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日本最大級の水道トータルサービス会社 ―培った高度な技術で水の安定供給を支える

理工系×企業ジョブマッチング/東京水道
記者の目/ここに注目
□東京都水道局からの業務移転により着実な事業規模拡大を見込む
□大手ハウスメーカー提携の高品質な社員住宅や奨学金返還支援制度など福利厚生が充実

約1,400万人の都民に安全でおいしい水を安定供給する。それが“水道のプロフェッショナル”である東京水道の使命だ。水源の保全や浄水場の管理、水道管路の整備といった水道に関わる現場業務に加え、顧客窓口であるコールセンターの運営や水道料金の徴収などのサービス業務をトータルで担う。東京都が約80%を出資する安定した経営基盤の会社であり、今後の成長を見越して人材確保のためのさまざまな改革に着手している。

安定成長を見込める稀有な企業

代表取締役社長 野田 数さん

同社は2020年に、東京都水道局の業務を一体的に受託する受け皿として、それまで東京都水道局の業務を請け負ってきた東京水道サービス(株)(技術系業務を担当)と(株)PUC(営業系業務を担当)の2社が合併して誕生した。現在も 東京都水道局からの業務移転が順調に実施されており、今後も着実な事業規模の拡大が見込まれている。「ITバブルの崩壊や東日本大震災、コロナ禍など数年おきに危機的状況が発生する現代において、成長が約束されている稀有な企業だ」と野田数社長は強調する。

東京都の水道は世界的に見ても高度に管理・運営されている。指標の1つである漏水率は3%前後で、24%のロンドンや8%台のニューヨークなどと比べると格段に低い。また東京都の水道水は「高度浄水処理」と呼ばれるオゾンの酸化力や生物活性炭の吸着力を活かした高い技術により、安全性や美味しさを高めているほか、国が定める水質基準を上回る独自水質目標を設定し、この目標を達成するよう日々努めている。「単独の水道事業としては日本最大のスケールメリットを活かして、管路の耐震化や高度浄水処理の導入など、切れ目のない設備投資を続けてきた結果」と野田社長は語る。

地方出身者も安心の福利厚生

そんな同社が力を入れているのが社員の働きやすい環境を提供する「福利厚生の充実」だ。社員住宅に入居できる年齢の引き上げ(40歳まで)のほか、大手ハウスメーカーと提携し、より質の高い物件へ随時移行しており、食事付きの物件を整備するなど、地方出身者が安心して働けるようサポートしている。2023年度からは奨学金返還支援制度もスタートし、奨学金を返済している社員、もしくはご両親が教育ローンを返済している社員に対し年間で上限12万円の補助を行っている。「入社したからには、できるだけ長く働いてほしい」(野田社長)との思いから、今後も、入寮できる年齢のさらなる拡大や、健康診断などの充実など、福利厚生の充実を途切れることなく実施していく予定だ。

2023年度は、工業高校や高等専門学校の卒業生を中心に75人の理工系学生を採用。水道管路整備などを担う土木職、浄水場の管理を担う設備職、水質管理を担う環境職、水源管理を担う林業職、などの現場業務に加え、都の政策実現のための企画・調整を行う業務など幅広い活躍の場が用意されている。

各種研修制度がある点も特徴だ。東京都水道局との合同研修のほか、独自の研修など全50講座以上を実施することで社員のスキルアップを後押しする。資格取得の支援制度や、文系出身者が技術系の職種に転換できる制度も用意している。技 術系の職種に占める女性の割合は1割ほどだが、全社員で86%という高い有給休暇の取得率や、女性の産休・育休制度利用率が100%、男性の育休制度利用率が75%以上となっており、働き方改革について特に力を入れている。

東京水道が長年かけて築き上げてきた水道技術をこれからも維持・発展させるため、同社では社員一人ひとりの技術レベルの向上が求められており、若手の成長がそのカギを握る。「若い社員が活躍できる仕事がどんどん生まれている。プライベートの充実を図りつつ、社会貢献できる仕事をしたい方に、ぜひ応募してもらいたい(野田社長)。

東京水道グループ一体となった人材確保・育成

若手社員に聞く
首都東京の生活を支える一翼を担う存在に

水道技術本部 管路整備部 小管設計第一課 阿部 紗央里さん(2019年入社)

入社してから水道工事の設計業務に従事しています。具体的には、関係機関との調整や水道工事の設計図作成および精査、工事の概算額算出などです。業務を行う上で顧客と直接接する機会もあり、自分の仕事がお客さまの生活に直結する重要なものだと実感することが多く、やりがいがある仕事です。

また、私が所属する職場は20代が多く、切磋琢磨しあえる仲間や心強い先輩方も身近にいるので、新しい設計内容の提案など、失敗を恐れずに挑戦できることも魅力的だと思います。



ライフラインの仕事に携わりたくて入社

多摩水道技術本部 多摩設備部 八坂事業所 後藤 俊太朗さん(2021年入社)

ライフラインの仕事に携わりたくて入社しました。現在は東京都多摩地区北部の水道を管理する八坂事業所で、配水ポンプや受電盤など水道関連設備の点検や補修工事の立会い、現場管理などに従事しています。地味で根気のいる仕事が多いのですが、日々の業務が安定給水につながるところにやりがいを感じます。故障個所が無事に復旧したときは、この仕事に携わることができて良かったと思います。

私は中途入社ですが、中途・新卒の隔てがなく、疑問や困りごとを相談できるので助かっています。2020年に誕生した新しい会社で業務が拡大し続けており、給与が安定しているのも魅力です。

会社DATA
所在地  東京都新宿区西新宿6-5-1
創業   1966年8月
代表者  代表取締役社長 野田 数
資本金  1億円
従業員数 約2900人
事業内容 管路施設管理、浄水施設管理など東京都の水道事業全般
URL   https://www.tokyowater.co.jp/

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