お金が必要なときに、借入れできるローン会社。しかし、どこの会社に申し込んでも審査に通らず、困っている人も多いのではないでしょうか。お金が必要なのにどうやって用意すればいいのかわからないと、途方にくれてしまいますよね。
そこで今回は、審査がどこも通らないが貸してくれるローン会社はあるか、なぜ審査に通らないのかを解説します。審査に通らないときにお金を用意する方法や、これからお金を借りるとき注意点も解説するので、借入れの際の参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
借入れの審査がどこも通らないときに、貸付をしてくれるローン会社は基本的にありません。
ローンを提供する貸金業者は、申込者の返済能力の調査を貸金業法で義務付けられています。調査の結果、貸し倒れリスクが高いと判断されれば、どのローン会社であっても借入れできる可能性は低いでしょう。
たとえば、借入れの審査基準が甘い、審査自体がないローン会社は基本的にありません。会社ごとに審査基準の差があるため、絶対に審査に通らないわけでありませんが、どの審査にも通らない人が借入れするのは難しいといえます。
審査なしで借入れできると宣伝している業者は、絶対に利用してはいけません。違法な金利での貸付や、精神的に追いつめるような取り立てを行う可能性があるため、利用は控えましょう。
ローン会社の審査に落ちたときは、現在の借入額や過去のローンの利用状況、属性条件を確認してみてください。以下では、ローン会社の審査に通らない理由を解説します。
年収の3分の1を超える金額の借入れは、総量規制で規制されているため利用できません。総量規制は、返済能力を超えた金額の貸付を防ぎ、借りる側を守るためのルールです。
たとえば、年収450万円の人が150万円を借りているなら、すでに年収の3分の1に達しているため、それ以上の借入れは難しいでしょう。
現時点で、他社から年収の3分の1ギリギリまで借りている場合は、希望額よりも少ない借入れになったり、審査に落ちたりする可能性があります。
ローンを申し込むと、通常は信用情報に履歴が残ります。信用情報はローン契約や利用状況などの履歴のことで、ローン会社が調査の際に確認します。短期間で複数の申込履歴があると申し込みブラックと呼ばれる状態になり、返済能力を疑問視されかねません。
ブラックリスト入りとは、金融事故を起こして信用情報に記録された状態です。ローン会社は申込者の調査で信用情報を確認するため、ブラックリスト入りすると返済能力を疑問視され、審査に通過しにくくなります。
金融事故とは、ローンの返済やクレジットカードの支払いを、2か月以上延滞や滞納してしまうことなどを指します。自己破産などの債務整理、スマホなどの携帯電話の分割払いの滞納でも、ブラックリストに入ります。
事故の履歴は、5~10年は信用情報に残るため、直近で金融事故を起こした人は審査が厳しくなるでしょう。ブラックリスト入りしてしまっているかがわからないときは、CICやJICCなどの信用情報機関に開示請求し、自分の情報を確認するのもひとつの手です。
また、延滞や滞納を続けると差し押さえや訴訟につながりかねないので、返済できないときは借入先に必ず連絡しましょう。
ローン会社によって属性の審査基準は異なり、一般的には条件は公表されていないので、審査に確実に通過する条件は断言できません。また、条件を満たそうとして虚偽の内容を記載しても、審査に悪影響を与えたり、永続的に借入れができなくなったりする可能性があるのでやめましょう。
ローン会社の審査に通過しないときは、ほかの方法を検討しましょう。以下では、クレジットカードのキャッシング枠を利用したり、不用品を売買したり、ローンの借入れ以外でお金を用意する方法を解説します。
ほとんどのキャッシング枠は買い物に使えるショッピング枠よりも少額だと理解しましょう。たとえば、総枠100万円のクレジットカードなら、ショッピング枠は100万円まで利用できますが、キャッシング枠は50万円程度であったりと、限度額が少ないのが一般的です。
ただし、事前にキャッシング枠を設定していないと、利用の際に審査が必要になり、他社の借入状況によっては審査に落ちてしまうことがある点に注意しましょう。また、キャッシング枠を利用した分だけショッピング枠が圧迫されるため、普段の支払額を考慮したうえで借入れすることが大切です。
以下のコンテンツでは、キャッシング機能付きのクレジットカードについてまとめました。キャッシング枠の利用を検討したい人は、参考にしてみてください。
ブランド品・貴金属・不用品などがあれば、専門の買取サービスや質屋を利用するとお金が用意できます。専門の買取サービスは使っていないものを売ることで、質屋は品物を担保に借入れすることでお金を受けとれるサービスです。
短期のバイトで収入を得るのも、ローン会社の審査に通らないときにお金を調達する方法のひとつです。数万円程度の金額なら、日払いのバイトを数日行えば手に入るでしょう。
短期のバイトは、イベントの警備やチラシ配り、引越しスタッフや試食販売など種類が豊富です。最近はタイミーのように、企業と求職者のマッチングで手軽に働けるスポットワークも増加し、短期間で収入を得やすくなっています。
ただし、短期のバイトで数十~数百万円の多額を稼ぐには、数週間~数か月かかるのが難点です。素早く多くの金額を稼ぎたいなら、別の方法を検討したほうがよいでしょう。
以下のコンテンツでは、人気のバイト探しサイトをまとめています。自分にあったバイトを探したい人は、参考にしてみてください。
親や友人などの身近な人からお金を借りるのも、ローン会社を利用できないときの選択肢のひとつです。身近な人なら、ほかのローン会社の借入れや金融事故の履歴があっても、借りられる可能性があります。
身近な人からお金を借りるときでも、お金が必要な理由や着実な返済計画を説明し、納得のうえで貸してもらうことが大切です。返済期限・返済方法・金利などを記載した借用書も作成し、貸し借りの証拠を残しましょう。
身近な人とはいえ、返済を怠るとトラブルになりかねないため、期日までに確実に返済してください。返済が難しい場合は速やかに相談し、誠実な態度を示すことが重要です。
即日~数日でお金が必要ではなく、ある程度時間に猶予があるなら、公的貸付制度も検討しましょう。国から借入れできる公的貸付制度は、民間の貸付よりも金利が低く、返済に猶予を与えられる場合があります。
たとえば、生活に困っているときに借りられるのは、生活福祉資金貸付制度です。低所得者・障がい者・高齢者の各世帯が利用でき、連帯保証人を立てれば無利子で借入れできます。なかでも、生活再建のための生活支援費、一時的な費用をまかなえる一時生活再建費を検討するとよいでしょう。
ただし、公的貸付制度は借入れまでに数週間はかかることや、提出書類が多いことなどが難点です。最寄りの社会福祉協議会に早めに連絡し、お金が必要な事情を相談してみてください。
以下のコンテンツでは、複数の借入方法のひとつとして公的融資を紹介しています。ほかの借入先も含めて検討したい人は、チェックしてみてください。
ほかの方法でもお金を用意できないなら、現在の返済負担を軽減する方法を検討しましょう。以下では、おまとめローンと債務整理を解説します。
複数社から借入れしているなら、おまとめローンで月々の返済負担を軽くしましょう。おまとめローンで借入元を一本化できれば、毎月の返済額を少なくできる可能性があります。
たとえば、50万円の借入を、A・Bの2社からと、Cの1社から受けている場合を考えてみましょう。A・Bからそれぞれ35万円・15万円を借入れし、月々の返済が8,000円・4,000円なら、返済額は12,000円です。これをおまとめローンで、Cに月々10,000円の返済にできれば、毎月の返済負担を減らせます。
ただし、おまとめローンを組んだ会社から追加で借入れはできない点や、利用の際は審査が必要な点には注意しましょう。返済期間が長くなり、支払総額が増える可能性があるのも難点です。利用する前に、まとめたあとの返済条件をしっかり吟味する必要があります。
以下のコンテンツでは、おまとめローンの選び方を解説しているので、自分にあったおまとめローンが知りたいなら参考にしてみてください。
返済負担が重く、毎月の返済が苦しいなら借り換えできるカードローンの利用を検討しましょう。現在利用している借入方法よりも金利の低い借入方法を利用できれば、毎月の返済負担が軽くなる可能性があります。
以下のコンテンツでは、借り換えできるカードローンを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
借金を一番減らせるのは自己破産ですが、高価な財産の没収や、自己破産したことが官報に掲載されるなどデメリットが少なくありません。個人再生と任意整理にもデメリットがあるものの、債務整理は借金の返済負担を減らせる国の制度なので、これ以上お金で悩みたくないなら検討する価値があります。
以下のコンテンツで、債務整理におすすめの法律・法務事務所をまとめました。借金の悩みを、専門家に相談して解決したいなら参考にしてみてください。
お金を用意するときは、返済能力を超えた借入れや違法業者の利用、クレジットカードのショッピング枠の現金化をしてはいけません。以下では、お金を用意するときの注意点を解説します。
今からお金を借りるときは、自分の返済能力を超えた借入れをしてはいけません。月々の返済ができないだけでなく、生活費が足りずに暮らしが困難になる可能性があります。
生活に必要な費用は、家賃・水道光熱費・食費・保険料・携帯電話料金・交通費・娯楽費などです。たとえば、1か月の収入が30万円で、これらの生活費の合計が27万円なら、最大で3万円は返済に回せます。逆にいうと、月々3万円以上の返済が必要な借入れはNGです。
自分の返済能力を明確にするには、収支がわかるように家計簿をしっかりつけましょう。以下のコンテンツでは、おすすめの家計簿アプリを紹介しているので、手軽に家計簿をつけたいならチェックしてみてください。
たとえば、SNSで「お金を貸します」「融資します」と投稿しているアカウントや、「審査なしで借入可能」「必ず貸します」とうたう業者への接触はNGです。給与の買取により貸付を行う給与ファクタリングを、貸金業の登録なしで行う業者も使ってはいけません。
貸金業者は、登録番号の表示が義務付けられています。業者の公式Webサイトやチラシに、「〇〇財務局長(〇〇知事) 第〇〇〇〇〇号」と登録番号が記載されているか確認しましょう。番号を虚偽表示している可能性もあるため「登録貸金業者情報検索入力ページ」で確認することも大切です。
クレジットカードの現金化は、買取式とキャッシュバック式の2種類です。買取式では、商品券をクレジットカードで購入し、買取業者に売却し現金を受け取ります。キャッシュバック式は、業者から安い商品を購入し、購入特典としてキャッシュバックを得る方法です。
クレジットカードを使ってお金を用意するなら、キャッシング枠の利用だけに留めておきましょう。
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