MACK

　科学が粋を極めれば必ず問われるであろう重い問題だけど、アメリカのシットコムのような痛快なやり取りの中でそれを軽妙に浮彫にしつつ、主人公の気持ちを理解していけば、愛とはどういうこと…続きを読む

　主人公とその友人二人は、腕試しや肝試しに使われてはいたけれど、本当に魔物が出るという事で誰も寄りつかなくなった沼に向かい、三人とも体の一部を失うような事になってしまったあげく、無…続きを読む

　様式美の第一話、流れるような異世界転生。 　なのに二話目から途端に様子がおかしくなる。 　大好きなゲーム！　推しのいるゲーム世界にヒロインとして転生しちゃった！？ 　ドキドキハ…続きを読む

　これはなんという美の競演。煌びやかな情景描写にうっとりです。 　オリエンタルでエキゾチックな香り漂うルビ使いも新鮮で、だけど読みにくいということもなく、するすると美麗な風景を脳裏…続きを読む

　文学的な文体と言いまわしで、ぐぐっとこの世界に引き込まれて行く感じが、たまらない読書体験をくれる作品。 　お話としては、神様の家の敷地との境となる門を作る大工である境工（きょう…続きを読む

　切なく詩的な情景からのスタート。描写もとても文学的で、素敵。ヒロインは海に向かって旅立つ彼を見送って……、という所からのどんでん返しというか、ラストまでの流れが見事。 　 　読後…続きを読む

　タイトルを見て恋愛に懲り懲りな主人公がラブソングを嫌っているのかと思いながら読んだ所、もっと身近な生活の中で悩み苦しむ主人公の、切実な理由から「嫌いだ」という強いメッセージのタイ…続きを読む

　主人公の月果は普通の（？）ごく一般的な女子高生だけど、好奇心が旺盛。 　その好奇心が仇となって、突然の非日常に投げ込まれるまでのテンポが絶妙で、読んでてとっても楽しい作品でした…続きを読む

　もし様々な思い出や感動が箱に詰まって、見える形であったとしたら。 　他人に見せるなんて、自分の心をさらけ出すような恥ずかしさや不安があると容易に想像できます。そんな葛藤を恋愛をは…続きを読む

　テンポの良い一人称の語り口で綴られた、一話完結の掌編です。 　箱にまつわるエピソードが種類豊富で、ほんわかするものからその後が気になるもの、いいお話などなど。箱だけをテーマにして…続きを読む

　音無くん。クールで無表情で掴みどころがなさそうなのに。 　色んな態度で主人公をキュンとさせていく。読者も漏れなくキュン。私の心が乙女になった。 　花言葉になぞらえた各エピソード…続きを読む

　あらすじで女王蟻とあるように、蟻の社会をファンタジー世界に落とし込んだ感じで、他で見ない独特の世界観の中、女王を守る騎士の一人、ルーがが敬愛する女王のために禁則の地に足を踏み入れ…続きを読む

　これまでについてるレビューを見てもらうだけで、数多の人がお薦めであると声高に叫んでいるのがおわかりいただけると思うが、私も便乗する。 　最終話を読んだ時、私の中の審査員が全ての…続きを読む

　一人の楽師が語る言葉を、淡々と聞く形になっているお話なのですが、まるで目の前で彼が語っているかのようです。その紡がれる言から、華麗な宮殿の姿、漂う異国の香り。ともすれば彼の声すら…続きを読む

　継母にいじめられ、風貌が変わるまでに至った王女スノウリア。かつての美女の姿を失って、死人のよう、呪いの魔女のようと形容され辛い毎日を送る彼女は、諦めの中で命が潰えるその日まで漫然…続きを読む

　禍魔の仮面という物がある。 　主人公は小説家という事もあり、今までの知識と新たな情報で好奇心を刺激されていく過程がまず描かれるのだけど、本当にそういう伝承や面が存在するのかと思…続きを読む

　これは本棚にいつもあって欲しい物語。分厚いしっかりとした装丁で。そんな本格的なファンタジーです。 　不老不死の主人公シェスティンはその運命を抱え、孤独な放浪の旅を続けていました…続きを読む

　世界を創造した存在は、神と呼ばれるにふさわしいであろうし、実際にそうなのであろうと。その世界に住まう人なら当然に、そう帰結するはず。 　異世界ファンタジーでゲームの世界に転生し…続きを読む

　書架はダンジョンで本がモンスター。 　なんて、単純に言葉を入れ替えた世界ではないこの作品。 　第一話から見せられる、いえ、魅せられる世界観。本を開けば生き物を模した魔法のよう…続きを読む

　読むと経験者なら「あ～～！！」っとなる。思わず自分の体験も語りたくなる、それが人間ドックや健康診断。過去に楽にこなした人は見た事がなく、苦痛がもう少しなければもっと受ける人がいる…続きを読む

　ゲームをプレイする時に結構やりがちなのが、アイテム温存。一応保険として色々用意するけれど、このバトルのあとにもう一戦あったら？　等と想像すると、「アイテム」→「使う」にカーソルが…続きを読む

　ミステリといえば、犯人がいて探偵がいて、大抵どちらかが主人公で進みますが。こちらの作品は謎を作った側、解く側の立場を追体験できる、とんでもない代物でした。 　最初の事件の内容で…続きを読む

　この世界観がとてつもなく素敵で、どう言葉で表現したらいいのか。 　冬の景色に感じる清廉とした空気、暖炉の匂い、香草の香り。夜の静寂、音が聞こえそうな星の瞬き、何処か恐ろしい闇と…続きを読む

　スピンオフではあるものの、学園物としてこの作品単独でも楽しめます。しかしやはり、キャラの人となりや出会いのエピソードを深く知った上で読んだ方が深みが段違い。この物語の深さを味わう…続きを読む

　筋肉を題材にしているだけであって、筋肉がキーになるのですが、これでもかと詰め込まれた筋肉要素。 　事故から異世界転生に至るまでのワンシーンの随所に、笑いどころとツッコミどころが…続きを読む

　あーわかる～、と思いながら読みました！ 　筋肉の物理的な圧っていうか頼りがいがある感じもあると思いますが、なんだかどんな問題も解決できそうな気がしてくる不思議な感覚。 　結果が…続きを読む

　リズミカルな文体に、花魁独特の言い回しを添えて。艶やかで優美、そして主人公の強さが777文字にぎゅぎゅっと。 　ワンシーンの中に、何があったのか、そしてこれからどうなるのかを鮮や…続きを読む

　これはネトゲ、特にパーティを組んで攻略するＲＰＧタイプのゲームで思い当たる人が出て来るやつだ！ 　主人公に悲哀を感じますが、忘れ物をしたときの気持ち、わかりすぎてとてもつらい。…続きを読む

　提示されるお題に沿って物語を綴るというのは、それが短編になるほどアイデアが問われる事になるもの。 　「アンラッキー７」というお題に対し、七福神がぱっと思いつくというのが。 　大ま…続きを読む

　短い話の中に、重量級のテーマとストーリーが押し込められてる作品。 　まだ少年だった彼はその七席目を手に入れたけれど。繁栄とは、栄誉とは。 　 　硝煙の香りと、刹那的な世界観、殺伐…続きを読む

　流行りの令嬢ものかと思われた導入部分から、怒涛の展開。 　ビジュアルをイメージすると、画面から圧を感じてしまうほどに。コミカライズをして欲しいと読みながら思ってしまいました。 …続きを読む

　人間の体も人生が記録されるかのように、同じ姿勢を続ける事でその仕事独特の歪みができたり、漫画家やアニメーターの手には同じ場所にタコが出来ているとか、使う場所が必要に応じて変形する…続きを読む

　レビューで語るのが難しいのですが、ストイックに鍛える彼だからこそ出来るわざ。あまねく全ての国民を幸せにするのと同時に、読み終えた読者も幸せな気持ちにさせてくれます。 　童話のよ…続きを読む

　草木も眠る丑三つ時。 　昨今は街灯なんかもあって、夜の散歩に出る人もいなくはないかと思いますが、あまり夜中にウロウロする用件ってないですよね。 　いるとすれば、夜じゃないと出来な…続きを読む

　ジャンル分けの話からして面白いし、随所で知識欲が刺激されるというか、気になる言葉が織り込まれているし、物事の見方についても含蓄があって、物語以外にも得る物が多い作品。 　学生の…続きを読む

　日常から地続きに非日常が沿って存在しているような、あの独特な深夜の空気感が再現されていてすごかったです。 　深夜でなければ存在しない路地や、入りこめない空間に迷い込まないように…続きを読む

　お題について考えていると、おのずと過去の経験や思い出が脳内サーチエンジンに引っかかりますが、この作者さんの場合、ぐちゃぐちゃという単語でこんな記憶が掘り起こされた模様……。 　よ…続きを読む

　地方に残るという伝承の歌を、現地に残る歌い継いで来た最後の後継者に歌ってもらったものを録音し、報告のためにレポートにまとめた、というような内容。 　口伝のものは聞き間違いや覚え…続きを読む

　ダークファンタジーな設定に相応しい物語ですが、根底にずっと切なさの潮流があるといいますか。 　殺し屋としての仕事で穢れていく両手。新たに芽生える感情。どうにもならないもどかしさが…続きを読む

　詩のようなリズミカルさに、絵本のような優しい文面で、どろどろぐちゃぐちゃ汚いけれど、みんなのために頑張ってるヘドロンを描き出した作品です。 　少し哀しいお話だけど、随所でヘドロン…続きを読む

　地方には我々の知らない不可思議なものがまだまだ多く存在する……を、リアリティある筆致で描き出すミステリー作品。更には、話題になってもいた「作家は経験した物しか書けない」に対する解…続きを読む

　死刑囚となった彼女に、インタビューをするというお話。 　777文字の短いお話ですが、描写の妙と言い回しのセンスで、まるで海外ドラマか映画の映像を見ているかのような錯覚に陥ります。…続きを読む

　ぬいぐるみに名前を付ける事は、よくあることでしょう。特に幼い子供に与えるぬいぐるみには、それを認識させるために親が名前を付けている事もあるし、子供自身が名付ける事も。 　名前を与…続きを読む

　おもちゃのチャチャチャな世界観。深夜におもちゃ、もとい、ぬいぐるみたちが動き出す。持ち主のアコちゃんの隣という王座に収まる事を目指して！ 　ぬいぐるみと添い寝する子供は多いけど…続きを読む

　とてもやさしい語り口は疲れた心を癒す力がありますが、一切のトゲのない柔らかな文章が紡ぐこの物語の風景も、あたたかく、爽やかで、美しく、なめらかで。 　ひとつひとつのぬいぐるみの…続きを読む

　古本屋に、転売でひと稼ぎできる本を求めて行脚する一人の男。 　最近めっきり成果が得られずに焦る気持ちはあったろうが、目敏さは一級品のようで、彼は大したこと無さそうな古本屋で、売れ…続きを読む

　本屋で出会うものは？　思わずそういう事に想いを馳せてしまう物語です。 　数多の本に出会う場所であり、そこで人と出会って始まるドラマもあるだろうし、もしかしたらかつての自分とも言…続きを読む

　アルバイトがいつかないのか、応募する人がいないのか、いつも募集の張り紙が続く本屋さん。店主一人で常に店頭に立ち続けるのは大変で、そりゃあアルバイトの一人ぐらい雇いたい所でしょう。…続きを読む

　まさかこのような濃厚な本格ファンタジーが、KACで読めるとは思いませんでした。 　本屋、といっても書籍を販売している書店の事ではなくてダンジョンみたいな感じですね。そこには色々な…続きを読む