久公害70年~』で毎日映画コンクールの短編映画部門グランプリ受賞。その後、1991年にフリーランスへ転進。映画監督として活動を開始する。日本映画監督協会所属。

人物

[編集]

大学時代は国文学科に学び、卒業論文では『奥の細道』について研究していた。「おっかない映画しか撮らない男ではなく、学生時代は『奥の細道』を研究していた男だ」とファンの間では言われている。

映像作品

[編集]

得意とするジャンル

[編集]

スプラッタバイオレンス系の映像作品を以前は多く撮っていた。1992年、平凡な少年が突然狂気にとりつかれる『オールナイトロング』でデビューする。カルトファンに高い評価を受け、ヨコハマ映画祭の新人賞を受賞した。1994年の『オールナイトロング2』はサイコホラー仕立てで、多くのカルトファンを惹きつける。

作品におけるテーマ

[編集]

常に時代の暗部に焦点を当て、暴力性や変態性といった極部をクローズアップすることで、タブーに挑戦し、人間の内面に潜む闇、狂気、愚かさ、切なさ、悲しみなど心の深淵を描くなど、あらゆるテーマで映画を撮っている。

2013年竹中直人主演『天心』では岡倉天心とその弟子たちの実像に迫り、新境地を開拓[2][3]

テレビ演出作品

[編集]

テレビにおいては青春・人間ドキュメンタリーを中心に多数演出。

1993年テレビ東京の『ドキュメンタリー人間劇場』で、映画のモデルにもなった、1人の部員しかいない大学相撲部の主将を追った『シコふんで!たった1人の慶大相撲部・北見主将の青春』(ナレーション:紺野美沙子)を演出。1993年度の同番組の年間代表作の一つとして、ATP作品賞の選考に出品される[4]

1997年2月、『ドキュメンタリー人間劇場』で3本目の作品、柴又駄菓子屋で展開する80歳の女性店主と子供たちとのふれあいや泣き笑いを追った『柴又駄菓子や~10円玉の愛と夢物語~』(ナレーション:倍賞千恵子)を演出。1997年下半期の代表作に選ばれ、ギャラクシー賞の選考に出品される[5]

復興支援映画「天心」

[編集]
  • 地元での上映会
    主人公である岡倉天心が活動した茨城県で先行上映が行われ、2013年11月16日より全国でロードショー[6]。その後も熱心な地域上映を行い、「どんなに不遇な時代であっても、自分の信じた道を歩み続けろ」という岡倉天心の生涯を伝えるため、復興を目指すすべての人に作品を届けている[2]
  • 六角堂
    脚本を書き、支援者も集い始めた矢先の2011年、東日本大震災が起き、主な撮影予定地の六角堂が津波により流失する。天心を描くのに欠くことのできない「象徴」が突如消え、「目の前が真っ暗になった」とインタビューで語っている[2]
    その後、北茨城市茨城大学を中心に再建支援の輪が広がり、多くの支援のもと、2012年にはかつての姿を取り戻すことができ、撮影を続けることができた。支援者全員をエンドロールのクレジットに表記している[7]

受賞歴

[編集]

フィルモグラフィ

[編集]

劇場公開作品

[編集]

オリジナルビデオ

[編集]

ノンフィクション・ドキュメンタリー演出作品

[編集]
  • 『シコふんで!たった1人の慶大相撲部・北見主将の青春』1993年(テレビ東京「ドキュメンタリー人間劇場」)
  • 『バレーがくれた明日へのアタック~早大主将・涙の最終戦~』1994年(テレビ東京「ドキュメンタリー人間劇場」)
  • 『柴又駄菓子や~10円玉の愛と夢物語~』1997年(テレビ東京「ドキュメンタリー人間劇場」)
  • 『東京下町人情食堂物語』1997年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 新宿末廣亭に生きて』1998年(テレビ東京「ドキュメンタリー人間劇場」)
  • 『大衆食堂エレジー』1998年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『新宿・男と女の哀愁物語』1998年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『時の旅人~テレビが記録した日本~』1999年(NHK)
  • 『東京下町ガード下・酔いどれ人生』1999年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『離島の熱血先生~たった1人の診察日記~』1999年(テレビ東京「ドキュメンタリー人間劇場」)
  • 『明日がある!リサイクル男たちの夢』2001年(テレビ東京)
  • 『平成大不況!新宿・再起にかけた女たち』2001年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『家族がうつ病になった時…』2002年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『春待つ島に吹く風は…』2002年(NHK「にんげんドキュメント」)
  • 『東京下町ガード下・酔いどれ人生』(完結編)2002年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『元ミス日本・その後の波乱万丈物語』2003年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『心が壊れる~リストカットに走る女たち~』2003年(日本テレビ「NNNドキュメント」)
  • 『ニート~働けない若者の憂鬱~』2005年(日本テレビ「NNNドキュメント」)
  • 『オーバードーズ~若者に広がるクスリ依存~』2007年(日本テレビ「NNNドキュメント」)
  • 『マキさんの老後』2008年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『人生の勝どき橋を渡りたい』2009年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『あの頃に戻れない~30年後のザ・ハンダース』2010年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 『美の宴の果て~昭和のミスコン女王たちは今』2012年(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)
  • 若鷲に憧れて〜元予科練生の回顧録〜』2021年(茨城県阿見町プロモーション映像[8]
  • 名医死す〜感染症と闘った藤野昌言物語〜』2021年(広島県府中市プロモーション映像)

脚注

[編集]