DJI Mavic3カタログスペック解説 Cineモデルとの違いとは?
こんにちは、ミリブロNewsの今井です。
前回はDJIのドローンであるMavicシリーズの概要について紹介しましたが、今回はMavic3の性能について解説していきたいと思います。いわゆるカタログスペックというやつですね。
ただ、それだけだと面白くないので私見も交えて解説していきます。
前回の記事はこちら 「DJIの最新ドローンMavic3」
https://news.militaryblog.jp/e1089574.html
スペックデータはDJIの公式HPより抜粋しております。
1.価格
Mavic 3(スタンダード)¥253,000 (税込)
Mavic 3 Cine Premium コンボ ¥583,000 (税込)
2.重さ
Mavic3: 895 g (実質空き容量 7GB)
Mavic3 Cine: 899 g (実質空き容量 934GB)
3.サイズ
折りたたみ時(プロペラなし)
221×96.3×90.3 mm(長さ×幅×高さ)
展開時(プロペラなし)
347.5×283×107.7 mm(長さ×幅×高さ)
4.最大飛行時間(無風)
46分
5.最大風圧抵抗
12 m/s
6.検知システム
全方向デュアルビジョンシステム
7.Hasselblad L2D-20c カメラ
となっています。
価格 展開するモデルは2種類、価格は二倍違う
前述にもありますが、Mavic3は
・スタンダード ¥253,000 (税込)
・Cine Premium コンボ ¥583,000 (税込)
の2種類展開しています。なぜここまで価格の開きがあるのでしょうか?両者の大きな違いは2点ほど。
・高度な映像編集と大容量記録媒体(SSD)の有無
・セット内容
です。
スタンダードは最低限飛ばせるモデル、Cineモデルは高度な映像編集を想定したモデルです。Cineは更に専用モニター付き送信機やらかばんやら予備バッテリーやらNDフィルターやらがついてくるんですが、これも「高度な映像を編集することを想定している人が使用する」と考えると納得がいきます。
Cineモデルは前述の通り高度な映像編集を想定しているため、Apple ProRes (映像系に強いAppleのつくった映像用コーデックのことで、とにかく容量を食う)での録画が可能になっています。だから本体に1TBのSSDがついてくるんですね。
余談ですが、AppleProResで撮影する場合だいたい容量は1分間に6GB以上になるので(もちろん設定によりますが)、2時間分ぐらいは撮影できる計算になります。
スタンダードモデルでも十分きれいな映像は撮れますが、Cineモデルは更に細かく、繊細で複雑な映像編集が可能だということですね。ちなみにスタンダードモデルは(おまけ程度の)7GBついてきます。
サイズは折りたたんでペットボトル、広げてノートPC
Mavicシリーズの特徴でもある折りたたみですが、だいたい折りたたむと500mlのペットボトルぐらいのサイズ感です。広げるとノートPCぐらいでしょうかね。幅に対して高さがないので、不思議な感じです。
その割にずっしりしてるので面白いです。もった瞬間だいたい「おっ重い」と感じます。
フラットデザイン、最大風圧抵抗は12m/s
Mavicシリーズ共通の特徴ですが、けっこうフラットです。エイっぽいんですよね。Phantomシリーズに比べ半分ぐらいの高さです。
この形は空気力学的にすごく効率がよくて、風を受け流すのでPhantomの様なデザインよりも横風に強いと言われていて、同重量帯のPhantomより最大風速抵抗が2m多い、12m/sとなっています。
とまあそれはいいんですが、フラットなので機体がどこにあるのかめちゃくちゃ視認しにくいんですよ。おまけに機体がグレーカラー(しかも明らかなミリタリーグレー)なので更に見にくいです。山などを背景にすると発見するのに一苦労です。
戦闘機の迷彩が基本的にグレーカラーなのは最大公約数的にどのような状況でもある程度効果があるから、と言われていますがそれを良くも悪くも実感できます。
最大飛行時間(無風)46分
これを聞いたときについに来たか・・・!!と思いました。というのも、ドローンはだいたい飛行時間が長いものでも30分程度なんです。ちょろちょろ改良版がでたりで2分ほど伸びたりなんだりしていましたが、まあイマイチでした。ここがブレイクスルーされるのはいつかなぁと思っていましたがまさか15分伸びるとは。
実際飛ばしてみると、30分の感覚で飛ばすので「あれ?まだバッテリー70%も残ってる!?」とびっくりします。
バッテリー一本あたりの飛行時間が増えると買い揃える予備バッテリーの数減らせるのでありがたいですね。
全方向検知の障害物センサー
カメラが機体の前後・上下左右をカバーするように合計8個のカメラが配置してあります。
これは人間の眼と同じ構造で、「両眼」にすることで視差(左の眼と右の眼でのズレ)をつくることで立体的に映像を捉え、対象物との距離を明確にして把握する方法です。
かなり精度が高く検知距離は0.5m〜20mぐらい(方向によって異なる)となっていますが、ワイヤーや小枝といった細かいものは検知できないので注意が必要です。
ハッセルブラッド製超高品質カメラ
泣く子も黙り、裸足で逃げ出すハッセルブラッド製カメラ
あのハッセルブラッドのカメラがこの値段で買えてしまう!これはすごいことです。カメラ性能に関しては別の機会に紹介しますが、センサーサイズも相まってとりあえず良い映像が撮れます。
この手のカメラの映像の良し悪しは気分的なものも大きかったりするんですが、明らかに色の再現などが他のドローンより違っていることは体感できます。
Mavic3を所有している私の知人が夕焼けを撮るためにでかけたんですが、風が強く飛ばせなかったので手持ちで適当に撮った画像でもめちゃくちゃきれいに撮れていました。
編集後記
諸事情があり公開していなかったMavic3の記事ですが(次回に理由を書きます)、やっとこさ公開できそうです。
ウクライナのこともあり、注目度の高い民間ドローンですが、これらはミリタリー愛好家ならぜひしってほしいという気持ちもあり執筆しました。
しかし、このドローンも実はかなり「一般的に思われていること」と「実際にできること」がかけ離れているものでもあります。
このあたりは実機を触ってみるしかないのですが、いかんせん高いのが悩みですよね・・・。
特に私はどこのメーカーさんからもサポートを受けてないので忖度無しで好き勝手レビューがかけて楽ちんです。
前回はDJIのドローンであるMavicシリーズの概要について紹介しましたが、今回はMavic3の性能について解説していきたいと思います。いわゆるカタログスペックというやつですね。
ただ、それだけだと面白くないので私見も交えて解説していきます。
前回の記事はこちら 「DJIの最新ドローンMavic3」
https://news.militaryblog.jp/e1089574.html
愛知県 佐久島で調査撮影に使用しました
スペックデータはDJIの公式HPより抜粋しております。
1.価格
Mavic 3(スタンダード)¥253,000 (税込)
Mavic 3 Cine Premium コンボ ¥583,000 (税込)
2.重さ
Mavic3: 895 g (実質空き容量 7GB)
Mavic3 Cine: 899 g (実質空き容量 934GB)
3.サイズ
折りたたみ時(プロペラなし)
221×96.3×90.3 mm(長さ×幅×高さ)
展開時(プロペラなし)
347.5×283×107.7 mm(長さ×幅×高さ)
4.最大飛行時間(無風)
46分
5.最大風圧抵抗
12 m/s
6.検知システム
全方向デュアルビジョンシステム
7.Hasselblad L2D-20c カメラ
となっています。
価格 展開するモデルは2種類、価格は二倍違う
Cineモデルはスキッド(足のところ)にCINEと書かれています
前述にもありますが、Mavic3は
・スタンダード ¥253,000 (税込)
・Cine Premium コンボ ¥583,000 (税込)
の2種類展開しています。なぜここまで価格の開きがあるのでしょうか?両者の大きな違いは2点ほど。
・高度な映像編集と大容量記録媒体(SSD)の有無
・セット内容
です。
スタンダードは最低限飛ばせるモデル、Cineモデルは高度な映像編集を想定したモデルです。Cineは更に専用モニター付き送信機やらかばんやら予備バッテリーやらNDフィルターやらがついてくるんですが、これも「高度な映像を編集することを想定している人が使用する」と考えると納得がいきます。
Cineモデルは前述の通り高度な映像編集を想定しているため、Apple ProRes (映像系に強いAppleのつくった映像用コーデックのことで、とにかく容量を食う)での録画が可能になっています。だから本体に1TBのSSDがついてくるんですね。
余談ですが、AppleProResで撮影する場合だいたい容量は1分間に6GB以上になるので(もちろん設定によりますが)、2時間分ぐらいは撮影できる計算になります。
スタンダードモデルでも十分きれいな映像は撮れますが、Cineモデルは更に細かく、繊細で複雑な映像編集が可能だということですね。ちなみにスタンダードモデルは(おまけ程度の)7GBついてきます。
サイズは折りたたんでペットボトル、広げてノートPC
ストックを縮めたMP5A5より小さく、軽いMavic3
Mavicシリーズの特徴でもある折りたたみですが、だいたい折りたたむと500mlのペットボトルぐらいのサイズ感です。広げるとノートPCぐらいでしょうかね。幅に対して高さがないので、不思議な感じです。
その割にずっしりしてるので面白いです。もった瞬間だいたい「おっ重い」と感じます。
フラットデザイン、最大風圧抵抗は12m/s
Mavicシリーズ共通の特徴ですが、けっこうフラットです。エイっぽいんですよね。Phantomシリーズに比べ半分ぐらいの高さです。
この形は空気力学的にすごく効率がよくて、風を受け流すのでPhantomの様なデザインよりも横風に強いと言われていて、同重量帯のPhantomより最大風速抵抗が2m多い、12m/sとなっています。
とまあそれはいいんですが、フラットなので機体がどこにあるのかめちゃくちゃ視認しにくいんですよ。おまけに機体がグレーカラー(しかも明らかなミリタリーグレー)なので更に見にくいです。山などを背景にすると発見するのに一苦労です。
戦闘機の迷彩が基本的にグレーカラーなのは最大公約数的にどのような状況でもある程度効果があるから、と言われていますがそれを良くも悪くも実感できます。
最大飛行時間(無風)46分
これを聞いたときについに来たか・・・!!と思いました。というのも、ドローンはだいたい飛行時間が長いものでも30分程度なんです。ちょろちょろ改良版がでたりで2分ほど伸びたりなんだりしていましたが、まあイマイチでした。ここがブレイクスルーされるのはいつかなぁと思っていましたがまさか15分伸びるとは。
実際飛ばしてみると、30分の感覚で飛ばすので「あれ?まだバッテリー70%も残ってる!?」とびっくりします。
バッテリー一本あたりの飛行時間が増えると買い揃える予備バッテリーの数減らせるのでありがたいですね。
全方向検知の障害物センサー
カメラが機体の前後・上下左右をカバーするように合計8個のカメラが配置してあります。
これは人間の眼と同じ構造で、「両眼」にすることで視差(左の眼と右の眼でのズレ)をつくることで立体的に映像を捉え、対象物との距離を明確にして把握する方法です。
かなり精度が高く検知距離は0.5m〜20mぐらい(方向によって異なる)となっていますが、ワイヤーや小枝といった細かいものは検知できないので注意が必要です。
ハッセルブラッド製超高品質カメラ
4/3型CMOS、有効画素数:20 MPの高品質カメラ
泣く子も黙り、裸足で逃げ出すハッセルブラッド製カメラ
あのハッセルブラッドのカメラがこの値段で買えてしまう!これはすごいことです。カメラ性能に関しては別の機会に紹介しますが、センサーサイズも相まってとりあえず良い映像が撮れます。
この手のカメラの映像の良し悪しは気分的なものも大きかったりするんですが、明らかに色の再現などが他のドローンより違っていることは体感できます。
Mavic3を所有している私の知人が夕焼けを撮るためにでかけたんですが、風が強く飛ばせなかったので手持ちで適当に撮った画像でもめちゃくちゃきれいに撮れていました。
編集後記
諸事情があり公開していなかったMavic3の記事ですが(次回に理由を書きます)、やっとこさ公開できそうです。
ウクライナのこともあり、注目度の高い民間ドローンですが、これらはミリタリー愛好家ならぜひしってほしいという気持ちもあり執筆しました。
しかし、このドローンも実はかなり「一般的に思われていること」と「実際にできること」がかけ離れているものでもあります。
このあたりは実機を触ってみるしかないのですが、いかんせん高いのが悩みですよね・・・。
特に私はどこのメーカーさんからもサポートを受けてないので忖度無しで好き勝手レビューがかけて楽ちんです。
【この記事を書いた人】
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
元自衛官・警察官・PSCのYoutubeチャンネル『ガチタマTV』
提供:田村装備開発株式会社
コメントを投稿する
★この記事をブックマーク/共有する
★新着情報をメールでチェック!
★Facebookでのコメント
機体保護の面でもどうなのかと思い浮かびました