トヨタ新「アルファード・ヴェルファイア」が最高だった! 成熟した「快適性&走行性」がスゴイ! シリーズ初“1000万円”超え「PHEV」の感想は?【試乗記】
トヨタは2025年1月31日、「アルファード/ヴェルファイア」に新パワートレインPHEVモデルを発表しました。そんなPHEVモデルに乗った印象はどうだったのでしょうか。
シリーズ初の1000万円超えモデル、その真価とは
2023年6月に登場した現行「アルファード/ヴェルファイア(以下:アルヴェル)」は、広い空間と欧州セダン並みの運動性能をテーマに、TNGAをフル活用して開発されました。
その人気は日本のみならずアジア全体に広がり、注目度が高まっています。そんなアルヴェルに新たに追加されたのがPHEVモデルです。

チーフ・ブランディング・オフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は、2023年9月のシン・センチュリー発表時に「ショーファーカーの選択肢を多様化させる」と述べており、アルヴェルPHEVはまさにその一環として登場しました。
見た目は通常モデルと大きな違いはありませんが、エクステリアにはシルバースパッタリング塗装のアルミホイール(通常はスーパークロームメタリック塗装)や充電口(車両右側)、PHEVエンブレムが追加されています。また、インテリアにはウルトラスエード仕様のルーフライニングやEV/HEV切り替えスイッチ、メーター表示が施され、PHEVならではの特別感を演出しています。
個人的にはシリーズ初の1000万円超えモデルである事を考えると、もう少し差別化があっても良かったのではないかと思う所も。とはいえ、走行性能や快適性能においては、見た目とは裏腹に通常モデルとは別格の仕上がりです。
もう少し具体的に説明していきましょう。
パワートレインは、2.5リッターハイブリッドE-Fourをベースに、出力密度の高いモーターと大容量化されたバッテリー(ニッケル水素からリチウムイオン:18.1kWh)、専用の制御システムを組み合わせたPHEVシステムを採用しています。これにより、システム出力は305psを実現しています。
EVモードでの静かで滑らかな特性はもちろん、ショーファーカーの日常移動95%をカバーする73kmのEV航続距離も魅力ですが、実は驚いたのはHEVモードでした。発進時や再加速時に、通常のHEVモデルではエンジンが急に唸り始めてしまうシーンでも、PHEVではエンジン回転数が1000~2000rpmを維持したまま静かなままグイグイと加速。
これは、モーターアシストの領域が広がり、エンジン回転数を抑えた制御が行われているためで、その加速フィーリングはトルクバンドが広い大排気量のNAエンジンに近い感覚です。
さらに、アクセルを踏み込み込むとエンジンは主張しますが、インパネやドア周りに追加された遮音材やアクティブノイズコントロールの効果も相まってエンジンが遠くで回っているようなイメージです。欲を言えばダイナミックフォースエンジン特有の“濁音”が多めの音質が改善されると、より快適になるのかなと思いました。
バッテリーは外部からの充電に対応しており、急速充電も可能です。さらに、他のトヨタPHEVと同様に、エンジンで発電して充電する「CHARGEモード」も搭載しています。ただし、発電中のエンジンノイズは依然として気になる部分があります。
ちなみにダイナミックフォースエンジンは効率が高いため定常走行時だと燃費の悪化は最小限で、外部で充電するコストと燃費の悪化分を天秤にかけると意外とトントンと言う話も聞きます。実はトヨタも正確なデータを持っていないのでどこかのタイミングで検証してみようと考えています。個人的にはナビと連動してEV/HEVの切り替えを最適制御してくれるAUTOモードと連動できるといいかなと。
燃費はWLTCモードでHEVモデル(16.5km/L)を上回る16.7km/Lですが、今回は短時間の試乗な上にEVモードでの走行も行なったため計測できませんでした。
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