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写真提供:共同通信
日本のエネルギー政策の方針を中長期的に示す「第7次エネルギー基本計画」の原案が、石破茂政権の下で発表された。再生可能エネルギーの目標値が現実路線へとシフトする一方で、原子力発電が再評価され天然ガスの役割も大きく見直された。
第7次計画の具体的な内容を踏まえながら、ガスエネルギー業界が直面する課題や、液化天然ガス(LNG)安定調達のための資源外交、カーボンニュートラルを支えるe-メタン普及の可能性などについて、ガスエネルギー新聞常務取締役編集長の大坪信剛氏に聞いた。
第7次エネルギー基本計画の背景にある3つの環境変化
──2025年のガスエネルギー業界で、どのようなトピックスが注目を集めていますか。
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大坪信剛氏(以下・敬称略) 最も注目されているのは、日本のエネルギー政策の中長期的な方向性を示す「第7次エネルギー基本計画」の内容です。およそ3年ごとに改訂されるのですが、以前もお話したように、前回の第6次計画は、当時の菅政権が打ち出した「2050年までにカーボンニュートラル達成」という目標に合わせて、太陽光と風力などの再生エネルギー(再エネ)が重視されるあまり、かなり無理をして作成されたものでした。
そのため今回の第7次計画では、電源構成や脱炭素化の進め方について、より現実的な方針が盛り込まれると見られていました。
実際、このほど発表された第7次計画では、2040年度の電源構成に占める再生可能エネルギー(エネ)の割合は「4~5割程度」、原子力発電は「2割程度」、火力発電は「3~4割程度」と、いずれも目標値に幅を持たせています。また東日本大震災以降、毎回明記されていた「可能な限り原発依存度を低減する」との言葉が削除され、第6次計画に記載されていた「再エネ最優先の原則」という文言も割愛されました。
──内容の見直しにはどのような背景があったのでしょうか。
大坪 ここ数年で、主に電力エネルギーを取り巻く環境に3つの大きな変化がありました。