フリマサイトで珍しく続けて商品が売れたのだけど、購入したのは海外在住者の為に購入代行をする業者だった。
おそらく中国の方が買ったのだと思うけれど、購入商品は数十年前に中国雑貨の店で買った品物だった。
中国の人も「子供の頃持ってた!懐かしー」とか思って買ったのだろうか。
そして私も、フリマサイトで昭和時代の品を買った。
今では新品では売っていない物だけど、フリマサイトでは昭和の商品が、新品のまま山程出品されている。
世の中のご家庭には、こんなに昭和の物が箱に入ったまま埋もれているんだなぁと思う。
購入したのは卓上の魔法瓶で、中はガラスで出来ている。
同じような魔法瓶を若い頃ひとり暮らしをする時に買って使っていたが、二十年以上使って十年くらい前に捨てた。
ガラスの中壜は大丈夫だけど、プラスチック部分が加水分解でボロボロになってきたので、仕方なく。
その頃新しいのを買おうにも、同じようなガラスの魔法瓶がもう売っていなくて、買うのは諦めた。
それが今はフリマサイトに、たくさん出品されている。
そしてフリマサイトを見ていたら、見覚えのある物が売られていた。
まだ地元に居た頃に地元のパッとしない店で買って、東京にも持って来たけど、三十年くらい前にフリーマーケットで売った物と同じだった。
大量生産されたものだろうから、自分が売った物とは限らないけど、輸入品で他では見たことが無い物だったので、あれは私が売った物のような気がする。
売ったときよりは汚れてたけど、捨てられずにまた誰かの手に渡っていくんだなと、なんだか懐かしく寂しいような気持ちになった。
私はあと二十年くらいしか生きないと思うけど、私が持っていた物が私よりずっとずっと先の未来まで残る事もあるのかもしれない。