コードとコードネームの関係を理解するためには、まず「音程」を理解することです。
簡単です。階段が11段あり、おのおのに名前が付いているだけのことです。
「音程」とは、2つの音の間隔です。以下ドをルート(1階)として考えます。
ドとド→「完全1度・ユニゾン(同音)」(P1、Unis.)
ドと♭レ(♯ド)→「短2度」(m2)
ドとレ→「長2度」(M2)
ドと♭ミ(♯レ)→「短3度」(m3)
ドとミ→「長3度」(M3)
ドとファ→「完全4度」(P4)
ドと♭ソ→「減5度」(○5)。若しくはドと♯ファ→「増4度」(+4)。
ドとソ→「完全5度」(P5)
ドと♭ラ(♯ソ)→「短6度」(m6)
ドとラ→「長6度」(M6)
ドと♭シ(♯ラ)→「短7度」(m7)
ドとシ→「長7度」(M7)
ドと1オクターブ上のド→「完全8度・オクターブ」(P8、8ve)
2つの音が同時に鳴れば「複音」です。3つ以上の音が同時に鳴れば「和音(コード)」です。
最終的にはどの音を選んで同時に鳴らしてもかまいませんが、
音楽理論では倍音列を根拠とするなどして「体系化」されています。
これについて説明すると長くなるので、「基本的なコード」の範疇で下記にご紹介します。
●まずはダイアトニック・コード群です。
7度
5度
3度
ルート
と、ルートから順に、ルートより高い音が4つが重なってコードになります。これを4声(ヨンセイ)のコードと云います。
但し4つ目の7度は使わない場合も頻繁にあります。その場合は3声(サンセイ)のコードということになります。
それで、例えば「3度」といっても2種類ありましたね。ルートからの音程が短3度の♭ミと、長3度のミです。
同じように5度にも7度にもそれぞれ2種類ありました。そのおのおのに、書き記し方があるというだけのことです。
~3度~
ルートからの音程が、短3度→マイナー (-、m)。長3度→メジャー (何も書かないが、△と書く時もある)。(長3度の「メジャー」という言葉は省略する)
~5度~
減5度→フラットファイブ (♭5)。完全5度→名無し (記述無)。
~7度~
短7度→セブン若しくはセブンス (7、7th)。長7度→メジャーセブン若しくはメジャーセブンス (M7、maj7、maj7th)。
~例~
「C」→ド・ミ・ソの和音です。ルート+長3度+完全5度 の和音です。「C」若しくは「C△」などと書きます (△=トライアード)。
「Cマイナー」→ド・♭ミ・ソの和音です。ルート+短3度+完全5度 の和音です。「C-」若しくは「Cm」などと書きます。
「Cマイナーメジャーセブン」→ド・♭ミ・ソ・シの和音です。ルート+短3度+完全5度+長7度 の和音です。「C-maj7」若しくは「Cm maj7」などと書きます。
「Cマイナーセブン」→ド・♭ミ・ソ・♭シの和音です。ルート+短3度+完全5度+短7度 の和音です。「C-7」若しくは「Cm7」などと書きます。
「Cマイナーセブンフラットファイブ」→ド・♭ミ・♭ソ・♭シの和音です。ルート+短3度+減5度+♭7度 の和音です。「C-7(♭5)」若しくは「Cm7(♭5)」などと書きます。
「Cマイナーメジャーセブンフラットファイブ」→ド・♭ミ・♭ソ・シの和音です。ルート+短3度+減5度+長7度 の和音です。「C-maj7(♭5)」若しくは「Cm maj7(♭5)」などと書きます。
※ 例えば "ルート+長3度" とは、"ルート+ルートから長3度の音程を持つ音(即ちミ)" という意味です。
※ 理解を確実にするため、現実には殆ど使われないものも含めてみました。
●次にダイアトニック・コード以外の基本的なコードです。
シックス・コード
7度の代わりに長6度を使ったコードです。
「Cシックス」→ド・ミ・ソ・ラの和音です。ルート+長3度+完全5度+長6度 の和音です。「C6」などと書きます。
サスフォー・コード
3度の代わりに完全4度を使います。
「Cサスフォー」→ド・ファ・ソ・♭シの和音です。ルート+完全4度+完全5度+短7度 の和音です。「C7sus4 7」などと書きます。
又、7thを省いて3声で使われることもあります。
オーギュメント・コード
長3度音程を積み重ねたコードです。
「Cオーギュメント」→ド・ミ・♯ソ・の和音です。ルート+長3度+そこから長3度 の和音です。「Caug、C+」などと書きます。
ディミニッシュ・コード
短3度音程を積み重ねたコードです。
「Cディミニッシュ」→ド・♭ミ・♭ソ・ラの和音です。ルート+短3度+そこから短3度+そこから短3度 の和音です。「Cdim、C○」などと書きます。
☆ギターで弾く場合の6弦型や5弦型の「フォーム」は、あくまでも基本です。バッキングを組み立てる際には、必ずしもこの型から選んで弾かなければいけないというものではなく、その場面に応じて自分なりにフォームを作り出して弾くことも、時には必要です。それでこの場合、「省略しても良い音」というのがあります。例えばルート音は、アンサンブルにおいてベーシストなどがルート音を出していれば、省略してもいいです。又完全5度も、ルートの持つ倍音列に近いので、省略してもいいです。これはつまり、例えばベーシストがルート音を出せば、このルート音の中に完全5度も含まれている、といったニュアンスです。完全5度はそのコードの性格・個性に殆ど影響しないのです。よって省略することもできます。省略できる音を知っておかないと、自分でフォームを作る時に苦労します。指が足りなければ(笑)、省略してよいのです。
☆とにかく、コードの実体が分かれば、自分でフォームを作り出すことができますし、他にも様々なことができます。例えばコードにある音の内の任意の1音は、これは出しても良い音なのです。だから「アー」と声でその1音を歌ってもいいのです(笑)。或いはその1音だけを、ハイポジションでガンガン弾いてもいいのです。
☆「9th」とか「♯11」とか「♭13」などと書かれているコードネームを見ることもあると思います。例えば9thとはレのことです。但し1オクターブ上のレです。2に7を足せば9になります、~お分かりですよね、他も同じです。11-7=4です。13-7=6です。2度も4度も6度も、ダイアトニックコード群では使いませんでした。つまり「基本」にないものは、9とか11とか13と記して使うことができます。テンション・ノートについてはモードやスケールの説明からしなければいけませんので、大変長くなります。よって今回は省略しますが、とにかくこれで、その音が何なのかは分かると思います。すると実際にその音を出すことはできると思います。むしろ完全に音楽理論を把握するより、こういう捉え方の方が新しいものを生み出せる場合もありますので、まずは自分の感性を信じて、様々試してみて下さい。
※今回のこの回答について、厳密な自身の文章校正など行っておりません。申し訳ありません。細部にミス等あればご指摘下さい。訂正致します。
お礼
詳しくありがとうございます!! これを見て勉強してみますありがとうございました