更新日:2025年02月19日 12:56
ライフ

役所からの連絡で「母の死」を知った48歳女性。関係を絶って約10年…“傲慢な母”が迎えた壮絶な最期とは

「親の面倒は子が見るもの」という価値観が、私たちを苦しめる――。求められる仕送り、消耗する介護に、心身の疲労が蓄積し、もう疲れたと自ら望んで家族関係をフェードアウトする人々が増加中だ。その切実な胸の内を聞いた。

役所からの連絡で知った母の死

[家族をもうやめた]人の肖像

小学生時代の池守りぜねさん(左)と母(右)。自身のnoteでも母との関係を記事としてまとめ、公開している

たとえ生前は関係を絶っていても、家族の死後に連絡が来るのは“戸籍”で最も近しい人……。ライターの池守りぜねさん(48歳)は、約10年間関係を絶っていた母が役所の連絡で亡くなったと知り、対応に追われた。 「父とは7年前に協議離婚済みで、戸籍上の母の肉親は私だけ。病院から問い合わせがあり、駆けつけると本人でした。多臓器不全で出血が止まらない状態のくせに、『延命も高額治療も望まない』とサインしていた。人が救急車を呼んでくれたのに何度か拒否していたそうです」

遺品整理のために入った母の部屋は…

遺品整理のため母の部屋に入ったときのことは今でも忘れられないという。 「出血の痕を拭いたティッシュがそのままになっていたり、食べかけのカップラーメンが真っ黒になっていて、なんて最期なんだろうって思ってしまった。骨を受け取ったのも私でしたが、そもそも母の家系の墓の場所がわからず、顔もよく覚えていない親戚を頼って、見つけ出すのにも一苦労。場所が田舎で遠いこともあり、納骨以来一度も墓参りには行ってません」 死後も母に苦労をかけられたことに葛藤はあったものの、母と連絡を絶った自身の選択に後悔はないという。 「日本は戸籍がしっかりしているので、『もう会わない』と決めていた母なのに、最期は親族の私がすべて請け負った。やっぱり決定的な絶縁ってほぼ不可能なんだなと。でも、今の家族との関係がつらいなら、物理的な距離を取るほうがいい。その選択は絶対に間違っていないと思います」
[家族をもうやめた]人の肖像

実の母が亡くなった当時、池守さんの元に役所から送られてきた埋火葬許可証

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