
前半国会の山場に「結論」は出た
国会前半戦の山場である予算の成立に向けた与野党攻防に「結論」が出た。自公維が三党合意に達し、維新が予算案に賛成。国民民主党は反対に回るものと目されている。
本稿では、この「結論」を読み解いてみることにしたい。
経緯については各社報道が出ているが、なかでも以下の日経の2つの記事はその内容を端的にまとめている。NHKの記事とあわせて一読してみてほしい。
◎自民・公明・維新、予算修正で党首合意 高校無償化170万人対象 - 日本経済新聞
◎高校無償化など巡る自民党・公明党・日本維新の会の3党合意要旨 - 日本経済新聞
◎【詳しく】自公維 教育無償化など合意 予算案は修正・成立へ | NHK
自公維の合意の大項目は「教育無償化」「現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減」「働き控えの解消」「教育無償化の論点等」「予算の修正等」の5項目。
小欄でも解説してきたように、予算編成と成立は、過半数割れした政府与党にとっては越えるべき山場だったし、実際に当初は相当の難産になるものと思われた。
◎103万円「壁の引き上げ」報道についていけている人はどれくらいいるだろうか?メディアの解説不足に感じる消化不良 【西田亮介の週刊時評】| JBpress (ジェイビープレス)
「手取りを増やす。」というシンプルなメッセージと、基礎控除等の178万円までの引き上げを掲げる強気の国民民主党との交渉は国民民主党優勢で進むかに見えたからだ。
一言でおさらいすると、基礎控除等の引き上げは働いている幅広い人に影響と恩恵をもたらす一方で、7兆〜8兆円という大規模な財源を必要とする。
物価上昇に賃金上昇が追いつかず、トレンドでいえば3年近くにわたって、実質賃金が低下している。また主要国と比べて日本の物価上昇は穏やかであったものの、収まる目処はたたず、新たに米価の急上昇という問題が加わった。
幅広い国民が生活苦を感じ、先行きに不安を感じたとしても無理はない。
NHKの世論調査を見てみても、「『103万円の壁』の見直し」について、「(123万円より)さらに引き上げる」への支持が半数を超えている。国民民主党の政党支持率も高止まり状態だ。
それに対して、自公維は明確な対策や先行きの見通しを示せただろうか。筆者にはそうは思えない。