最終回のエヴァンゲリオンみたいな高密度圧縮シーンを見てパニック障害発作を起こして胸と頭に激痛が走ったが、表現規制には反対だ。
むしろ俺をパニック障害にさせるくらいの品質があるということだ。そういうアニメーションは偉大なので、規制するなんてとんでもない。
この高圧縮をするために、今までテンポがゆっくりだったのか―。すっげえ。
フィルムコミッション系のアニメだというと、たまこまーけっとが「素敵な商店街の日常で生きていくこと」を描いたんだが、惡の華は「クソムシみたいな街の日常で生きていくこと」を描いている。
両極端なんだけど、どっちも人の世の営みですなあー。
しかし、ロトスコープに慣れてきたと思ったらエヴァンゲリオンの最終回みたいな超圧縮編集アートアニメを出してきてマジで胸が縮み上がるほど驚いた。いろいろな演出の技を繰り出すなあ。
すごくアニメならではなんだけど、半分実写でもあるというのがフィルムとして独創的で面白い。
また、萬画的表現を取り入れた実写ドラマが10年くらい前から隆盛しているが、そういうドラマは「軽さ」の表現として萬画っぽさを取り入れている。
逆に惡の華は漫画原作のアニメなのに「重さ」を表現するために実写の要素とアニメや映画的な編集や作為の技法も非常に多く取り入れている。軽い漫画原作実写ドラマに対して、挑戦的な作品だともいえる。原作のディフォルメされた絵柄を順守していたらこの味わいは出せないので、アニメ制作班はすごくたくさんの英断を下してきたんだなあと。
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第一部完っていうけど、そもそも第一部自体、全部映像化されてない・・・。
そこらへんも挑発的なアニメだなあ。
原作通りになぞるようにやったら凡庸なアニメになったと思うけど、それを排して挑発をし続けていこうっていう姿勢が、実はストーリーのコアな部分では原作と共通してるのかもしれないなあ。