『性悪天才幼馴染との勝負に負けて初体験を全部奪われる話』(著者:犬甘あんず/イラスト:ねいび)
今、百合ラノベが熱い...!! 「百合ラノベ座談会」に参加していただいた、VTuberの湯町りこさん、ラノベブロガーの夏鎖さん、新人編集のことぶきさんに、今読みたい!! 大注目の最新百合ラノベ作品をレビューでご紹介してもらいました。思いの詰まったおすすめポイントを読んで、これは...!と思ったら試し読みしてみてくださいね。
湯町りこのレビュー
勉強も運動も、運さえも味方にした品行方正天才美少女、小牧。小牧に勝負を挑んでは、負けて尊厳を傷つけられていく平凡少女、わかば。「嫌い」同士な二人が、キスをしたり触れあったりと、「好き」な相手としたいはずのことを重ねていく。離れればいいのに、それもできない、したくない、なんてもどかしい……!
小牧の感情の大きさや歪さと、わかばの主人公感あふれる真っ直ぐな鈍感力は、ふれあうたびお互いに補強されていくよう。すれ違ってままならない二人に、のめり込んでいきました。
物語を振り返ると『うばわれ』は、いろんな「なのに」が詰まっていて、そのもどかしさに惹かれてしまう百合ノベルだと思いました。
嫌い、なのに、触れあって。
離れたい、なのに、離れられない。
知ってる、なのに、分からない。
たくさんの「なのに」が絡まった、複雑で特別な二人の感情はどこに向かうのか。このややこしい関係をじっくり見守りたい。そう強く思いました。
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夏鎖のレビュー
自分から全てを奪う幼馴染に抱く特別な感情。この感情はいったい何か。奪い、奪われる二人の関係が楽しい百合作品です。ちっちゃいことが少しコンプレックスな吉沢わかばと、彼女とは対照的に美人で品行方正で才色兼備な幼馴染の梅園小牧。そんな2人の奪われる関係はわかばが小牧に中間テストでの勝負に負け、尊厳を奪われるところから始まります。尊厳を奪われたわかばは小牧にファーストキスを奪われ、お腹を舐められ、デートに連れ出され、家に泊まりに来られとわかばにとっては嫌なことをたくさんされます。しかしそれでも小牧のことを本当に嫌いにはなれず、胸の内で芽生える感情に答えを探そうとするわかばが尊いです。
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ことぶきのレビュー
勝負に勝ったら私と付き合ってよみたいな恋愛ストーリーはよくあるかもしれません。しかし本作は主人公がその勝負に負け続けるという前代未聞のお話です(!?)一回でもこいつに勝ってぎゃふんといわせるんだから、と挑む戦いは尽く天才幼馴染に軍配があがって、その度にキスされたり体にマークをつけられたりetc.
あれ? なんか主人公誘い受けじゃない?
本人は全くそんな気はないのですが、一度そう思っちゃうと主人公の反骨精神も可愛く見えてきます。嫌よ嫌よも好きのうちとはこのこと!?
終始主人公とヒロインはいがみ合ってはいるものの、その間は幼馴染特有の空気感で繋がっている不思議な関係。彼女たちの言動や行動を紐解いていくと、胸中に隠されたクソデカ感情が見えてきて……この関係性、良い!
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性悪天才幼馴染との勝負に負けて初体験を全部奪われる話
著者: 犬甘 あんず イラスト: ねいび
魔性の仮面優等生×負けず嫌いな平凡女子 第28回スニーカー大賞《金賞》
「嫌い」な彼女に負けるたび、曝け出されるホントの気持ち――。
吉沢わかばの幼馴染、梅園小牧は完璧である。
品行方正で才色兼備な優等生……というのは表向きで、人を見下す性悪女だ。
私はそんな小牧に勝ちたいあまり、大事なものを賭けてでも勝負を取り付け――結果は私の負け。
そして、「わかばが、自分の意思で、私にキスをして」奪われたのはファーストキス。
尊厳を取り戻すためにまた勝負を挑むものの、小牧が勝ったら私の大事なものを一つ奪うという条件をつけられ――。
デートに添い寝、初恋の人に言いたかった"好き"という言葉まで。
全てを奪っていく小牧が大嫌いなはずなのに。
奪われて、ぽっかりと空いた穴を埋めるように流れ込む、この感情はなんだろう?
【惹き込まれる“沼”度に作家陣、衝撃!!】
みかみてれん 代表作:『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』
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どうしてこんなにも切ないのだろう。
ふたりの少女が『勝負』を繰り返し、相手に自分の存在を刻みつけてやろうと食い下がる。
その先に待つのが、優しい未来ではなかったとしても、それでいいと、彼女たち自身がそう定めてしまっているから。
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仲谷鳰 代表作:『やがて君になる』
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過激で歪ながんじがらめの関係に引きつけられながら、その隙間に見える慈しみや切実さをもっと覗きたくなる。
邪道の顔をして実はこれ、正道の百合小説なのでは!?
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