【短歌一首】 見上げればアクロフォビアはよろけたりスカイツリーの高さ果てなく
高所恐怖症(アクロフォビア:acrophobia)である。
幼少時はかなりひどい高所恐怖症で、遊園地にある歩道橋を渡るときには立って渡ることができず這いつくばっていた。 その後年齢が上がるとともにだんだん大丈夫になっていったが、今でも高い所はかなり苦手である。
外出の途中でたまたま東京スカイツリーのある押上(おしあげ)に来た。
スカイツリーは高さ634mの世界一高い電波塔。子供の頃タワーといえば東京タワーだったが、東京タワーが333mだからその倍近くの高さがある。そんな高いところには高所恐怖症は登れるはずはない。
スカイツリーは展望台へ行く人が列をなしていたが、もちろん登らない。
スカイツリーのふもとにある複合商業施設からおそるおそるスカイツリーを見上げてみる。まるで周りの建造物との縮尺を間違えたかのように、細くどこまでも高い。
真下まで行き、スカイツリーを見上げた。あまりにも高くて足がすくんでくる。それでも見ていると体がバランスを失いよろけてしまった。
小学校の時に友達と自転車で新宿の高層ビル街を見にいったが、ビルを見上げながら走っていたら怖くなって転倒してしまい、友達に心配されたことを思い出した。
あまりに高いものは神々しくもあり、いつも畏怖の念を持って眺める。
猫間英介