The Biscats全国ツアー閉幕、ロカビリーで渋谷クアトロ熱狂「終わりは新しい始まりです」

The Biscatsの全国ツアー「ロカビリーナイト」の最終公演が2月1日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。

「ロカビリーナイト」は、昨年11月から開催されたツアー。最終公演は「Casino Royale」で華々しく幕を開けた。フロアで赤、白、ピンクのペンライトが揺れる中、The Biscatsはサポートメンバーとともにご機嫌なサウンドを鳴らしていく。「ノッてけ！Sunday」「Goody Goody Girl」が畳みかけられると、ロカビリーのリズムに乗ってファンの掛け声が飛び交った。Misaki（Vo）は「私、10年前ぐらいにQUATTROでライブをしたことがあるんですよ。そのときはお客さん5人しかいなかったのに、今日は何倍ですか？（笑）」とうれしそうな表情を浮かべ、「ちなみに、初めて来た人いますか？」と質問を投げかける。古参ファンたちが「はーい！」とたくさんの手を挙げたが、彼女は「嘘つきオジたちの処理は、もういいかな（笑）」と軽くあしらった。

「Sweet Jukebox」ではMisakiがキュートな振付を交えながら歌謡風のメロディを歌い上げ、Kenji（G）のギターソロが炸裂。ファンの手拍子はどんどん大きくなり、「My Hometown」がフロアの盛り上がりに拍車をかける。けたたましいスネアの連打でスタートしたのは「ジュリアに傷心」。マイナー調のムーディなメロディが観客を熱狂させたのち、Misakiは一時ステージを下り、「Flyin' Saucer Rock and Roll」ではKenji、「The Train Kept A Rollin」ではSuke（B）がボーカルを担当した。続いて、抒情的なピアノソロを挟んで「恋はあせらず」がスタート。Misakiは水色の衣装に着替えて再登場し、力強い歌声を届けていく。

フロアに夏の気配を漂わせたのはサマーチューン「ラストサマーデイ」。常夏を想起させる快活なビートがファンの体を揺らす。「人生の応援歌になったら」というMisakiの言葉で始まった「メッセージ」では撮影が許可され、フロアには無数のスマホ画面が浮かび上がった。続いてThe Biscatsは「時の流れに身をまかせ」をアップテンポにアレンジしてカバー。ウォーキングベースに乗せた明るい演奏が届けられた。

「ツアーファイナルのThe Biscatsは最高でしたか！ まだまだThe Biscatsを応援してくれますか！」というKenjiの煽りに応じて、腕を上げ大声を出すファン。Sukeもそれに続き、ハンドマイクで「皆さん今日は楽しんでますかー！」とフロアを高揚させていく。Misakiは「このあとしゃべりづらいじゃん（笑）」とはにかみながら、仕切り直して真面目な話を始める。「一番大事なのは今、こうしてここにいて、私たちと向き合って、そばにいてくれる皆さんを幸せにすること。このツアーを通して、そう考えるようになりました」と切り出した彼女は涙を堪えながら、「生きていたらいいことばかりじゃないじゃないですか。絶対悲しいことや苦しいことにぶち当たる。皆さんもそうだと思うし、私たちもそうです。そんな日常をThe Biscatsが明るく照らすことができたらいいなと思います。今回のツアーは終わるけど、終わりは、新しい始まりです」と語り、「Teddy boy」を歌い上げた。力強いファンの合いの手がこだましたのち、「take away」「Hot and Cool」が畳みかけられ、The Biscatsはステージをあとにした。

アンコールの1曲目はスローバラード「あなたへ」。情感たっぷりに歌唱するMisakiに温かい拍手が送られる。「Rockin' Through The Night」では、彼女がお立ち台に乗って観客を煽り、場内にすさまじい熱気が立ち込める中、ラストナンバー「バンビーナ」のご機嫌なビートが最後までファンを踊らせた。