心身ともに豊かに生きるためには、どのようなキャリアを築いていくかがカギとなります。理想とするキャリアを実現するには、仕事を楽しいと思えることも重要です。
しかし、今の仕事が楽しいと思えず、今後のキャリアに不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、仕事が楽しいと感じるときや楽しいと思える人の共通点を紹介します。また、仕事が楽しいと思えないときの対処法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
楽しい仕事を理想としている人の割合は多い
仕事に対する価値観は、人によってさまざまです。
内閣府の「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」によると、「どのような仕事が理想的だと思うか」という質問に対し、「自分にとって楽しい仕事」と回答した人は51.9%でした。
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▽どのような仕事が理想的だと思うか <項目と割合※上位5位まで>
・収入が安定している仕事:62.8%
・私生活とバランスがとれる仕事:53.7%
・自分にとって楽しい仕事:51.9%
・自分の専門知識や能力がいかせる仕事:35.9%
・健康を損なう心配がない仕事:33.7%
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これは、「収入が安定している仕事」「私生活とバランスがとれる仕事」に次いで多い割合です。前回の調査(令和3年9月)の52.3%よりやや減少しているものの、楽しい仕事を理想としている人は多いと言えます。
仕事が楽しいと感じるのはどんなとき?
他の人がどのようなときに仕事を楽しいと感じているかを知ると、自分が楽しいと思えない仕事でも見方が変わることがあります。仕事が楽しいと感じるときの例を紹介します。
<仕事で目標を達成したとき>
仕事で何らかの目標を達成できたときに、多くの人が楽しいと感じる傾向にあります。たとえば営業目標を達成したとき、締め切り通りに業務を終わらせられたときなどです。
適度なストレスは、難しい目標を達成するために必要であり、それによってやりがいを感じやすくなります。
<自分の仕事を評価されたとき>
キャリアを積み重ねていく上で、自分の仕事を評価されたときも、多くの人が楽しいと感じる傾向にあります。
上司から評価されると、新たな仕事に挑戦できたり、責任のある仕事を任されたりするケースもあるでしょう。仕事が評価されることで、楽しいと思うと同時に、自身の成長を感じることもできます。
また、社内での評価が高まれば、年収やキャリアアップも期待できるため、モチベーションも上がりやすくなります。
<周囲から感謝されたとき>
周囲から感謝されたときも、仕事が楽しいと感じやすいタイミングの一つです。
仕事をするなかで、上司や同僚、顧客から感謝されることがあります。相手からの感謝の言葉や行動により、自分が誰かの役に立っていることを実感でき、自己肯定感が向上します。
また、社内の人間関係は、仕事の進め方にも大きく影響します。感謝されることで良好な人間関係を構築でき、仕事をスムーズに進められるようになるでしょう。
周囲からの感謝によってモチベーションが高まれば、さらに意欲的に仕事に取り組めるようになります。
楽しいと思える仕事をするとどうなる?
仕事が楽しいと思えると、ストレス軽減やモチベーションアップなどのさまざまなメリットがあります。
<ストレスを感じにくくなる>
仕事には、何らかのストレスがつきものです。厚生労働省の「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)の概況」からも、仕事や職業生活に強いストレスを感じている人の割合は82.2%と高いことがわかっています。
しかし、仕事が楽しいと思えると、ストレスが軽減されます。たとえ課題やトラブルが起きてもただのストレスとは捉えず、建設的な課題として考えることができるでしょう。
仕事は一日の大部分を占めるため、仕事のストレスが少ない状態であれば、生活全体が安定します。
<モチベーションが高まる>
自分の仕事が楽しいと思えると、仕事への意欲が高まり、モチベーションアップにつながります。
モチベーションが高まれば、新たな仕事にチャレンジしたり、アイディアが浮かびやすくなったりするでしょう。
また、モチベーションを高めることは、今後のキャリアにも影響します。仕事に意欲的に取り組み、その姿勢を会社や上司から評価されれば、キャリアアップのチャンスをつかめる可能性があります。
<やりがいを感じられる>
自分が楽しいと思える仕事に取り組むと、意欲が高まり、やりがいを感じる機会が増えます。
たとえば、目標を達成して給与がアップする、経験が評価されて昇進するなどの場面があげられます。また、顧客や取引先など社外の人とのやり取りのなかで、誰かの役に立っていると実感し、やりがいと感じるシーンもあります。
仕事にやりがいを感じると、満足度も高まり、充実した気持ちになれるでしょう。
仕事が楽しいと思える人の共通点
自分の仕事を楽しいと思える人には、共通点があります。
<やりたい仕事をしている>
仕事が楽しいと感じるかどうかは、やりたい仕事をしているかが大きく影響します。
やりたい仕事をしている人は、自分の希望に近い業務や職種に就いているため、仕事が楽しいと感じやすい傾向にあります。
近年の人材市場は求職者が有利な売り手市場が続いているものの、すべての人がやりたい仕事をしているとは限りません。やりたい仕事ができていないと、仕事は単なる生活の手段に過ぎず、モチベーションも低下しやすくなります。些細な出来事にもストレスを感じやすく、より良い環境を求めて短期間に何度も転職を繰り返すケースも少なくありません。
一方、やりたい仕事に就いていると、困難に直面しても乗り越えようとする意欲が生まれます。
<能動的に仕事に取り組んでいる>
仕事が楽しいと思える人は、仕事に対して能動的に取り組む傾向があります。
能動的な人と受動的な人との大きな違いは、主体的に行動するか否かです。
仕事で困難に直面した際、受動的な人は責任を避け、課題を直視せず逃げようとします。一方、能動的に仕事に取り組む人は、困難が立ちはだかっても、逃げようとはしません。課題に対処するために自ら行動します。
<仕事とプライベートのバランスが取れている>
近年は働き方に対する価値観が多様化し、プライベートを重視する人が増えています。
仕事を楽しむためにはオンとオフを切り替え、ワーク・ライフ・バランスを実現することが大切です。
ただし、仕事とプライベートのベストなバランスは、人によって異なります。そのため、自分自身が幸せだと感じるバランスを理解することが重要です。
仕事が楽しいと感じる人は、自分にとってのベストなバランスを理解しています。仕事とプライベートの両方の時間を充実させ、良いバランスを保っているのも特徴です。
仕事が楽しいと思えないときの対処法
仕事が楽しいと思えないときには、工夫次第で現状から抜け出せる可能性があります。ここからは、仕事が楽しいと思えないときの対処法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
<小さな目標から設定する>
仕事に関する目標を設定してみましょう。目標を達成したときにやりがいを感じられるため、楽しいと思えるようになる可能性があります。たとえば、スキルアップを目指して資格を取得するのも一つの方法です。
3カ月や半年といった短い期間で目標を設定すると、キャリアプランが見えやすくなり、仕事のモチベーションが高まります。目標に向かってステップアップしていることを実感できれば、仕事が楽しいと思えるようになるかもしれません。
大きな目標はストレスになる可能性があるため、まずは小さい目標を設定し、段階的に難易度を引き上げていくのがおすすめです。
<リフレッシュの時間をとる>
仕事を楽しむには、心身をリフレッシュする時間をつくることも大切です。
まずは、ストレスを発散できる方法を見つけましょう。たとえばウォーキングを始める、家族や友人に仕事の愚痴を聞いてもらうといった方法があげられます。
心身が疲れた状態が続くと、楽しいと感じにくくなります。自宅に帰っても仕事を続けてしまうときは、オンとオフの切り替えを心がけてみましょう。
メリハリをつけることで、心身がリフレッシュでき、仕事にも意欲的に取り組めるようになります。
<転職を検討してみる>
さまざまなことを試しても、仕事が楽しいと思えないことがあるかもしれません。仕事が楽しいと思えないときが続いている場合は、今の仕事が自分に向いていない可能性もあります。
仕事を楽しいと思うには、自分が楽しめる仕事に変えるのも手段の一つです。自分がやりたい仕事を見つけることで、楽しみながら働ける環境に身を置けるようになるでしょう。
楽しいと思える仕事を探す際には、20代に特化した転職サイト「Re就活」の活用がおすすめです。Re就活は、20代の人材を求めている企業の求人を数多く掲載しています。まずはこちらから登録し、自分に合う求人を探してみましょう。
楽しいと思う仕事を見つける際のポイント
楽しいと思う仕事を見つけたくても、どのように探すべきか悩む人もいるかもしれません。自分に合う仕事を探す際のポイントを紹介します。
<趣味や得意なことを仕事にする>
自分が楽しいと思える仕事を見つけるには、趣味や得意なことに着目するのも一つです。
たとえば趣味のハンドメイドを活かしてハンドメイド作家になるといったように、趣味や得意なことを活かせる仕事もあります。また、人とコミュニケーションをとるのが得意な人は、コミュニケーションスキルを活かせる営業や接客の仕事をするのもよいでしょう。
自分の趣味や得意なことを仕事とするには、プロ並みの知識や技術を身に付ける必要があります。しかし、自身の得意なことを考えるだけでも、楽しいと思える仕事を見つける手助けになるでしょう。
自分の得意なことがわからない場合は、やっていて楽しいことや継続していること、周囲から褒められることなどを考えてみましょう。
<やりたい仕事・やりたくない仕事を明確にする>
楽しいと思える仕事を見つけるには、やりたい仕事とやりたくない仕事を明確にしておくことも大切です。
やりたい仕事ややりたくない仕事がわからない場合は、今の仕事の何が楽しくないのかを考えてみましょう。
仕事が楽しくないと感じるのには、理由があるはずです。たとえば単純作業を退屈だと感じる場合は、一般事務や検品などの仕事は向いていない可能性があります。
やりたくない仕事を明確にするだけでも、同じような失敗を避けやすくなるでしょう。
<仕事に求める条件に優先順位をつける>
楽しいと思える仕事を見つけるには、求める条件を整理することが大切です。
たとえば、年収に不満がある場合は、仕事が楽しくないと感じる可能性があります。また、残業が頻繁にあると、心身が疲弊し、仕事に対する意欲が低下することも考えられます。
まずは、自分が仕事にどのような条件を求めているかを整理してみましょう。ただし、すべての条件を満たすのは難しいかもしれません。求める条件をリストアップしたあとは、優先順位をつけるとよいでしょう。
<過去のキャリアを振り返る>
過去のキャリアを振り返ると、楽しいと思える仕事を見つけられる可能性があります。
得意な業務や自分の強みを、具体的なエピソードをもとに振り返ってみましょう。たとえば、コールセンターで難しい問い合わせにも対応できた、チームリーダーとしてリーダーシップを発揮しプロジェクトの成功に寄与したなどです。
キャリアを振り返ることで、今まで気づかなかった自分の一面を発見できるかもしれません。また、自分の強みや得意分野を把握できれば、転職の際にも役立ちます。
自己理解を深めて楽しいと思える仕事を見つけよう
今の仕事を楽しいと思えない場合、自分がやりたいことややりたくないことを正しく把握できていない可能性があります。楽しいと思える仕事を見つけるには、自己理解を深めることが大切です。
自己理解を深めるのが難しい場合は、転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談する方法があります。
Re就活エージェントは、20代に特化した転職エージェントです。20代の転職に強いキャリアアドバイザーが多数在籍しており、求職者一人ひとりに寄り添い、転職を成功に導きます。
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【出典元】
▽「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」(内閣府)
https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-life/gairyaku.pdf
▽「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)の概況」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r04-46-50_gaikyo.pdf