Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのセミナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第110号(2025年2月号)
特集「イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

成果につながるリサーチ

5ヵ月で売上が計画比の約130%!ファンケルが新商品開発に向けて取り組んだ、10回の消費者調査の裏側

新商品開発に舵を切った理由とは?

━━結果的にこの仮説は正しかったのでしょうか。

 はい。調査の結果、仮説通りパッケージ上での機能価値訴求のわかりづらさが定量的に浮き彫りになりました。

 それに加え、同調査のお陰でカロリミットブランドを認知してもらうためのコアになっている要素も明らかに。それは、「おいしく食事を楽しみながら健康を維持する明るくHappyな世界観」でした。そのため、この要素は決して崩すことのない“コアの価値”として定めることにしました。

2000年に発売を開始した初代「カロリミット」。当初から「おいしく食事を楽しみながら健康を維持する明るくHappyな世界観」を一貫して大切にしている

 こうしてブランドの課題を明らかにしたことで、次の「コンセプト商品設計」の段階に移行。ここでは、先ほどお話したブランド課題の解決を目指し、二つのカロリミットのリニューアルに向けてコンセプト定量調査を行いました。

 しかし、このコンセプト調査の結果から、ブランドリニューアルを行うだけではなく新商品開発が必要であると判断。そこで、既存の2ブランドのパッケージリニューアルは進めつつも、新商品の必須要件を抽出し開発を行うことにしました。

━━新商品開発の必要性が生じた理由を教えてもらえますか。

 複数ありますが一番の理由は、「ブランドとしての新鮮さ獲得」です。カロリミットブランドは、2000年から続くロングセラーブランドであるため、市場の中でも非常に高い認知率を確保できています。

 だからこそ、ユーザー層をさらに拡大するには、既存の商品のリニューアルだけでは限界がありました。ブランドのさらなる成長を目指すには、新たな商品を開発することで「変化するニーズ」を捉え「ブランドとしての新たなニュース」をお客様にお届けすることが非常に効果的であると考えました。

カロリミットらしさを残すために、20種類以上のデザインを検証

━━新商品開発を行うと決めてからは具体的にどのような調査を行ったのでしょうか。

 ここからは、新商品開発と既存商品のリニューアルの方向性を決める「パッケージデザイン」の段階に入り調査に取り組みました。

 まず、カロリミットらしさを残しつつ、「プレミアムさ」や「新しさ」を表現するために、20種類以上のデザインパターンを準備。その上で定性調査を行い、お客様の反応や戦略との合致などを見ながら候補を数パターンにまで絞り込んでいきました

 そこからは再度、定量調査に移行し、実際にお客様に選ばれるデザインを見極めるため、店頭での購買状況を模した「セントラルロケーションテスト」を実施。店頭での陳列を再現し、実際にお客様の目にとどまるかなどを数値で検証し、パッケージのデザインを確定させました。

 パッケージデザイン確定後に取り組んだのは、新商品の中身です。これも調査を基に定めていきました。社内でモニター調査を行い、どの処方であれば効果を強く実感してもらえるのかを検証。満足度が高くなるように成分を調整していきました。

 ここまでで商品設計自体は完了ですが、ここからは、発売に向けてさらに2種類の調査に取り組みました。一つ目が「適切な価格設定に向けた調査」です。同商品は、「本気で変わりたい」を応援するために成分に強くこだわったため、税込みで5,490円とサプリメントにしては高価格帯に位置しています。そのためコンジョイント調査を行い、お客様に納得感をもっていただけているかを確認しました。

 そして二つ目が、「お客様によるモニター調査」です。発売開始前にお客様にモニター調査を実施。お客様からもしっかりと効果を体感していただけることを最終確認し、ようやく発売にまで至りました。

次のページ
発売後5ヵ月の売上が計画比の約130%に!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
成果につながるリサーチ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/03/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48155

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング