3年で辞められるスキルを身につけよう
非常に狭い観測範囲で語ります。
大体、4年目、7年目あたりは危ない時期。ちょうど仕事のなんたるかがわかってきて、自分のやりたいことと今の仕事のギャップもわかってくる。でも、目の前の仕事をこなすだけのスキルは身についていたりすると会社としては辞めてほしくなかったりする。というわけで、4年目に同期との研修という名の旅行が実施されている僕の所属する会社でありました。
3年は勤めよう、というのはそれなりに妥当性のある言葉だとは思う。もちろん、入った瞬間ギャップが見えることも有るだろう。やりたくないことを3年も我慢してどうするんだろう。そういう人に対しても3年辞めるなと説くのは無意味だ。逆に、仕事が少なからず自分のキャリアパスのイメージに引っかかっているのであれば、新入社員からの3年というのは非常に貴重な時間といってもいいだろう。なんたって多少の無茶無理をしたって「若いから」で許される。それが会社ってもんだ(そうでない会社に我慢して3年いる意味は個人的にはないと思う)。
むしろ「3年で辞めるにはどうすればいいのか」という前向きな辞め方論のほうが建設的じゃないかなあ。「次の仕事を見つけてから辞めよう」とか。「次の仕事を見つけやすくするために、こういうスキルだけは身につけてから辞めよう」とか。「潰しがきくスキル、潰しがきかないスキル」一覧とか。「社内でしか通用しないものを覚えるより、どこでも応用がきくように、仕組み自体を覚えよう」とか。そっちの方が重要じゃないかね。
3年で辞めちゃダメだって誰が決めた - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
という話は実に同感で、ぶっちゃけ上司の立場から言うと、3年である程度潰しの利く人材になってくれないと使い物にならないんである。そして、それだけのスキルを身につけた人材は、待遇にさえ不満がなければ焦って転職する必要がない。そうすると心には余裕が生まれるし、会社にも大事にしないといけないという気持ちが育つ。「こいついないと結構困るけど理不尽を押し付けたら辞めるだろうなあ…」と思わせたら勝ちである。まあ勝ち負けの問題ではないけれど、会社に対して自分の立ち位置を確立できる、というのはとても楽だよね。飼いならされているわけでもない。いつでも辞められる、でも居心地いいから辞めない。自分の時間を大事にする人にとってはそれ以上快適な状態というのはないんじゃないだろうかね。
どんな仕事であれ、それがたとえ自分が本当にやりたいことではなくても、新卒3年の経験が人間にもたらす価値は大きい。一刻も早くやりたいことをやらないと致命的な業界じゃない限り、他業種がもたらす経験も本当にやりたい業種では得られない観点として貴重だ。
3年というのは標準的な目安であり、1年で駆け抜ける人も入れは5年掛かる人もいるだろうけれども、そういったターニングポイントにおいて、自分の立ち位置を振り返る、というのは非常に大事だ。会社に残るにしても、明確に仕事に対するビジョンを持ち始める時期。自分自身を評価できないと単にずるずると居残るお荷物社員になってしまう未来が否定出来ない。