リスクを抑えて速やかに止血する方法
人や動物には、もともと出血を止める機能が備わっています。
これは血液凝固反応と呼ばれており、体外や血管外に出た血液が固まることで止血に至る現象です。
そのため、ちょっとした切り傷や鼻血などの「軽度の出血」であれば、自然と止血されます。
しかし太い静脈や動脈からの出血は、医師による圧迫や血管の縫合、また止血剤が必要となります。
しかも既存の止血剤にはいくつかの課題が残っています。
大量出血の場合は、止血剤を用いたとしても瞬時に止血できないのです。
さらに既存の止血剤には、ヒト血液成分が使用されているため、未知のウイルスによる感染症伝播のリスクも拭いきれません。
では、感染症リスクがなく、瞬時に止血できる方法はあるのでしょうか?
大片氏ら研究チームは、特殊なヒドロゲル(水を含むゲルの一種でハイドロゲルとも呼ばれる)を合成して、新たな止血剤を作り出しました。