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福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjoyscience.doorkeeper.jp/ https://sustainableq.doorkeeper.jp/ https://after-chatgpt.doorkeeper.jp/

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最近の記事

イーロン・マスク、新政権で合理化の旗手に

イーロン・マスクが次期政権で効率化を目的とした組織のトップに就任することが決まりました。 イーロンのマネジメントスタイルは、一言でいえば、超合理的です。 それを知るおすすめな情報源は、昨年出た自伝です。 そんなイーロンがさっそく新組織のリクルーティングを始動しました。 ただ、それをX(旧Twitter)有料アカウント限定で行ったことで話題になっています。 Xは1つのメディアとして、日本の選挙にも影響を与えているとみられています。(本当はもっと冷静に場合分けしたほうがいい

    • 細胞膜の起源に迫る!シリカが秘める古代の生命の謎

      生命の基礎単位「細胞」ですが、それを足らしめているのは「境界」ではないでしょうか。 つまり、閉鎖的な空間があるからこそ、その庇護下で様々な細胞内小器官がはぐくまれた可能性は高いです。 その細胞膜は水との親和性が異なる対極な部品が集まってできています。 では、その生命をはぐくんだであろう「細胞膜」の起源は? 最近その仮説がScience誌で提示されているので紹介します。 参照論文はこちら。 細胞膜は上記のとおり脂質でできているため、以前から短めの脂肪酸をもとにいくつか

      • NASAとスーパーコンピュータ/AIの活用事例

        コンピュータは科学技術としての発明だけでなく、発明を加速化するブースターとしての役割も備えています。生成AIが登場してまさに水を得た魚といってもよいかもしれません。 宇宙科学をけん引しているのはやはりNASAです。 スーパーコンピュータによる宇宙科学の活用例をNASAが公開しているので、今回はそれを補足的に紹介します。 ざっくり下記6点を例示しています。 1.アルテミス打ち上げ環境の再設計: 丁度今から2年前にフェーズⅠが成功しました。 現在は有人による月軌道を描く

        • イーロン・マスクの次なる夢は天王星?

          ついに次期政権であのイーロン・マスクが政府効率化省トップに就任することが決まりました。 イーロンは、いわゆるシリアルアントレプレナー(連続起業家)で、利益相反などこれらの事業運営がどうなるのかは(追っかけの一人として)気になります。 参考までに、過去の彼の遍歴(?)が分かる投稿を載せておきます。 イーロンの夢は、過去は「火星」でしたが、最近はバージョンアップされて「天王星」になっています☺ はじめ聞いたときは、ジョークだと思いました。 それだけ天王星というのは我々人類

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        記事

          レオン・クーパーが科学に刻んだ功績

          歴史に名を馳せた偉大なる物理学者の訃報が流れました。 アメリカの物理学者レオン・ニール・クーパー(Leon Neil Cooper)で、超伝導現象の理論的解明に大きく貢献しました。 クーパー氏の主な業績と派生的な貢献について紹介します。 ジョン・バーディーン、ロバート・シュリーファーと共に、1957年に超伝導を説明する微視的理論である「BCS理論」(3名の頭文字)を提唱したのが最大の業績です。(当時まだ20代!) この功績によって、1972年にノーベル物理学賞を受賞しま

          レオン・クーパーが科学に刻んだ功績

          地球史を変えた二大理論:スノーボールとプレートテクトニクス

          「京都賞」と呼ばれる、科学や技術、思想・芸術の分野に大きく貢献した方々に贈られる日本発の国際賞があります。稲森和夫氏が創立しました。 2024年は3名が受賞し、そのうち一人は過去にも触れました。 今回は二人目の紹介をします。地質学者のポール・F・ホフマン氏です。 受賞理由は、生命の進化に関係していた下記二つに関するものです。 1.スノーボール(全球凍結) 2.プレートテクトニクス 1は初めて本格的に提唱した人です。過去にも何度かふれたので載せておきます。 常識的に考

          地球史を変えた二大理論:スノーボールとプレートテクトニクス

          無限を測る:リチャードソンの発見が導いたフラクタル革命

          前回、脳の発達がフラクタル構造だったという話をしました。 興味が出たのでフラクタル構造の歴史について調べてみました。 まず、有名なのはブノワ・マンデルブロ(1924-2010)という数学者です。フラクタル幾何学の創始者として知られています。 ただ、彼に影響を与えた隠れたパイオニアがいました。 ルイス・フライ・リチャードソン(Lewis Fry Richardson)(1881 - 1953)で、数学者であり気象学者でもありました。 実は以前に、気象学史でも紹介しまし

          無限を測る:リチャードソンの発見が導いたフラクタル革命

          脳の謎が解明:秘密はフラクタル構造にあり

          知能の根幹である「脳」ですが、その発達プロセスはいまだ解明されてません。最新の技術でその過程がある程度明らかになりました。 ようは、 脳を構成するニューロン(神経細胞)は、単体と協調活動をバランスよく備えている、 というはなしです。 ニューロンはシナプスを通じてお互いがネットワーク構造でつながっています。これを通じた協調的な活動が脳の発達に寄与するのか?そうではなく、まずはニューロン単体がまずは発達したのか?このあたりが主な論点です。 その謎を、1万の個所を同時にリアル

          脳の謎が解明:秘密はフラクタル構造にあり

          宇宙を解き明かす先駆者:カール・セーガンの科学的遺産

          11/9は、SF作家カール・セーガン(Carl Sagan、1934–1996)の生誕日でした。それを記念した記事があったので、科学者としての一面を紹介します。 今回の内容は、主に上記と下記伝記を参考にしています。 元々宇宙天文学を志して惑星科学者となり、地球外生命体探索(SETI)について、NASAと一緒に取り組んでいました。 おそらく科学者として世間に知られたのは、ボイジャーとバイキングと呼ばれる、探査機に積まれた人類情報を届ける考案者としてだと思います。(今では賛

          宇宙を解き明かす先駆者:カール・セーガンの科学的遺産

          プレートテクトニクスと生命誕生

          地殻移動を意味する「プレートテクトニクス」が、地球の生命誕生に思った以上に寄与していたかもしれない、という記事を見かけました。 プレートテクトニクスは、以前にも同じ文脈(生命誕生の必要要素)で、地球外生命体探索で有名なドレイク方程式に追加提案されたこともあります。その時に紹介した過去記事を載せておきます。 少なくとも、多細胞生物が複雑になってからは、地殻移動が生命進化に貢献したのでは、という話はよく知られています。 たとえば下記記事によれば、プレートテクトニクスの活動がシ

          プレートテクトニクスと生命誕生

          米国大統領選挙によるAI規制の動き

          米国大統領選挙が終わりました。結果云々よりも、まずは前回のような暴動が起こらなかったことにほっとしています。 今回トランプが当選したことで、科学技術の政策レベルでもいくつか影響があり、その1つが「AI規制」に関するものです。 1つ記事を紹介します。 ようは、 トランプ政権では、バイデン現大統領が制定したAI規制を撤廃する予定、 というはなしです。 この規制の主だった内容は、企業がAIの訓練方法や脆弱性テストデータを含むセキュリティ対策に関する報告書や利用企業向けガイダ

          米国大統領選挙によるAI規制の動き

          負の屈折率を実現した革命者、ジョン・ペンドリーの業績と来日

          以前に、生物の透明化技術について紹介しました。 前回は、とある企業の取り組みを中心に紹介しましたが、この原理を開発した研究者が丁度今来日しています。 英国の理論物理学者ジョン・ペンドリー氏(Sir John Brian Pendry)です。 ペンドリー氏は、電磁波の波長よりも小さな微細構造体を設計することで、自然界には存在しない特異な電磁気的性質を持つ物質、いわゆる「メタマテリアル」が実現可能であることを理論的に示しました。 この理論は、負の屈折率を持つ「スーパーレン

          負の屈折率を実現した革命者、ジョン・ペンドリーの業績と来日

          H3ロケット4号機で打ち上げられた防衛通信衛星「きらめき3号」の役割と意義

          H3ロケット4号機が無事打ち上げを成功しました。 商用機としては2機目です。 今回打ち上げたものは、防衛通信衛星です。H3はもう安心して打ち上げLIVEを観ていられたので、今回はH3でなくその衛星について紹介したいと思います。 この通信衛星は「きらめき3号」と呼ばれ、名前が示すように既に同類の衛星が2機運用されています。 「きらめき3号」は、Xバンド通信を利用した防衛通信衛星であり、天候に左右されにくい安定した通信が可能です。 これにより、陸上・海上・航空自衛隊間の高

          H3ロケット4号機で打ち上げられた防衛通信衛星「きらめき3号」の役割と意義

          匂いはどのように感じる?嗅覚を巡る科学と謎の最前線

          前回の流れで、ヒトの嗅覚でいまだ解けぬ謎について紹介します。 まずは、Wikiから基本的な仕組みを。 ざっくり言えば、匂いを持つ物質を、下図6の「嗅覚受容細胞」がキャッチするのがスタートです。 その「匂い物質」を受けとめると、あるタンパク質が活発になり、その刺激が脳に伝達されるという流れです。 その重要な役割を担う嗅覚受容細胞ですが、「嗅覚受容体」という名称で分類され、約400種類が発見されています。(機能不全タイプも800超あるそうですが今回は割愛) 人間以外の哺乳

          匂いはどのように感じる?嗅覚を巡る科学と謎の最前線

          香りが認知症予防に?嗅覚と健康の深い関係

          以前に、五感は脳で相互作用しているかもしれない、というトピックを取り上げました。 上記の例でとりあげた「嗅覚」ですが、最近こんな記事が投稿されています。 ようは、 嗅覚障害が、アルツハイマー病やパーキンソン病など深刻な健康問題の予兆かもしれない、 というはなしです。 2つ目の元論文では性別や年齢、そして食事での関連性も示唆してますが、その真偽はともかく、相関のある100以上の症状リストを見ると、驚くほど多様です。一見嗅覚とは関係なさそうなものも多いです。 冒頭記事を読

          香りが認知症予防に?嗅覚と健康の深い関係

          AIが仲介する民主主義の可能性

          いよいよ米国大統領の選挙週間がやってきました。最終コーナーの今、気候変動とは異なる文脈で「ゴミ」問題が話題になっています。(しゃれにもならないですが・・・) こういった争いを見ていると、なんならAIに政治を任せたいと思ってしまうのは私だけではないかなと感じます。 その極端な例として、AIを神とする宗教を立ち上げた元Google社員の話題を過去取り上げました。(今は閉鎖) さすがにそこまではやりすぎだと思いますが、ただ民主主義を改善する方法としてAIがうまく使えないか?と

          AIが仲介する民主主義の可能性