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スランプってあるんですよねえ。
うちのおつまみメニューに「自家製揚げくるみ」というのがある。
「くるみ」を砂糖で煮てから油であげる、ちょっと「かりんとう」にも似た、
甘味のあるおやつのような一品である。
案外ウイスキーやラムなどとの相性も良く、
地味な存在ながらも結構人気で、
気付くとカウンターの人が全員食べていたりすることもある(笑。
ところでこの一品。
昨年ちょっとしたことから、上手く作れなくなったことがある。
作り方はそんなに複雑なものではなく、軽く茹でておいたくるみを砂糖を溶かした水で煮て、それから油で揚げるだけなのだが・・・。
(うちで食べたお客さんが、お家で真似をすると、大概この工程を逆にしてしまう方が多いようです。聞いてくれればいいのに(笑。)
どうも表面がいつもとは違い「ボソボソ」になってしまう。
味もさることながら、その表面の艶やかな「照り」もウリのひとつだったので、
どうにもこれでは提供できない。
色々試行錯誤した挙句、
結論としては,「表面温度の低下」が原因だということに落ち着いた。
以前、テレビの情報番組か何かで、達人と言われる「唐揚げ屋さん」が、揚げている途中で、油から鶏を網で持ち上げ、空気に触れさせているのを見かけたことがあった。何でも、これをすると軽い「二度揚げ」の状態になり、カラッと仕上がるそうだ。
早速真似てみた。
大変良い(笑。
今までより、見た目がワンランクアップしたような感じだ。
それが、かれこれ数年前。
それ以降、何も変えずに、ずっとそれで通してきたつもりだ。
ところが、である。
前述の通り、昨年の終りくらいから、表面が上手く仕上がらないようになった。
足りない頭を抱えながら、色々考察したのだが、
どうも、この「いったん油から上げる」という作業を、調子に乗って何度も何度も繰り返しやってしまっていたようだ。
それにより、表面の温度が下がりすぎて、砂糖のコーティングが上手く硬化してくれない状態になる。
何事も「やりすぎ(スポーツの世界だと「オーバー ドゥ」と言うそうだ)」は良くないというお手本のような話。
お陰様で、今は無事復旧しております。
ただ、こうしたことは、どんな世界にも往々にして起こることのように思う。
一種の「スランプ」といえば、聞こえはいいが、
ただ単に「ノウハウを言葉にしておく」ことを怠っただけのような気もしている。
個人的「感覚」に頼っていたのでは、ふとしたことから迷宮に入り込みかねない。
よく、ジュニア時代からスポーツをやっていた子が、大人になってスランプに陥ると、立ち直るのに結構時間がかかると聞いたことがある。
子供の頃から無意識に出来てしまっていたことが、意識し始めると急に出来なくなってしまうということは、よく起こることなのかもしれない。
それに対抗するのは、やはり何事も「言葉にする」しかないようにも思う。
言語化は、すべからく再現性を高めてくれる。
無意識を有意識に。
今年も、そんな「鍛錬の場」に、この note を使って行けたらと考えております。
本年も何卒お付き合いのほど、宜しくお願い申し上げます。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
正月恒例「濁り酒」「三浦大根の沢庵」「新春ポテトサラダ」まだあります!!
お待ちしております。
Maiden Voyage / Jimpster
Freerange Records
1999
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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