IRID、23年に解散検討 廃炉研究に700億円超す補助、使えぬ技術
毎日新聞
2022/3/14 19:31(最終更新 3/14 20:16)
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東京電力福島第1原発事故の後、廃炉研究の中核として結成された組織が、その役割を終えようとしている。「オールジャパン」のかけ声の下、東電を含む電力各社、東芝や日立、三菱系のプラントメーカーなどが集まり2013年に設立された技術研究組合「国際廃炉研究開発機構」(IRID)。参加法人からスタッフの出向や賦課金の拠出を受けて運営されてきたIRIDは、設立から10年の23年、解散する方向で検討されている。
廃炉の研究開発にかける自負は、トップの発言にも表れている。「数十億キロかなたの小惑星からサンプル採取に成功したはやぶさプロジェクトに匹敵するほど困難な挑戦だ」。21年12月に福島県内で開かれたシンポジウムで、IRIDの山内豊明理事長(日本原子力発電常務)は強調した。
宇宙線を使って原子炉内部を透視し、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の位置を把握する技術を開発したほか、ロボットを格納容器に入れて内部の撮影に成功している。22年末までに英国企業と共同開発したロボットアームでデブリの試験取り出しも始める計画だ。ただし、成果の陰ではこんな一幕もあった。
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