Webデザイナー「未経験OK」の求人は怪しい?未経験からの転職で失敗しないためのポイント
Webデザイナーは、「PCがあれば在宅でもできるクリエイティブな仕事」といったイメージから、人気の高い仕事です。Web/ITサービス市場の発展によりWebデザイナーの需要は高まっていますが、即戦力を求められる転職市場に「未経験OK」の求人は決して多くはありません。
それでも、中途採用で「未経験OK」のWebデザイナー求人が存在するのはなぜなのでしょうか。その理由や、怪しい会社・安心な会社の見分け方、転職を成功させるために知っておきたいことを解説します。
キャリアアドバイザー プロフィール
K.Saito
Web・ゲーム・IT業界を中心に、事業会社のWeb部門や広告代理店など、クリエイティブ業界全般を担当。業界に特化した転職支援実績やノウハウで、キャリア設計や転職活動のプランニングをサポートできるのが強み。求職者の理想を叶える転職支援は、自分の使命だと思っている。
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目次
Webデザイナー「未経験OK」、怪しい求人の見分け方
Webデザイナーの求人の中には「未経験OK」と表記された怪しいものも混ざっている可能性があります。実際、募集要項に書かれている仕事内容と転職後に任された仕事内容に大きなギャップがあるなど、「未経験OK」の求人に応募して失敗した体験談もあるようです。
ただ、「未経験OK」の求人がすべて怪しいというわけでもありません。「未経験OK」の求人が安心して応募できる求人なのか、簡単に見分ける方法を覚えておきましょう。
Webデザインの知識・スキルがゼロでも応募できる求人は、まず疑う
知識・スキルゼロでも応募できるWebデザイナー求人は、怪しいと疑ってよいでしょう。Webデザインは知識・スキルがなくてもできる仕事ではありませんし、そこまで応募のハードルを低くして人を集めなければならないほど、人気のない仕事でもないためです。
企業が中途採用をするのは、多くの場合「即戦力の人材を採用するため」です。通常、「Webデザイナー未経験」とは、あくまで「Webデザイナーとしての実務経験がない」ということであり、Webデザインに関する知識・スキルは最低限持っていることが前提と考えてください。
必ず会社名で検索して口コミをチェックする
求人情報を見て怪しいと思ったら、必ず会社名でWeb検索をかけ、会社の情報をチェックしましょう。会社のWebサイトがなかったり、事業内容がWebとまったく関係なさそうなものだったり、企業規模が極端に小さかったりする場合は要注意です。
また、会社の口コミ情報もチェックしましょう。募集内容と実際の業務のギャップが大きい、離職率が高いなどの情報があれば応募は見送ることをおすすめします。
なぜ「未経験OK」の求人があるのか
転職市場において、未経験者が応募できるWebデザイナー求人は決して多くはありません。それでもときには、業界で実績があるしっかりとした企業が、「未経験OK」の条件で求人を出していることもあります。
それらの企業は、即戦力を求めているはずの中途採用において、なぜ「未経験OK」の求人を出すことができるのでしょうか。主な2つの理由をご紹介します。
教育体制が整っており、未経験者を受け入れられる土俵があるから
未経験者を募集する企業の多くは、ある程度以上の人員規模があり、デザイン部門が重要な役割を果たしています。すでに多数のデザイナーを擁し、新卒のデザイナー採用も行っているような企業であれば、教育体制が整っているため、中途採用でも未経験者を受け入れる余地があるのです。
デザイナーの人数が多く、さらに増やす必要があるから
制作会社か事業会社かを問わず、デザインに力を入れていて社内のデザイナーの人数が多い会社は、未経験者OKの求人を出す場合があります。
求人を出す背景としては、デザイン部門の強化に向けて人員を増やす必要がある、新しいプロジェクトにデザイナーが足りない、デザイナーが退職したので欠員補充が必要、などが考えられます。社内デザイナーの多い会社は、会社自体にある程度の規模があり、教育体制も整っている可能性が高いでしょう。
キャリアアドバイザーが解説「未経験OK」の求人に応募するリスクとは?
Webデザイナー求人の中には、「未経験OK」として、実際に未経験者を受け入れる体制が整った企業もあります。ただし、未経験者向けの求人には以下のようなリスクが伴うこともあるので、慎重に検討しましょう。
ワークライフバランスが担保されない可能性がある
実務未経験でWebデザイナーに転職すると、慣れるまでの間は、覚えなければならないことや、やるべき仕事でかなり忙しくなることが予想されます。そのため、ワークライフバランスが担保できなくなるリスクがあります。
基本的な知識やスキルがあったとしても、企業や案件によってやり方は違い、最初はわからないこと・できないことにしばしばぶつかるため、1つのタスクを消化するにも時間がかかります。足りない知識やスキルについて業務時間外で勉強するなど、1日の大部分が仕事に関することで消化されてしまう場合があることを覚悟しておきましょう。
給与水準が低い場合がある
実務経験不問など、応募のハードルの低い求人は、入社当初は高い専門性が求められない代わりに給与水準も低い、というケースが多々あります。たとえば、中途採用でも前職のキャリアが待遇に反映されず、給与額が新卒とさほど変わらない、などです。
それでもWebデザイナーになりたい、給与アップのために早くスキルを身に付けて実績を作ろう、と思えるのであれば問題はありませんが、給与が低いとモチベーションが上がらない人は気をつけましょう。
リモート業務が難しい場合がある
働く場所や時間に縛られないイメージからWebデザイナーに憧れている人もいるかもしれません。しかし、業務未経験でWebデザイナーに転職すると、最初のうちは教育のために毎日出社を求められる可能性が高いです。
家庭の都合などでリモートワークを希望している場合は、いつ頃からどの程度可能なのか、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
Webデザイナー「未経験OK」の誤解を解く!求人の真実と3つの注意点
求人票における「未経験OK」は文字通りの意味ではない可能性があります。以下、「未経験OK」の求人に応募する際、注意したい点を3つご紹介します。
1「未経験OK」未経験歓迎は未経験優先ではない
募集要項に「未経験OK」「未経験歓迎」とあっても、企業が本当に欲しいのは、Webデザインのスキルや知識、経験を持った人材です。決して「ぜひ未経験者を採用したい」という意味ではありません。
Webデザイナーとしての実績がなくても応募はできますが、未経験であることが有利に働くわけではないことを知っておきましょう。
2若手、第二新卒=「未経験OK」とは限らない
若手や第二新卒を対象とした求人を、「実務経験が少なくても、スキルが低くてもOK」「未経験でもOK」と解釈する人がいますが、これは間違った理解です。
Webデザイナー職は通常、新卒の募集であっても、デザインやコーディングの知識・スキルをある程度持っていることが前提となっています。応募者には美大や専門学校などで専門的な教育を受けた人が多く、選考の際には、自分がデザインした作品をまとめたポートフォリオの提出を求められることがほとんどです。
若手、第二新卒が対象の場合も、「新卒と同様のスキル要件+短期間でも実務経験があること」と解釈するのが妥当でしょう。
3研修ありでも、1から教えてもらえるわけではない
求人票に「未経験OK」、「研修あり」という条件があれば、「Webデザインの知識やスキルがなくても教えてもらえる」と思う人もいるかもしれません。
しかし、中途採用社員に対する研修は一般的に、実際の業務に携わりながら先輩社員から仕事を教わるOJTです。新卒社員に対して行うような、座学を中心に一定期間行われる研修ではありません。
たとえ入社後に研修があったとしても、最初から実務に携われる程度の知識・スキルは求められるということを知っておきましょう。
Webデザイナー「未経験OK」の求人に安心して応募するためのポイント
未経験者を歓迎するような表現で書かれた求人票は多くありますが、その内容は冷静に見極める必要があります。「未経験OK」の求人に安心して応募するためには、以下のポイントに気を付けましょう。
求人票は会社規模、従業員規模を見る
求人情報を探すときのポイントとしては、必ず会社の規模を確認しましょう。会社の規模を知るには、「従業員数」「資本金」が目安になります。Web/IT関連の企業が含まれる「サービス業」では、資本金が5千万円以下、またはパート・アルバイトを除く従業員の数が100人以下の会社は中小企業の扱いとなります。
規模の大きい会社であれば、それだけデザイナーの人数も多く、未経験者の受け入れ態勢も充実していることが期待できます。さらに、カジュアル面談に対応していて、応募前に希望する部署の体制なども質問できる体制になっている会社であれば安心でしょう。
Webデザイナーとしてのスキルを身に付ける
もう1つ大切にしたいポイントは、「未経験OK」の求人へ応募する場合でも、Webデザイナーとしてのスキル・知識の獲得を怠らないということです。
前述のとおり、「未経験者歓迎」という求人を出している企業も、決してスキル・知識・経験が何もない人を採用したいわけではありません。Webデザイナーの業務に必要な基本スキルを身に付け、できる限り実制作の経験を積んでおいた方が選考の際にプラスになります。
Webデザイナーに必要なスキルとは、「デザインスキル」「コーディング・マークアップスキル」「ディレクションスキル」の3つです。以下の記事も参考に、対策してみてください。
キャリアアドバイザーに相談する
自分の希望に合う求人が見つけられない、どの求人に応募すべきかわからない、などの場合はキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。Web業界に強い転職エージェントのキャリアアドバイザーであれば、求人情報探しはもちろん、Webデザイナーやほかの職種に対するあなたの適性や、転職活動の進め方などについても相談できます。
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よくある質問
最後に、未経験からWebデザイナーへの転職を目指す人からよくある質問と、キャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。
Q.1Webサイトに出ている求人がすべてなのでしょうか?
いいえ、企業と転職希望者のニーズにあわせて両者をマッチングする転職エージェントは、非公開の求人情報も多数持っており、それらの情報はWebサイトには掲載されません。
とくに応募者が殺到する有名企業の求人や、競合他社に知られたくない極秘プロジェクトに関わる求人などは、転職エージェントを通じて非公開で募集されます。転職エージェントを利用することで、自分では見つけることのできない良質な求人にアクセスできるという大きなメリットを得ることができます。
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Q.2条件に「未経験OK」とある求人は本当に未経験者が申し込んでもいいのでしょうか?
申し込んでも問題ありません。
ただ、ひと口に「未経験」といっても、業界未経験なのか、Webデザイナーの実務未経験なのか、など意味に幅があります。最低限求められるスキルや条件を自分が満たしているかどうかは、求人票にある業務内容をよく読んで判断しましょう。
自分で判断がつかない場合は、キャリアアドバイザーに相談するのが安心です。
本気でWebデザイナーを目指すなら、転職のプロフェッショナルに相談しよう
Webデザイナーは、デザインに関するスキル・知識が必要な、専門性の高い仕事です。スキル・知識がまったくゼロでも応募できるWebデザイナー求人は、怪しいのではないかと疑ってかかるのが賢明でしょう。
未経験からWebデザイナーへの転職を希望するなら、まずは基本的なスキルを身に付け、Web業界の転職事情に詳しい相談相手を確保しましょう。マイナビクリエイターなら、多数のWebデザイナー転職をサポートしてきたキャリアアドバイザーが、あなたの転職活動をサポートします。ぜひご相談ください。
この記事を書いた人
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