ネガティブキャンペーンの効果的な張り方
スキャンダルを流すのが定石だが、常にネタがある訳ではない。平時にはイデオロギー的なレッテル貼り合戦がよく行われる。
民主党は安倍内閣を批判する際、安倍内閣のタカ派ぶり反動的性格を浮き彫りにする論をよく張る。参院補選直前には沖縄補選を意識して衆議院「教育再生に関する特別委員会」において菅直人代表代行が沖縄戦における集団自決における教科書検定の問題を取り上げ、安倍総理を糾した。
この質疑に対し、与党である公明党の赤松正雄衆議院議員は
「安倍びいきの方は、ますます好きになり、嫌いなひとはますます嫌いになったと思われる。あれでは、敵を味方にするのは難しい。自陣営の支持の輪を広げることはできないのではないか。」とブログに記している。
http://akamatsu.eblog.jp/amt/2007/04/post_191.html
これは的を射た指摘だ。
こんなニュースもあった。
民主党は右派から売国政党と罵られ、左派からは自民党とどこが違うの?と罵られるのが常。わたしはどちらかと言うと自民党との違いが見えない政党との印象を持っているので、このようなネガティブキャンペーンはピンと来ない。このキャンペーンに反応する人は最初から民主党を支持していないであろうから効果はないと思う。
イデオロギー的なネガティブキャンペーンを張るなら、むしろ逆の発想が効果的だと思う。
次の参院選で自民党にダメージを与えたいなら、安倍内閣のタカ派性を誇示するより以下のものの方が余程効果があると思う。
- 自民党は媚中派の巣窟、その数はむしろ民主党より多い。
- 民主党右派には下手な自民党議員より立派な国士がおられる。政党名に騙されるな。
- 参院自民党は守旧派の巣窟でいつも安倍総理の足を引っ張っている。参院選はむしろ自民党が負けて彼らが大量落選した方がいい。最終的にはその方が自民党の将来のためになる。
- 公明党と連立を続ける限りは保守改革はできない。自公連立解消のためには参院選で自公過半数割れとなり政権再編を誘発し、自民党に民主党右派が合流する形の真の保守政権誕生を待つしかない。
民主党を敗北に追い込みたいなら、民主党の左派性を指摘するより右派性を強調してリベラル層を民主党から社民党や共産党に誘導し死票化させた方が効果的である。
- 民主党の右派議員は酷い。自民党の方がよほどリベラルだ。
- 民主党に投票することは保守二大政党制を肯定したことと同じだ。
- 右翼的な政治を実践しているのは埼玉県の上田知事や杉並区の山田区長などみな民主党出身。自民党出身の人の方がバランスが取れている。
実際には、こういうプロパガンダはほとんど見ないのだが……