- 作者: 永六輔
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 新書
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タイトルが、なんか勇気づけられているようで、背中を押されているようで読みました。
生きづらい世の中で、心の軸を失いつつある今の日本人。世間に媚びない永さんが、「ものの見方を変えてみましょう」とその軽妙な語り口で励ましのエールを送る、現代人への辛口提言。名著の復刊。そのエッセンスを紹介しよう。
・女優の岸田今日子さんの小学校のころの話。いわゆる登校拒否児でした。父母から「頼むから学校に行っておくれ」といっても学校へ行かない。夏休みの次の日なら、みんな久しぶりに学校に行くんだから、それからくせになっていくかも!?と「じゃあ、その一日だけでも行ってみようかな」と、夏休みが終わった翌日に学校へ行く。しかし宿題をまったくやらなかった。先生が「じゃあ、絵日記から出してもらおうか」と一人一人チェックしだしました。みんな絵日記を書いてますから、「そうか、君は田舎へ行ったんだねえ。うーん、おじいちゃんと会ったんだねえ。そう、とってもよかったねえ」とチェックしながら絵日記をどんどん引き取っていく。そして今日子さんの何も書いていない日記帳を見て、「ふーん、今日子ちゃんの夏休みは、絵日記になんか書けないぐらい楽しかったんだねえ。きっとそうだったんだね」といいながら丸とつけた。それを見ていた今日子さんは、「よーし!もう明日っから学校へ来よう」と決心する。そんな素敵な先生がいました。
・「宣誓。われわれはスポーツマンシップに則って。正々堂々と戦うことを誓います」とオリンピックでも各競技大会でもあります。問題はあの「正々堂々」という言葉です。スポーツというのは「正々堂々」じゃないところがとってもおもしろくできているんですよね。例えばプロ野球でいえば、敬遠のフォアボールというのは、あれは何ですか。隠し球などのトリック・プレイというのは球技だったら何にでもあります。アメフト、ラグビー、サッカー、バレーボールでもフェイントってありますよね。正々堂々とは思えないんですよね。
・私、浅草の生まれなんですが、初めて自分でお金を稼いだ中学生の時、近所の棟梁から言われました。
「そうか、坊や、お前も稼ぐようになったのか。よし、一つ覚えておかなきゃいけないことがある。自分で稼いだ金は大事にお使いよ。でも、ひょっとしてもらった金なんだったら、それはもパッとその場で使っちゃいな。江戸っ子が宵越しの金は持たねえなんていうのは、あれはもらった金のことをいうんだぞ。稼いだ金は大事に使いな。もらった金は、その場で使え。で、稼いだんだかもらったんだかわからない性質の金ってものがある。これは受け取っちゃいけない金だ」
・江戸時代には忘年会という言葉はありませんでしした。「年忘れ」といってました。年齢の方の「年」なんですね。つまり、おじいちゃんもおばあちゃんもあるいは子どもたちも年を忘れてみんないっしょにという「年忘れ」「お疲れ様でした」という会をしたんです。でも忘れてはいけないものを確認する忘年会。そして新しい年を迎える「忘年会」にしたいとおもっています。
ウチらは、「望年会」っていっているけどね。これらの本もオススメです。(^^♪
BOOK〜巷に生きる無名の人々のコトバ!…『無名人名語録』(永六輔)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100325
BOOK〜老いとは?死とは?…『大往生』(永六輔)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100311