毎年新しい手帳を買ってみるものの、「結局途中でやめてしまった」「うまく活用できなかった」という人も多いのではないでしょうか?本イベントでは、手帳セラピストのさとうめぐみ氏が登壇し、スケジュール管理を超えた手帳の使い方をお伝えします。本記事では、冬至から始める新しい手帳の活用法を語りました。
「スケジュール管理」のためだけに手帳を使うのはもったいない
さとうめぐみ氏:それではまず、今日の講座の内容をお話ししていきたいと思います。2024年もやってきた手帳シーズン。毎年この時期は新しい手帳選びにワクワクするけれど、1年経って手帳を見返してみると、あまり使いこなせなかった人も多いのではないでしょうか。
あまり使いこなせなかった人は、きっとあなただけではないので安心してください。今日の講座を聞いてもらうことで、毎日がうまくいくようになります。
もし、あなたが「スケジュール管理」のためだけに手帳を使っているとしたら、それはとてももったいないこと。ほんの少し使い方を工夫するだけで、手帳は「目標達成」「自己成長」「セルフセラピー」を実現し、毎日を思いどおりにしてくれるナビゲーターになってくれます。
このオンライン講座では、手帳セラピーの講師のさとうめぐみが、スケジュール管理を超えた手帳の使い方を1時間半たっぷりレクチャーします。
理想や夢を現実にする手帳の使い方
まず手帳の定義をお話しすると、手帳は「目に見えないもの」を「見える化」する文房具なんですよね。その特性を利用することで、時間と予定、頭と心、現実と理想を整理します。実はこれ、全部目に見えないものなんですよ。
時間と予定、頭と心、目に見えないですよね。それから、現実と理想という、事実なんだけれども目には見えないもの。これを文房具で整理していきましょうというのが手帳セラピーです。予定と実際。これは過去や今年1年を手帳を使って見える化します。手帳セラピーでは、例えば貯金やダイエット、英検の何級とかを数値化することを「理想」と言います。
それから「夢」。これはちょっと目に見えにくいもの。例えば幸せやゆとりや豊かさも目に見えません。こういうのは「夢」というふうに定義をしています。どちらにしても、「理想」や「夢」を明確化し、実現していけるのが手帳という文房具なんです。
未来というのは、明日、1週間、1ヶ月、1年。そして手帳セラピーで大事にしている区切りの8年後。これをペンを握って文字にすることで、幸せを実感する毎日を作り出していく。そういう相棒になってくれるのが手帳ということです。
そして今日、いつもよりもかなり遅めの12月20日にみなさんの応募を募ってこういう講座をさせてもらったのは、明日は二十四節気の「冬至」なんです。手帳をお持ちの方は、この二十四節気表を見たことがあると思いますが、二十四節気のうちの冬至というのは、今、私が矢印で指している円の一番下ですね。
冬至と言えば風習があります。この図(スライド右側の写真)を見ると「あ、冬至だな」と思う人は旧暦に馴染み深い人ですね。
冬至の風習というのは、例えばゆずを浮かべたお風呂に入る。それから、場所によってなんですが、かぼちゃだけを食べるところもあるし、かぼちゃと小豆でいとこ煮という煮物を作って食べる風習があります。どっちも体が温まるイメージのある風習だと思います。
冬至〜2月の立春までに1年の手帳を整える
では、冬至は手帳や計画とどういう関係があるかということを話していきます。
冬至は1年で一番昼が短く、夜が長い日なんですね。天文学的な観測だと、夏至に比べてなんと4時間も昼が短いんだそうです。今日も夕方の5時になると日が暮れてしまう感じですもんね。夏だと夜7時半くらいまで薄明るかったりするんだけれども、冬至と夏至は昼の長さが4時間違うということなんです。
ということは、日の長さで言ったら、日が短くなるので暗い「陰」が極まって、その代わりに明日の冬至を境に日が長くなっていくので「陽」に転じると言われています。今日は冬至の前の1日なんですが、明日の冬至から昼がだんだん長くなっていくことから、「再生」の象徴の日とされています。
「一陽来復」というふうに、冬至の別名を呼ぶところもあります。これはもう読んで字のごとく、太陽の光がまた戻ってくるという日ですね。
こういうところから、闇と光を運気に例えて、「今まで運が底を打っていたのが、だんだん明るくなってきますよ」という意味もあって、開運の始まりの日が明日ということなんです。なんとなくゆず湯に入るとかかぼちゃを食べるというよりも、いわれを知っているとより効果がありそうな気がしますよね。
そして、ゆずとかぼちゃ、どちらにも共通していること。ゆずは見てそのまま、黄色、太陽です。かぼちゃも割ってみると黄色になるので、ずばり、一番少なくなった太陽のエネルギーを体に取り入れるということで、食べる。
そして、小豆というのは小豆色とは言いますけれども、赤飯とも言うように、赤い色をしているので。やっぱり体を温める陽の力のある食べ物だと言われていて、邪気を払うということで食べられているそうです。
そして、今日聞いてくださっている方に見ていただきたいのが、このタイトルのところです。「旧暦のリズムにのって、明日の冬至から立春、節分までにあなたの1年の手帳を整えましょう」ということをお話ししておきたいんです。
というのは、もう12月も20日近くになってくると、いろいろ気ぜわしくなってきて。お正月となると、楽しいかもしれないけど、自分のことをする時間がぜんぜんないのが毎年のことだと思います。
そんな時に、表(おもて)のカレンダーは新暦だけれども、「心のカレンダーは旧暦を使ってみると調和が取れます」というお話をしたいと思います。「幸せおとりよせ手帳」に収録されている二十四節気表の一番下が冬至です。
そして、左回りに進むんですが、冬至というのは、先ほどお話しした一陽来復。陰が極まって陽に転じる。太陽のエネルギーが強くなっていくのでね、朝起きるのもだんだん楽になっていきます。
立春〜春分にかけて手帳を微調整していく
そして、2月4日が立春なんですが、立春の前の日は春の節分というのがありますよね。あの時に豆を撒いて鬼を払うのは、冬という辛く厳しい、昔で言えば邪気も伴ったもの。
それを豆、「魔を滅する」という意味があって、豆を使って鬼退治をするんだそうです。節分という区切りを作って、冬を終わらせて立春を迎えるんですね。この立春というのが春の始まりにあたります。ここ(二十四節気表の右下)に細かい字で書いてあるのは、二十四節気では(立春が)春の始まり、暦はここから始まりますということなんです。
新暦だと、小寒がだいたい1月5日とか6日とかなので、このあたりで新年が来るんですけれども、旧暦だと2月4日なので、1ヶ月猶予がありますので。新暦の1月は家族のためとか会社のために使って、みなさん自身のスタートはこの立春。
そして、もう1つ知ってほしいのが春分です。春分は春の真ん中、ど真ん中の日ということになりますが、だいたいこれくらいになってくると学校や職場の年度代わりで、来年の見通しが立つ頃です。ここの立春から春分にかけて手帳を微調整していくと、今まで手帳が使いこなせなかった人もうまく進むと思うので。裏技で旧暦をぜひ使ってみてください。
社会とか会社は新暦なんだけれども、みなさんは別のスタートがある。「旧暦が味方だよ」と思って過ごしていきましょう。ということで、今お話ししたのが、なぜ今日、12月20日の冬至の前日に講座をするかというと、冬至からいきなり活動する必要はありませんので、計画を立てる、予定を立てるというようなことから、スロースタートで進んでいって大丈夫です。だから、焦らなくていいんです。
スケジュール管理を超えた手帳の使い方をレクチャー
それでは本日は、明日の冬至に向けてどんなふうに手帳を整えていったらいいかというお話をしたいと思います。今日は全部で3本立てです。1つが2024年の振り返りワークシートの書き方のお話をします。
そして、2番目ですね。そろそろ2025年の手帳への繰り越しをしている人も増えてきたと思うので、「手帳セラピー的にはこういう転記をするといいですよ」ということをお話ししていきます。私の手帳だと、2024年の手帳、2025年の手帳ということで、アイボリーから薄いブルー(の手帳)に繰り越しをしていく書き方を教えていきます。
3つ目は、「面白いほど毎日がうまくいくようになる手帳の書き方」という講座の本タイトルなんですけれども、これも全部で3つのお話をしようと思います。(①が)「マンスリーページ、ウィークリーページの使いこなし方」。みなさん、私の手帳を見たい人もいると思うので、そのまま載せてあります。②が「今日より明日をよりよくするための手帳の使い方」。
そして、手帳セラピー。セラピーは癒やしですから、そこに着目した手帳の書き方で、③「落ち込んだとき、悩みがあるときの手帳を使った解決方法」をお話ししていきます。全部で3本立て。そして一番最後は3つ、①から③までお話ししていきます。
用意するものはこちらですね。写真に載せてあるように、まずは一番目が手帳です。そして2つ目が5色ペンです。3つ目が緑のマーカー。4つ目がオレンジ色のマーカー。5つ目がプチノートと言って、デトックスリストとかね、メモ代わりになんでも使えるようなノート。
これがあると手帳セラピーをスムーズに始められると思います。足りないものがある人は、明日にでもぜひ買いに走ってください。それでは2024年、今年の振り返りワークシートの書き方。これは「幸せおとりよせ手帳」の一番最後のページですね。
別の手帳をお使いの方、参加してくださって本当にうれしいです。どんな手帳でも最後のページには何にもないページがあると思うので、最終ページに今からお見せするまとめ方で1年を振り返ってみてください。
まずは「2024年の振り返り」から
ではお見せします。「『2024年のふりかえり』にトライ! ~終わり良ければすべて良し~」。「幸せおとりよせ手帳」じゃないものを使っている方は、ここから使ってもらってというか、この真似をして罫線などを引いて、手帳の後ろに書いてもらうといいです。
手帳セラピーの「幸せおとりよせ手帳」をお使いの方は、この2つのシートと振り返りのシートが連動しています。前に講座でよくお話しできた時には、ワークシートの連動もお話しできたんですけれども、今、手帳だけをお求めで、なかなか私が講座をやっていないものですから。
それぞれどういうふうにつながっているんだろうって疑問に思っている方もいると思うのでご説明すると、「イヤーリングまる」と「理想実現12か月プラン」の一番右側が連動しています。
今手帳をお持ちでちょっと書いていたなぁっていう人は、「幸せおとりよせ手帳」の18ページから19ページの「理想実現12か月プラン」の一番右端が達成度を書く欄で、「イヤーリングまる」からここに転記をしてあるはずなので、ここを写していく感じになります。
ただ、このワークシートを2つともやっていませんっていう人、今日初めて手帳セラピーのZoom講座に参加する人も、これだけやれば大丈夫です。「手帳の最終ページが大切! 『20○○年のふりかえり』」ということで。
私は自分の手帳に、過去の振り返りをこういうふうにコピーして貼ることもあります。そうすると1年1年がこの1枚でまとまるので、来年につながっている感じがすごくするからなんです。
ではさっそく作業をやってみましょうか。ペンを持ってもらって、「できたこと・できなかったこと」という文字のところに1本線を引いてみます。
「一目瞭然! 来年のヒントに!」となりますが、それはこういうことです。これ、さとうめぐみが本当に書いたばかりというか、今年の2024年の振り返りです。書き方はこんな感じでいいんだっていうのを確認してもらうために、私の2024年の1年の振り返りにぜひぜひお付き合いください。
8項目の「できたこと・できなかったこと」を書き出す
手帳セラピーで大事にしているのが、AからHまでの8項目です。そして、8行、こういうふうに欄を作って、できたこと・できなかったこと(の枠の中央)で線を引きます。
では、読んでいきますね。「健康」の達成度は90パーセント。健康に関する手帳セラピーの色分け、後で詳しくお話ししますが、健康に関することは赤なので、赤で書いています。
できたことは、12月に歯科検診を受けられた。それから偏頭痛が減った。そして、毎年やっているファスティング。断食も11月にできた。
できなかったこと+マイナスなこととして書いておきたいのは、老眼が進みました。もう老眼鏡が必要です。本をたくさん読んだからかなぁと思っています。それから、できなかったことの1つは、体重維持がやっとだった、ですね。
そして次は「美容・ファッション」がBなんですが。できたことは、ずっと買わなきゃと思いながら雨が降るたび憂鬱になっていた、雨用の靴を買いました。それから、老け込むこともなく、なんとか見た目は保てたかなぁと自分で思っています。
できなかったことは、新しい服をほとんど買いませんでした。もうちょっと興味を持てればよかったんですが、2024年は服、ほとんど買わなかったですね。「心・精神」は達成度は95パーセント。手帳タイムで心穏やか、落ち着いて対応できていたと思うので、できなかったことはないなぁっていうことで、空欄。オールオーケーなんて書いてもいいかと思います。
そして、「仕事」を見てください。これ、達成度が10パーセントしかないんです。でも、落ち込みません。できたことは、個人レッスンは維持しておりました。そしてこのように、今日12月にZoomの講座と、あと先日、朝日カルチャーで対面とオンラインの講座を開催することができたので、一応できたことはありました。
ただできなかったこととしては、山形で看護生活をずっとしていたので、仕事をセーブしていたんですね。というふうに、できなかったことに、ぜひ言い訳を書いてください。言い訳は大人になるとしちゃいけないと言われますけれども、理由でもあるし、それが本当に自分でも「言い訳だなぁ」と思ったら、改善するヒントになります。言い訳は改善のヒントです。
それでも山形から新幹線で来て、東京駅でレッスン会場を移してもらって、カフェでレッスンさせてもらったり、個人レッスンを受けてくれた方、本当にうれしかったです。
2025年に叶えたい夢がある人は「教養」がポイント
それでは「教養」ですね。Eは教養という項目なんです。具体的には資格とか試験とか、何かの知識に関するもので。
実は2025年に叶えたい夢がある人は、その分野についての勉強をすることが教養になっていきます。2025年に叶えたい夢がある人は、そこに関することがここの教養になってきますよ。私の場合は、2024年の教養は読書にしようかなと。外出しないでできることということで。上村松園というきれいな日本画を描く女流の日本画家の方の絵を見ていいなと思って。
その方はけっこう本を書いていらっしゃったので、明治の女性の生き方を知りたいということで、その方の画集を買ったり、伝記を読んだり、ご本人が書いた随筆などを読みました。それから、宮尾登美子という女性の作家の本が文庫で手に入ったので、売っている文庫はすべて買って読破できました。これは、田舎の父の看護中の空き時間を使って本を読むことができました。
でも、展覧会とかには行くことはできなかったので、室内でできることっていうことでここに書いてあります。そしてF、「プライベート」ですが。これは何かというと、家族とかパートナーとか恋人とか知人・友人とかの達成度は100パーセント。
できたことが何だったかというと、実は私、2024年10月20日に、ずっと看病していた父をちゃんと看取ることができました。今時珍しく、大学病院で1ヶ月ずっと泊まり込みをさせてもらって、最後の最後を看取ることができたので、プライベート的には100パーセントです。
その代わり、できなかったこと。思いっきり個人的なことなんですが、土地の相続が2024年4月から法律で義務化されたらしくて、3年以内にやらないといけないので、そういうこととか。納骨までは終わったんだけれども、まだ父の携帯電話を解約するのもちょっと寂しいなぁなんて思って、まだ持っています。
そして、次のGが「趣味」で、90パーセントです。父の看取りをしたと言いながら、大好きな日本舞踊を見る会にはたくさん行ってきました。ただ、2024年8月の末にものすごい台風がありまして。その台風と、父がちょうどショートステイに行くか行かないかってことがあって、行けない会が1つだけあったので、できなかったことにプラスしてあります。
最後は「お金・モノ」の振り返り
そして、最後は「お金・モノ」です。これに関して、私の振り返りは90パーセント。私は今もそうなんですが、着物を着ることが趣味で、特にアンティークの着物が好きなんですけれども。
2024年の夏は山形にいたせいか、山形でずっと作られてきた自然布ですね。麻とか葛のつるなどで織られた帯が自然の味わいがあっていいなぁと思って買いました。それと、できたことは予算内でやりくりをする。けっこう介護はお金がかかるので、予算立ててやれたと思っています。
そして、お仕事が10パーセントくらいしかできなかったので、貯金・預金ができていないんですが。看護生活だったという言い訳をして、2025年からさらに仕事を広げていくのでみなさんよろしくお願いします。
ということで、「2024年のふりかえり」、「幸せおとりよせ手帳」をお持ちの方は最後のページに書くだけ。お持ちじゃない方は、縦横同じようなマスを手帳に作って書いてみると、1年がすぐわかるようになりますので、ぜひやってみてください。
「2024年のふりかえり」は、12ページ、13ページに載せてあります2025年の「夢リスト」とか「イヤーリングまる」と連動していくんですね。2024年にできなかったこと、例えば私だったら仕事。個人レッスンをいっぱいやるとか、コロナも5類になったので、対面で大勢の人を相手にする講座をやってもいいかなぁと思います。