30代の私、どこに向かうべきか
5年ほど前にアメリカに移住し、楽しくやってきましたが、アメリカ企業にありがちな「部門ごとサヨナラ」という憂き目にあいました。 個人的にクビになるわけじゃないので、普通のクビに比べて退職までだいぶ余裕があるのが幸いでしたが、とにかく行き先を探していました。 そろそろ現実的な選択肢が見えてきました。
プロフェッショナルファームとAIベンチャーの両方からオファーをもらい、とても迷っています。 意思決定をする前の現在の心境を整理し、あわよくば誰かからアドバイスをもらうためにこの記事を書いています。
というか、あと一週間くらいで決めないといけません。優柔不断な私はあああああとなってます。
スペック
- 30代
- 新卒はメーカーのソフトウェアエンジニア
- C/C++/C#をメインスキルとしてネットワークやBackendを主戦場にしている
- もともと統計・データマイニングが専門で、データサイエンティストとしての仕事も少々
- 知財得意。米国で登録になってる特許も10件くらいある
- 新規事業系の企画もちょっとやっていた
- メーカー時代にはグローバルプロジェクトをやっていて、外国人含むプロジェクトマネジメントができる
- ビジネス系もかじっていて、お客さんや海外子会社との交渉もやっていた
- CVCもやっていた。
- アメリカでは元ソフトウェアベンチャーで、PMIをやっていた
自分がやりたいこと
- お金を稼いでアーリーリタイヤしたい
- 意思決定できるポジションで市場と対話しながらビジネスをやりたい
- できれば、アメリカ(か、海外)で仕事がしたい
これは今すぐでなくても良いですし、手段も起業でも大企業の一部でも、問いません。
ありえた選択肢
もともと、1年位前から今の事業の先行きが怪しいのは感じていて、こんなことを考えていました。
選択肢としては、このあたりかねぇ。
— mhl_求職中GC有@カリフォルニア (@mhl_bluewind) 2018年3月16日
・こっちのソフトウェア企業でエンジニア
・こっちの非ソフトウェア企業でソフトウェアエンジニア
・日系企業のこっち法人で管理系
・日本にもどってどっかのメーカー
・日本でソフトウェアベンチャー系
・今からなんかサービス作ってそれで食うw
それから約1年、現実的な選択肢はこのような形になってきました。
- 米国でソフトウェアエンジニア
- 東京でプロフェッショナルファームや外資系でサラリーマン
- 東京でITスタートアップ
- 名古屋あたりのメーカーで駐在を狙う
米国でのエンジニアは、断念
基本的には1で狙っていたんですけど、正直なところ、無理でした。米国のソフトウェアエンジニアはプロフェッショナルが求められることが多いです。面接ではコーディングテストがあり、実際にコードを書く力が重視されます。 ですが、私はこの数年、マネジメントと交渉に自分の時間の半分以上を使っていました。恥ずかしながら純粋なソフトウェアエンジニアとしてのコードを書く力は衰えています。
また、マインド面からも躊躇がありました。コーディングテストも対策をすれば大丈夫という話を聞き、実際にコーディングテスト対策をすべく本を読んだりコードを書いたりしましたが、コードを書いている瞬間は楽しいものの、これを生涯の仕事にするのもちょっと違うかなという思いが浮かび上がりました。 そんな気持ちを見透かすかのように、米国の待遇の良いソフトウェアエンジニア職の面接には落ちw、物価の高い米国で安い給料でソフトウェアエンジニアをするくらいなら、日本の方が稼げるということがわかってきました。
現実的な選択肢
現実的な選択肢として、今迷っているのは2と3です。 大手プロフェッショナルファームから、新規事業でデータ・AI系のビジネスを立ち上げるのでマネージャーとしてオファーをもらっています。
一方で、ネクストユニコーンと称されるAI系のスタートアップからも、マネージャーとしてオファーをもらっています。
どちらも期待される役割は同じで、ビジネスと技術の両方がわかる人間として、現場のビジネスを引っ張っていってほしいというところです。
大手プロフェッショナルファーム
[待遇]
- 年俸制。ボーナスを除くベース年収はAI系スタートアップより50万高い。ボーナスは0~200万くらいらしい。
- 服装自由だけど、他の部門の人はみんなスーツっぽいw
- 朝は定時はあるけど年俸制なので10時くらいまでに行けばいいらしい。仕事中に抜け出すこともできそう。
- フロントの人は激務。会社の文化としては終電上等。 (私の行くところは新規事業R&Dなのでそこまでひどくは無いと思うものの、カルチャーは・・・)
[良い面]
バックオフィスの持つデータは本当に魅力的。事業会社では手に入らない垂涎のデータが眠っている。形式はそろっておらず、分析するのにかなりの手間がかかりそうだが、これをうまく使うことができればかなりの強みとなる。 ブランド力やこういったデータをどうビジネスにつなげていくかが、私に求められているポイント。 また、世界中に系列のファームがあるので、海外に関係することも結構できそう。 ブランド力のあるプロフェッショナルファームでのマネージャー経験はキャリアとしてはかなり魅力的。
[悪い面]
プロフェッショナルファームの新規事業ということで、おそらくIT系のビジネスがテンポ良く開発できる環境ではない。 また、プロフェッショナルファームなので技術職に対する理解や評価というのはイマイチである可能性がある。 会社としての離職率は高め。数年でどんどん人が入れ替わっている模様。
AI系のスタートアップ
[待遇]
- 年俸制。昇給ボーナスなし。ストックオプションが0.02%。上場時に50%、あとは1年ごとに25%ずつ使える。時価総額1000億円行けば2000万。2000億行けば4000万だそうで。
- 服装自由。
- 定時とかなし。やることやってればいつ何しててもい
- 激務というほどではないらしいが、成果がすべてなので常に仕事を考える生活
[良い面]
すでに黒字化しており、上場まで2~3年という感じ。上場経験者が経営陣にいることもあり、社内体制としては上場までの問題は無い。スタートアップということもあり、ポジションは経営陣の直下で、意思決定のスピードも速い。市場と対話しながらビジネスやサービスをどんどんまわしていけそうで、そこは魅力的。 世界各国から人材を集めているので、外国人も結構いて多様性がある。 上場フェーズを経験するということは、今後どこか別のところに移るにしろ、同じ会社で幹部メンバーとして残るにしろ、良い経験になるのは間違いない。
[悪い面]
一方で、AI系のスタートアップにありがちな問題として、ビジネスモデルが弱い。AI技術者を抱えており基本的には受託ビジネスがメインで、自社サービスもいくつかあるが、いまいち稼げてなさそう。受託をしながら培った要素技術をいかにスケールする自社サービスに転換していくかがキーで、私に求められているのはその部分となる。 ビジネスモデル的な観点から、今のまま上場しても1000億や2000億の価値はつかないと感じる。(PFNみたいな専門家集団として価値を高めるという方向性もあるとは思うけど)
悩み
あああああああああああ
オファーをもらってしまったので、あと一週間くらいでどちらか選ばないといけません。
誰かアドバイスください。
追記
プロフェッショナルファームにしました。
[理由]
・キャリアの可逆性(プロファーム→スタートアップは比較的容易)
・プロファームを経験してみたかった
・SOが少ない (これは、一部の方から色々教えていただきました)
・AI受託は今後厳しそう
・スタートアップでは米国に関わることが無さそう
・プロファームの経歴の米国履歴書ばえ
基本的には、また米国に戻ってきたいという気持ちが一番強く、それが今回の意思決定の要因になったように思います。
日本に行って働き始めたら、またこの記事を振り返って、そのときの気持ちを綴ろうと思います。
アドバイス頂いた皆様、本当にありがとうございました。