石一郎
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石 一郎(いし いちろう、1911年8月1日 - 2012年3月21日)は、日本のアメリカ文学者、作家、翻訳家。
経歴
[編集]茨城県生まれ。1935年東京帝国大学英文科卒。1942年北支に出征。 戦後明治大学教授を勤め、1982年定年退職。 ヘミングウェイ、スタインベックが専門で、『怒りの葡萄』の翻訳は広く読まれた。
2012年3月21日に老衰で死去[1]。100歳没。
妻は俳人杉田久女の長女で俳人でもある石昌子(2007年1月に没)で、編著書が10数冊ある。
なお河出書房より小説『海のサムライ』を刊行しているが、姓名が似ている作家白石一郎の歴史小説に『海のサムライたち』がある。
著書
[編集]- 『ヘミングウェイ研究』(南雲堂) 1955
- 『崩壊の文学 F・S・フィツジェラルド論』(南雲堂) 1958
- 『標高八八四〇メートル』(河出書房新社) 1960
- 『蒼い岩壁』(光風社) 1964
- 『「喪失の世代」の文学 現代アメリカ小説の出発』(紀伊国屋新書) 1964
- 『アメリカ一周バス旅行 走行1万6千キロ』(南雲堂) 1966
- 『海のサムライ』(河出書房新社) 1973
- 『小説小泉八雲』(集英社) 1982
- 『愛と死の猟人 ヘミングウェイの実像』(南雲堂) 1988
- 『大いなる幻影 自伝的記録文学』(南雲堂) 1993、のち改題『終わらない戦争』 1998
- 『88歳のアメリカ文学 20世紀・戦後の記憶』(南雲堂) 1999
- 『自然と文明 アメリカの西部小説を読む』(南雲堂) 1999
- 『ヘミングウェイと女たち』(南雲堂) 2002
編著
[編集]翻訳
[編集]- 『アルプス及コーカサス登攀記』(A・F・マンメリイ、朋文堂) 1938
- 『山の魂』(F・S・スマイス、朋文堂) 1938
- 『北西への道』(ケネス・ロバーツ、三笠書房) 1939 - 1940
- 『百万長者の死』(G・D・H・コール, M・コール、東京創元社) 1956、のち文庫
- 『怒りの葡萄』(スタインベック、角川文庫) 1956
- 『武器よさらば』(ヘミングウェイ、角川文庫) 1957
- 『キリマンジャロの雪 / 二つの心の河』(ヘミングウェイ、江島祐二共訳、南雲堂) 1959
- 『死の猟人 ヘミングウェイ伝』(クルト・ジンガー、荒地出版社) 1962
- 『マルタの鷹』(D・ハメット、角川文庫) 1963
- 『カラコルムを越えて』(ヤングハズバンド、白水社、西域探検紀行全集5) 1966、のち新版 2004
- 『アルプス登攀記』(ウィンパー、旺文社文庫) 1971
- 『危機の作家たち フォークナー、トマス・ウルフ、スタインベック論』(マックスウェル・ガイスマー、須山静夫共訳、南雲堂) 1975
- 『図説ヘミングウェイの世界』(アンソニー・バージェス、学習研究社) 1979
脚注
[編集]- ^ “訃報:石一郎氏(米文学者)が死去”. 読売新聞. (2012年3月22日) 2012年3月22日閲覧。