BMW 132
表示
BMW 132はドイツのBMWで1933年から製造されていた航空機用9シリンダー空冷星型エンジンである。アメリカのプラット・アンド・ホイットニーからライセンスを買い取ったR-1690 ホーネットエンジンの発展型として開発された。
概要
[編集]1928年1月にBMWはプラット&ホイットニーからR-1690 ホーネットのライセンスを買い取り、短い間それをBMW ホーネットとして設計変更なしに生産していた。しかしすぐにホーネットの改良を開始し、1933年にはその発展型としてBMW 132をリリースした。同エンジンには様々な派生型が生まれ、例えば民間向けにはキャブレターを装備したものが、ドイツ軍向けには燃料噴射装置を装備したものが生産された。派生型によってスペックは異なるが、排気量は27.7Lで出力は最大のものが1200hpまで発揮できた。
本エンジンは輸送機によく搭載され、特にJu 52ではほぼすべての派生型を通じて本エンジンが採用されていた。また、1930年代の民間航空機用エンジンとして重要な役割を果たし、いくつかの試作機・記録機のエンジンとしても活躍した。特に、1938年8月10日に24時間57分でベルリン・ニューヨーク間の無着陸飛行に初めて成功したFw 200 S-1に搭載されていたことで知られている。
諸元 (BMW 132N)
[編集]- タイプ:空冷星型9シリンダー
- ボア×ストローク:155.5 mm × 162 mm
- 排気量:27.7 L
- 全長:1,256 mm
- 直径:1,372 mm
- 重量:525 kg
- 過給機:機械式1速
- 燃料供給方式:直接噴射(派生型によってはキャブレター)
- 圧縮比:6.93
- 出力:
- 865 hp @ 0 m
- 960 hp / 2,450 rpm @ 3,000 m
- 出力重量比:1.83 hp/kg
- 燃費:0.24 kg/(hp·h)
主な搭載機
[編集]関連項目
[編集]- BMW 801 - BMW 132を複列化したBMW 139の改修型としてBMW 801が生まれた。
- 航空用エンジンの一覧
- 航空用エンジンメーカーの一覧