山本彩がACIDMANと名古屋で競演、爆発的なエネルギーで会場満たした一夜

17

1073

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 167 890
  • 16 シェア

山本彩のライブツアー「山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR『SYnergy』」が11月29日に大阪・Zepp Namba(OSAKA)で閉幕した。この記事では11月27日の愛知・Zepp Nagoya公演の模様をレポートする。

山本彩とACIDMAN。(撮影:高田梓)

山本彩とACIDMAN。(撮影:高田梓)

大きなサイズで見る(全50件)

「SYnergy」は山本彩とライブナタリーの共催によるツーマン企画。各アーティストとの競演で生み出される“相乗効果(シナジー)”への期待を込めてこのタイトルが冠された。愛知公演にはACIDMANがゲスト出演。ACIDMANの大木伸夫(Vo, G)は、2019年にリリースされた山本のアルバム「α」の収録曲「TRUE BLUE」のプロデュースを手がけている。

僕のほうがだいぶ年上なんですけど、さや姉と呼んでしまう

大木伸夫(Vo, G / ACIDMAN)(撮影:高田梓)

大木伸夫(Vo, G / ACIDMAN)(撮影:高田梓)[拡大]

先攻のACIDMANは「夜のために」でライブを開始。剥き出しの歌声と生命力に満ちたサウンドを勢いよく放っていく。「FREE STAR」では開放感のあるアンサンブルに自然とつられるように、オーディエンスが一斉に飛び跳ねる壮観な光景が場内に広がった。ノスタルジックな雰囲気が漂う代表曲の1つ「赤橙」を優しく歌い上げ、大木は山本の人柄について「僕のほうがだいぶ年上なんですけど、さや姉と呼んでしまうくらい凛とした佇まいで、一本筋の通った感じで誇らしく生きているような方です」と話す。そして「彼女の『TRUE BLUE』という楽曲をプロデュースさせていただきました。作詞作曲はさや姉が行ったんですけど、初めて聴いたときにめちゃくちゃいい曲だなと思いました。えらそうな言い方に聞こえてしまうかもしれないんですが、作曲の才能もあるなと感じて、ぜひやらせてくださいということになって、そこからのご縁です」と関係性を語った。

ACIDMANのライブの様子。(撮影:高田梓)

ACIDMANのライブの様子。(撮影:高田梓)[拡大]

3人の心地のいいグルーヴが渦巻いた「Rebirth」を経て、今年5月にリリースされた「白と黒」ではジャジーなアンサンブルがクールに紡がれる。メロディアスなギターの音色でスタートした「世界が終わる夜」では壮大なサウンドスケープが生み出された。「僕たちも、あなたたちも、この世界も、この宇宙もいつか終わっちゃう。とっても悲しいことだけど、だからこそ与えられた命、与えられた1分1秒を最高のものに、そして輝けるものにしてください!」と大木はオーディエンスに呼びかけて今年1月にリリースした「輝けるもの」をプレイ。ありったけの力を込めて演奏を繰り広げ、“命の輝き”を表現する。ラストナンバーは「ある証明」。最後まですさまじいエネルギーを爆発させ、会場を熱気で満たして3人はアクトを終えた。

ここだけでしか味わえない「SYnergy」を

山本彩(撮影:高田梓)

山本彩(撮影:高田梓)[拡大]

ACIDMANからバトンを受け取った山本は「Bring it on」で勢いよくライブをスタート。序盤からテンションの高いプレイでオーディエンスを扇動していく。「Are you ready?」ではステージの前方に出て楽しげにギターをかき鳴らし、会場にシンガロングを巻き起こした。「劣等感」ではアコースティックギターを携え、満たされない思いを憂いを帯びたサウンドに乗せて歌い上げる。山本は「私はずっと前から対バンをやりたいなと思ってまして。それをツアーという最高の形で迎えられたうえに、あのACIDMANさんと対バンができる日がくると思ってなかった。なんて贅沢なんだと思いながら、先ほどもACIDMANさんのライブを楽しみながら拝見させていただきました」と目を輝かせ、「今日はここだけでしか味わえない『SYnergy』を皆さんに味わってもらって帰っていただけたらと思います!」と声を弾ませた。

山本彩のライブの様子。(撮影:高田梓)

山本彩のライブの様子。(撮影:高田梓)[拡大]

お立ち台の上に立ち、ハンドマイクで「Don't hold me back」を力強く届けた山本。「against」では目の前にある壁に立ち向かっていく意思をまっすぐな眼差しで歌い上げた。その後、山本はバラードナンバー「ブルースター」で凛とした美しい歌声を響かせる。さらに「前半で飛ばしていったので、もうちょっとゆったりした、“ひといきついてもらえるような曲”を歌いたいと思います」と彼女が告げてリラックスしたムードで歌い始めたのは「ひといきつきながら」。オーディエンスが左右にゆっくりと腕を振り、心地のいい空間が広がっていった。ここで山本は12月25日にリリースする新作EP「U TA CARTE」から新曲「KIRAKUモンスター」を披露。まだ聴き馴染みのない新曲にも関わらず、フロアにはオーディエンスの大きな掛け声が響き渡った。

私たちの始まりの楽曲

山本彩(撮影:高田梓)

山本彩(撮影:高田梓)[拡大]

山本は「TRUE BLUE」のプロデュースを大木に担当してもらったこと、レコーディングでACIDMANに演奏してもらったことについて触れ、「私たちの始まりの楽曲。この曲はけっこう大変だったというか、本当に申し訳ないのですがボーカルレコーディングのときに私が歌詞を書き切れずに臨んだんですね。あと2、3行が書けないと思ってスタジオに入ったら、大木さんが『一緒に考えようよ』と言ってくれて。未完成の『TRUE BLUE』を完成させるために付き合ってくださった。それがあまりにも長引いてしまって、なんだかんだ書けたのが朝の4時だったんですけど、大木さんは何ひとつ嫌なことを言わず、私が書き上げるのを応援してくださった」と当時を振り返った。そんなエピソードトークを経て、山本はACIDMANとの縁が生まれた大切なナンバー「TRUE BLUE」をプレイ。疾走感のあるサウンドとパワフルな歌声を響かせ、未来へと力強く進んでいく意思を示した。そして山本は「レインボーローズ」を柔らかな表情で届けたあと、「何歳になっても、何回心が折れても、変わらずに自分を信じて羽ばたいていこうという思いを込めて書いた曲です」と告げて10月30日に配信リリースした楽曲「Seagull」を披露。伸びやかにこの曲を歌い上げ、ステージを去って行った。

山本彩のライブの様子。(撮影:高田梓)

山本彩のライブの様子。(撮影:高田梓)[拡大]

アンコールを求める拍手に応えて再びステージに現れた山本は、「生きていると揉め事があったりして傷つくこともあって、なかなか自分を許せなかったり解放できなかったり受け入れられなかったりすることがあると思うんですが、そんなことがあったとしてもせめて自分だけは自分を愛して認めて、誰かのことも愛してあげられるといいなと思って書いた曲です」と述べて「Larimar」を歌唱。この曲を通して大きな愛でオーディエンスを優しく包み込み、笑顔でライブを締めくくった。

セットリスト

「山本彩×ライブナタリー Zepp TOUR『SYnergy』」2024年11月27日 Zepp Nagoya

ACIDMAN

01. 夜のために
02. FREE STAR
03. 赤橙
04. Rebirth
05. 白と黒
06. 世界が終わる夜
07. 輝けるもの
08. ある証明

山本彩

01. Bring it on
02. Are you ready?
03. 劣等感
04. Don't hold me back
05. against
06. ブルースター
07. ひといきつきながら
08. KIRAKUモンスター
09. TRUE BLUE
10. レインボーローズ
11. Seagull
<アンコール>
12. Larimar

この記事の画像(全50件)

読者の反応

ライブナタリー @live_natalie_mu

【ライブレポが公開!】

山本彩、ACIDMAN出演
#山本彩SYnergy 名古屋公演のライブレポが
音楽ナタリーにて公開!
https://t.co/Yhus3JpJVl

「ACIDMANさんと対バンできる日がくるなんて」
想いが詰まった念願の対バンを、たくさんの写真とお楽しみください。

撮影:高田梓 https://t.co/bkOnXlyPsK https://t.co/f60SK0yl1W

コメントを読む(17件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 山本彩 / ACIDMAN の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。