OpenWrt
LuCI | |
OSの系統 | Unix |
---|---|
開発状況 | current |
ソースモデル | FOSS |
最新安定版 | 23.05.5 / 2024年9月25日 |
最新開発版 | snapshot |
リポジトリ | |
使用できる言語 | multi language |
パッケージ管理 | opkg |
プラットフォーム | mips,arm,ppc,x86,x86-64他 |
ユーザランド | busybox |
既定のUI | web |
ライセンス | GPL and others |
ウェブサイト | openwrt.org |
OpenWrt は、ゲートウェイなどの組み込みシステム用ファームウェアとして開発されているLinuxディストリビューションである。
製造業者が自社製品に載せていたファームウェアのソースコードを GNU General Public License (GPL) に基づいて公開していたため、これを利用して、様々な機能を追加する形で開発された。但し、現在は改変が進んでいるため、全体的に新しいソースコードに置き換えられている。当初は、一部の機能がプロプライエタリソフトウェアを必要としていた。Linux 2.6.25 と b43 カーネルモジュールを使った OpenWrt 8.09 が登場する以前は、ブロードコム製無線LANルーターにはプロプライエタリな wl.o モジュールが必須であり、それは Linux 2.4 上でしか使えなかった。なお、b43 モジュールは、OpenWrt 8.09.1 で mac80211 ドライバが削除されたため、使えなくなっている[1]。
当初は、リンクシスのWRT54Gシリーズのみを対象としていたが、ネットギア、Dリンク、ASUSなどのルーター、OpenMoko搭載携帯電話などにも対象を拡大していった。OpenWrt を実際によく使っているのは、WRT54GシリーズとASUS WL-500gである。
OpenWrt の操作は、主にキャラクタユーザインタフェースによって行うが、WebベースのGUIも用意されている。
技術サポートは公式サイト上のフォーラムとIRCで提供している。
OpenWrtは「オープンダブリュアールティ」と発音する。ただし日本では「オープンワート」など短縮して発音されることも多い[独自研究?]。
特徴
[編集]OpenWrtは書き込み可能なJFFS2ファイルシステムの形でインストールされ、opkgによるパッケージ管理が可能である。このため、OpenWrtは汎用性があり、様々な要求に対応可能である。また、メッシュネットワークの構築が可能である。
Webインタフェース
[編集]8.09 より前の OpenWrt には最小限のWebインタフェースしかなかった。8.09 では、より高機能なWebインタフェースがプリインストールされる[2]。これにはLuaで書かれたMVCフレームワークである LuCi が使われている[3]。
X-Wrtプロジェクトでは、従来バージョンのOpenWrtにも適用可能な別のWebインタフェース webif2 を提供している。これには40以上の制御/ステータスページがある。
OpenWrtに基づくその他のディストリビューション
[編集]- LEDE - OpenWrtプロジェクト運営が閉鎖的なことに不満を持った開発者たちが2016年に結成したプロジェクト。LEDEはLinux Embedded Development Environmentの頭文字で、OpenWrtとほぼ同じ目標を共有するフォーク。[4] 2018年にOpenWrtと再統合し、LEDEの成果はOpenWrtにマージされた。
- DD-WRT - 家庭用ルーター向けの機能強化用ファームウェア
- Chillifire - 公衆無線LAN向けを意図したOpenWrtベースのディストリビューション
- PacketProtector - セキュリティ強化を意図したOpenWrtベースのディストリビューション
- Coova - 公衆無線LAN向けを意図したOpenWrtベースのディストリビューション
- Freifunk(英語: Freifunk) - OLSR による無線メッシュネットワーク
- RO.B.IN (ROuting Batman INside) - ルーティングプロトコル B.A.T.M.A.N. を使い、OpenWrt上でメッシュネットワークを構築するオープンソースプロジェクト
- Gargoyle Router Firmware - OpenWrt用Webインタフェース(ユーザビリティを強化)
- FreeWRT - OpenWrtプロジェクトからのフォーク
- X-Wrt - OpenWrtのWebインタフェースを強化したもの
Sveasoftに関する論争
[編集]Sveasoft は無線LANルーター用ファームウェアを販売する企業である。2006年3月11日、OpenWrt はSveasoftがGPL違反を犯している(ソースコードを公開せずにバイナリを販売していた)とし、それに含まれている OpenWrt に由来するソフトウェアの頒布を禁止するとした[5]。これに対してSveasoftは、OpenWrtがSveasoftとブロードコムが著作権を所有するソフトウェアを許可無く不正にGPL化したと反論している[6]。従って、互いに相手の主張を否定している状況にある。
脚注・出典
[編集]- ^ “OpenWRT 8.09.1 release notes”. 2009年7月23日閲覧。
- ^ OpenWrt 8.09 release notes OpenWrt download page for 8.09. Retrieved February 23, 2009.
- ^ About LuCIAbout - LuCI Project' Retrieved February 28, 2009.
- ^ “About the LEDE project”. LEDE Project. 2017年7月7日閲覧。
- ^ “NOTICE OF LICENSE TERMINATION”. OpenWrt (2006年3月11日). 2006年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年8月9日閲覧。
- ^ “sveasoft post to forum.openwrt.org”. OpenWrt (2006年3月12日). 2007年8月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- OpenWrtウィキ
- Unofficial OpenWrt package tracker 公式以外のリポジトリにあるipkgパッケージ。公式パッケージを使うことが推奨される。