今回のブログ記事で最初に披露するのは、『時の流れに身をまかせ』の歌詞の英訳フルバージョンです。
I Don't Hate My Life
How should I live my life?
If I'd never known your life
That delighted me in my heart
But it sometimes worried me
I should have had a normal life
That everybody hoped to do
To marry with a partner
Even though my delights were gone
(*)
Even though I'm unhappy, I don't hate my life (I don't hate)
You don't know I spend my time following your style (like your life style)
I know we don't live our own lives once more again
But I'm willing to sacrifice me for you
Pardon me but I'm close to you
Please keep me every time
I take a great fancy to you
I'm crazy about you
If I miss you, I wonder
I'm at a loss what to do
I know I'll be let down
I'll have no hope for the future
I don't wanna promise you
That you never abondon me
And I wanna complain
Of being lost in memories
Even though I'm unhappy, I don't hate my life (I don't hate)
When I love you, such a feeling makes me beautiful
I believe that love's more important than life
Pardon me but I'm close to you
Please keep me every time
'Cause you are everything to me
I'm in love with you
(* repeat)
今回も、英語表現の注釈をいくつか入れておきましょう。また、この曲全体についての感想も、付け加えておきます。余計かと思われるかもしれませんが、よかったら参照ください。
まずは、2番の歌詞最後の「今はあなたしか見えないの」をどのように英訳したかです。もちろん直訳でも支障はないでしょう。ただ、私は「恋は盲目」みたいな感じをあえて含めて、「あなたは私の全て、だから私はあなたに恋している。」という意味の英語訳にしてみました。また、2番の歌詞最初のほうのフレーズで「明日という日(を)なくしてしまうわ」とあります。これも「落ち込んで、未来への希望がないわ。」みたいな意味の英語表現にしてみました。ここで、”be let down”は英語の辞書で調べると用途の多い言い回しだとわかります。しかし、前後の文脈から、「がっかりする」や「失望する」みたいな意味になります。また、”I'm at a loss what to do”は「どうしたらいいの。」という意味の決まった言い方です。ここで、”at a loss”という言い方は、「当惑して」とか「途方に暮れて」という意味です。だから、”be at a loss what to do”で「何をするべきかに困っている」となります。
これと似たような表現として、”be lost in ...”という言い回しがあることに注意が必要です。「~に夢中になっている」とか「~に没頭している」という意味で使います。例えば”be lost in thought”で「考えにふけっている」という意味になります。以前、私のブログ記事で『愛を止めないで』の英訳の中で、「甘い夜は一人で居ないで」を”When you are lost in love, you should not be alone at night”と翻訳しました。ここでの”be lost in love”は、まさに「恋にふけっている」とか「恋焦がれている」という意味です。その歌詞のフレーズは「一人孤独に恋焦がれて過ごす夜は、つらいものだよ。」みたいな意味内容を含むと言えましょう。また、今回の『時の流れに身をまかせ』では、「思い出にふけっている」という意味で”be lost in memories”という表現句を使いました。すなわち、「約束なんか要らないけれど、思い出だけじゃ生きてゆけない」という歌詞の英訳は、「見捨てないでと約束したいとは思わないが、(自身が)思い出にふけってしまうことには(あなたに)苦情を言いたい」みたいな意味の英語表現にしてみました。『あなた』に会えていない感じが出ている歌詞フレーズなので、その英訳にも少し工夫をしてみました。
また、「きれいになれたそれだけで、命さえもいらないわ」という歌詞の英訳についても述べておきます。これもまた、直訳しても支障はないでしょう。けれども、私はわかりやすい翻訳を目指すために、あえて意訳をしました。「あなたを愛する時の、その気持ちが、私を美しくする。」とか「命よりも愛のほうが大切だと私は信じている。」としてみました。中学生でも理解できそうな英語表現になりましたが、日本語歌詞の感情表現を、英語の論理的表現に置き換えています。そうすることで、その歌詞内容を論理的に裏打ちしてわかりやすくしたつもりです。
さて、今回の英訳におけるクライマックスは、「あなたの色に染められ」をどのように英訳したらいいかということでした。おそらくこの歌詞フレーズの意味するところは、「『あなた』好みの、あるいは、『あなた』に都合のよい相手にさせられた」という意味合いが、一般的だったと思います。作詞家さんも、そのような意味とムードで、歌詞を綴(つづ)られたと考えられます。しかし、私たちがまさに「時の流れに身をまかせて」いくうちに、近年ではそのような歌詞の意味の捉(とら)え方が変わりつつあるようです。「好きになった人の仕草や生活スタイルを真似てしまう」という意味合いも、実は昔からあったのですが、ジェンダーの壁が少しずつなくなりつつある近年においては、こっちの意味合いに近くなっていることも事実だと思います。そこに、『あなた』に会えていないことへの『せつなさ』が加わって、「あなたのスタイルを真似て日々を過ごしている(私の)ことを、あなたは知らないでしょ。」という意味の英語訳ができました。我ながらスッキリとした意訳になったと自負しています。
また、「きれいになれたそれだけで、命さえもいらないわ」という歌詞の英訳についても述べておきます。これもまた、直訳しても支障はないでしょう。けれども、私はわかりやすい翻訳を目指すために、あえて意訳をしました。「あなたを愛する時の、その気持ちが、私を美しくする。」とか「命よりも愛のほうが大切だと私は信じている。」としてみました。中学生でも理解できそうな英語表現になりましたが、日本語歌詞の感情表現を、英語の論理的表現に置き換えています。そうすることで、その歌詞内容を論理的に裏打ちしてわかりやすくしたつもりです。
さて、今回の英訳におけるクライマックスは、「あなたの色に染められ」をどのように英訳したらいいかということでした。おそらくこの歌詞フレーズの意味するところは、「『あなた』好みの、あるいは、『あなた』に都合のよい相手にさせられた」という意味合いが、一般的だったと思います。作詞家さんも、そのような意味とムードで、歌詞を綴(つづ)られたと考えられます。しかし、私たちがまさに「時の流れに身をまかせて」いくうちに、近年ではそのような歌詞の意味の捉(とら)え方が変わりつつあるようです。「好きになった人の仕草や生活スタイルを真似てしまう」という意味合いも、実は昔からあったのですが、ジェンダーの壁が少しずつなくなりつつある近年においては、こっちの意味合いに近くなっていることも事実だと思います。そこに、『あなた』に会えていないことへの『せつなさ』が加わって、「あなたのスタイルを真似て日々を過ごしている(私の)ことを、あなたは知らないでしょ。」という意味の英語訳ができました。我ながらスッキリとした意訳になったと自負しています。
なお、今回は、その合いの手(バックコーラス)の英語訳も入れてみました。”like your life style”という表現は、”I like your life style(あなたのライフスタイルが好き、の意味)”と”I spend my time as like as your life style(あなたのライフスタイルに似せたような日々を過ごしている、の意味)”とをかけています。そのような掛詞(かけことば)を使って、おしゃれな趣向を目指してみました。
今回のブログ記事を終えるにあたって、私の感想を書いておきます。この『時の流れに身をまかせ』という曲は、せつなくも、はかなく、いとおしい人生を歌った曲としては、かなりの名曲であると私は思っています。テレサ・テンさんの音域の広い歌唱は唯一無二ですが、もっと力強い歌声も聴いてみたいと私は思いました。
というのは、次のようなことが考えられるからです。「今はあなたしか愛せない。」とか「今はあなたしか見えないの。」という歌詞フレーズは、表面上は『あなた』という他者への思いを語っています。けれども、それは、自己のその思いを大切にしていることへの自負というか、『あなた』を信じて疑わない強い思いがないとできない、と私は思うからです。
誰しも、なかなかそのようにはなれない。大人になると世間に揉まれて、必ず相手のことを疑ってしまう。けれども、それでも『あなた』のことを信じてみようとする。そして、その信じる気持ちが長く続くことを自らに願っている。そのような人の姿イメージが、私には思い浮かびます。