IMEとはInput Method Editorの略で、簡単に言えば
キーボードから直接入力できない文字を
入力するための仕組みそのものを意味します。
ですから、日本語変換ソフトのことはIMEの一種ですが
それ自身の名前がIMEということはありません。
いろんな文章で、単にIMEと書かれていると思いますが
日本人はソーイングマシンをミシンと略したアホな略をよくやります。
文脈としては、IMEをMicrosoft IME(MS-IME)という意味で使うこともよくあるようです。
そういうことをするから、誤解が生まれるんだと思います。
IMEにはいくつもの種類があります。
"MS Office 2010"には"Office IME 2010"(Version 14.0)がついてきます。
Windows7にはMicrosoft IME(Version 10.1)がついてきます。
WindowsVistaであればMicrosoft IME(Version 10.0)がついています。
そのほか、市販品のATOKや無料ダウンロードできるGoogle日本語入力が
Windowsユーザーの選択肢です。
(発表されたばかりのBaidu IMEほか、いくつかのマイナーなIMEもあります)
MS-IMEは、遡れば1990年頃のMS-DOSからWindows95あたりまでの時代に活躍した
エー・アイ・ソフトのWXシリーズを買い取ったものです。(もうほとんど別物)
ATOKはWXシリーズよりも古い1980年代からある伝統ある日本語入力ソフトで
当時はIMEではなくFEPとして動いていました。ですから名称にIMEとか使いません。
(現在ではWindows以外にも、MacOSX,iOS,Linux,Androidなどでも使えます)
GoogleやBaiduは検索サービスからの単語情報蓄積などを活かしたもので
新しい単語や、よく使われる単語を効率的に変換できることから注目を集めています。
最も使われているのは、Windowsに標準装備されているMS-IMEでしょう。
OSの基本機能として、日本語入力機能を提供するために
他社からOEM供給を受け…最終的には買い取ったのです。
ただ、改良は随時続けられ、既にプログラムとしてはまったくの別物ですし
改良の結果は、WindowsやMS Officeのバージョンアップ時に
新しいバージョンとして添付されたりします。
ですから、MS Officeに付いてくるものを使うのも自由ですし
Windowsに標準装備されているものを使うのも自由。
ATOKを購入するのも自由ですし
Google日本語入力をダウンロードしてくるのも自由です。
複数導入して、任意に切り替えて使うこともできます。
なお、日本語入力の研究は、構文の分析なども行われています。
ですから、連文節変換と呼ばれる使い方をすると、その性能差が出やすいと言えます。
文は文節の集まりですから、文をそのまま入力して
文の終わりでまとめて変換し確定する。これが連文節変換です"
Google日本語入力は新しい単語、よく使われる単語に強いので
文節単位の変換では有利と言われています。
でも、連文節変換するならATOKが優れていると言われます。
もっとも、何でも漢字にすれば捗るかといえば
"捗る"が読めない人も多いわけですから、漢字の使い所を
日本語変換ソフトにまかせてしまうと、文章の個性もなくなります。
そこを、学習機能がうまく補うことで、効率良く
自分らしい文章を書けるようになります。たぶん。
私自身は、三文節くらいで変換するくせがあるので
学習機能がいまいち有効に使えていないんじゃないかと思っています。
でも、ある程度タイプが早くなってくると
変換操作に手間取るくらいなら、短く区切って入力するほうが
手早く入力できるような気がするのです。
昔は日本語変換ソフトがあてにならなかったので、そういう癖がついたのでしょう。
余談ですが、うちはWindowsやMacOSXを使わないので、日本語入力には
Linuxで標準になりつつあるAnthyや、Google日本語入力を元にしたmozcを使います。
Androidで少し有名になったWnnも、Linuxでは昔から使われています。
万全とは思いませんが、最近は無料のソフトばかりで組み上げたLinuxの環境でも
日本語入力で、著しく作業効率を損なうようなことはなくなりました。
一番の悩みは、旧世紀に使っていたWX IIやWXIIIで使っていたキー設定が
Anthyやmozcでは、まったく同じ仕様にできないことだったりします。
そういう細かい操作方法は、今どきはカスタマイズできるのが普通なので
より使いやすい操作設定を研究する余地があると思います。
私はカスタマイズしているというよりも、WXIIの標準形に似せているだけです。
変換操作自体は、カーソルキーには一切触る必要がありません。
MS-IME標準の操作系とは大きく違いますし、ATOKとも違います。
こういった違いが、時には致命的に不便だったりもします。
Android端末にキーボードを繋いだ時とか、もうありえないほど使いにくいし
まだコンビネーションキー操作などのカスタマイズ機能が提供されていなかったりして
せっかく買ったBluetoothキーボードも、ほとんど使っていないほどです orz
日本語入力機能は、あればいいってものでも無いのです。
お礼
ありがとうございました。