テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ。
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。
住まいを選ぶ
- 程よい田舎に住む、という選択
- 程よい田舎へ移住する、理想と現実と金勘定
- 山派?海派?失敗しない、候補地選びのコツ
- マンション?戸建て?程よい田舎の、不動産屋が言わない、家選びのコツ
- 賃貸か持ち家か、程よい田舎では、どっちが得?
- 程よい田舎は、災害にも強い?災害大国日本の、リスクマネジメント
- 二千万円もお得?リタイアしたら、田舎で暮らす、メリットとは
- 都心でも、盛土?東京の造成地の、驚くべき実態
- 住居費と通勤時間を、経済的視点で計算すると…
暮らしは?
- 程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?
- 地産地消も楽しめる?程よい田舎の買い物術
- 地域格差をなくす?程よい田舎の、オンラインショッピング事情
- レストランはある?程よい田舎の外食事情
- 遠隔連携医療で変わる?程よい田舎の、医療の今と未来
- 学力、いじめ問題、健康…程よい田舎は、教育のユートピアか?
- 古くて新しい子供の遊び方「プレーパーク」とは
- 意外と便利?田舎での車なし・自転車生活
仕事は?
青梅・西多摩地区への移住
前回は、程よい田舎=「ほどいなか」のショッピングについて、考えてみました。
今回は、オンラインショッピングについて考察します。
「ほどいなか」のショッピング事情で欠けているのは、やはりニッチな商品やサービス。
趣味性の高いものや、専門的なモノは、都心に比べれて、貧弱です。
それを補完できるのは、やはり、オンラインショッピングでしょう。
目次
「ほどいなか」の、オンラインショッピング
オンラインショッピングは、「ほどいなか」から始まった
今では時価総額・約1兆ドル(2020年)の巨大企業となった、アマゾン。
しかし、20世紀末・設立時のアマゾンは、オンライン書店でした。
まだ、日本法人のなかった頃、日本国内では「洋書屋さん」の位置付け。
国際宅配便を利用した、海外通販の一種でした。
その頃、アマゾンの利用率の高かったのは、茨城県。
なぜなら…
筑波学園都市の研究者の人たちが、利用していたのです。
都心よりも洋書が手に入りづらい「ほどいなか」。
日本のオンラインショッピングは、いわば「ほどいなか」から始まった、といえます。
都会人のほうが通販好き?
少々古いデータ(2016年)ですが、通販の年間利用金額・購入頻度ともに、東京都がダントツでトップ。
「通販大好き県」全国1位は東京都で、1年間の通販利用額はなんと114,025円。全国平均額である88,379円の約1.3倍という利用額でした。 2位は千葉、5位に埼玉と、首都圏が上位に食い込みました。「通販をどのくらいの頻度で利用していますか?」と聞いたところ、「月に2-3回」以上と回答した購入頻度の高い「通販ヘビー層」の割合も東京が1位で、47.7%でした。
通販大好き県はどこ? ~JADMA(公益社団法人日本通信販売協会)
ちょっと、不思議ですよね。
通販を使わずとも、リアル店舗のたくさんある東京が、一番通販を利用しているのですから。
単に収入が多いから、なのでしょうか?
意外かもしれませんが、都道府県別の可処分所得は、東京は第5位。
(平成28年(2016年)家計調査結果・総務局統計局)
他の県、例えば福島や富山などのほうが、収入があります。
住居費の高い東京の場合、実際に使えるお金で考えると、さらに少なくなりますし。
東京人の通販好きの理由は…
おそらくは、インターネットの利用率が高いから、なのでしょう。
パソコン・スマホ・タブレット端末ともに、インターネットの利用率は東京が1位。
(総務省 都道府県別インターネット利用率及び機器別の利用状況 個人/2017年)
また、上位を占めているのは、大都市圏の都道府県です!
では、なぜ、東京のインターネット利用率が高いのか?
一昔前ならば、ネット回線の地域格差、デジタルデバイドがあるから、と説明できますが…
今や光回線(FTTH)の世帯カバー率は、推定98%(総務省 ブロードバンド基盤の整備状況)。
携帯電話の回線も、ほぼ、全国に行き渡っています。
東京は高齢者が少ないから、とも考えられますが、沖縄や滋賀のほうが平均年齢は低いのですよね。
ここからは、筆者の推測ですが…
東京は、企業の本社が集中し、ホワイトカラー率が高いのでしょう。
仕事でパソコンを使い、慣れ親しむ風土が揃っています。
日常的に使わなきゃ、パソコンなんて買おうと思わないですよね、普通。
スマホ普及率は、通勤・通学時間が長いことに起因します。
要は、家の外の暇つぶしなんです、スマホって。
まあ、それが習慣化→中毒化して、家でもイジる人も多いのですが。
そうやって長時間使えば、オンラインショッピングも、たくさんしちゃいますよね。
そして、オンラインショッピングをし始めると、やっぱり便利で楽しい。
家に、何でも買える自動販売機が、あるようなモノです。
もちろん、リアル店舗の良さもあるけれど、家にいながら買い物できる利便性は、麻薬的です。
リアル店舗の多い東京で、通販が普及しているのは、通販のほうが便利で楽しいから、ともいえます。
「ほどいなか」の、オンラインショッピング術
ちょっと、前置きが長すぎました…
では、「ほどいなか」ではどのように、オンラインショッピングを利用すれば良いのでしょうか?
都心より、リアル店舗の少ない「ほどいなか」のほうが、更に利便性が高まります。
- 時間と交通費が節約できる
わざわざ、都心に出ないと買えないモノとか、時間と交通費の無駄ですよね。 - 配送料は都心と同条件
離島などならばいざしらず、関東近郊の「ほどいなか」ならば、配送料は変わりません。 - 配達時間もさほど変わらない
ヨドバシエクストリームのような、大都市に特化したサービス以外は、ほとんど同条件です。
つまり、都心よりも「ほどいなか」のほうが、オンラインするとお得感があります。
買って便利なものは…
- 細々としたリピート品
日常的に使う消耗品で、いつも買っているもの。
例えば、プリンターのインクや用紙など、いちいちお店に行って探すのが面倒。
オンラインなら、過去の履歴などから、簡単に再発注できます。 - 重いものやかさばるモノ
食料品なら、お米や、ミネラルウォーターとか。
物干し竿とか、車でも積みにくいモノも、オンラインですよね。
組み立て家具とかも、そうですね。
家具は実物を見たほうが良いけれど、家で寸法を測りながら決められるメリットは大きいです。
イケアなどは、実店舗へ行っても、後でネットで買ったほうが、遥かに楽だったりします。 - 家電品
これもかさばるし、重い。
それと、家電量販店の場合、オンラインの方が、クレジットカード利用時の、ポイント率が良かったりします。
ただ、実店舗だと値切って安くなる可能性もあるから、そこが微妙ですが。 - ネットでないと、探すのが大変なモノ
すごくニッチな商品などですね。
例えば、換気扇のフィルター。
自宅で使用中の型番を調べて、それにあるモノを探すとか、やっぱりオンラインでしょう。 - 電子書籍
これは、リアル店舗では売っていませんが…
紙の本みたいに、かさばりません。
ただ、ブックオフなどで安く買って、読んだらすぐ売るほうが安いかも。
ネットスーパーや、生協の宅配も便利
気軽に生鮮食品を買える、ネットスーパー
オンラインは、アマゾンやヨドバシドットコム、楽天などだけではありません。
イオンやヨーカドーなど、スーパーの手掛けるネットスーパーも便利です。
何といっても、生鮮食料品を短時間で配達してくれます!
例えばヨーカドーのネットスーパーの場合、16時までに注文すれば、当日配達。
配達料はかかりますが、1回ごととチャージなのである程度まとめ買いするなど、計画的に使うと安上がりです。
それと、冷蔵庫の中を見ながら、家で発注するので、フードロスが少なくなりますね。
エリアはネットから、検索できます。
比較的エリアの広いのは、やはり大手の2社です。
ネットスーパーで買うと良いものは…
- 重いもの、かさばるもの
普通のオンラインショッピングでもそうですが、急に入り用になった時、便利です。 - 冷凍食品
店で買うと、帰り道で融け始めますからね。
冷えたまんま、運んでくれるネットスーパーは、便利! - 下調理のサービスがあるもの
ネットスーパーによっては、魚をおろしてくれるサービスなどもあります。
生協の宅配サービスも便利
食料品は配達サービスを、古くから行っている生協(生活協同組合)。
当然、オンラインでも注文も可能です。
地域によって、利用できる生協が違います。
ここから、郵便番号で検索できます。
コープ・生協の宅配
「ほどいなか」は、意外と生協が充実しています。
ネットスーパーが配達しないような、かなり辺鄙な町でも配達エリアだったりします。
生協によって違いがありますが、ネットスーパーと性格が異なります。
日本最大の生協「コープみらい」の宅配サービス「コープデリ」の場合…
- 組合員制
実店舗では組合員でなくとも買い物できますが、「コープデリ」は、組合員加入が条件。
500円の加入金が必要です(退会時に返却)
(2020年7月現在、コロナ渦での需要増大のため、コープデリの加入受付がストップ中) - オリジナル商品が高品質
オリジナル商品が、安全・高品質志向。
例えば、安いウインナーでも発色剤を使わないなど、ポリシーがある。
食物アレルギー配慮食品なども、充実しています。 - 週1回の配達が基本
他のネットスーパーとの、大きな違いはコレ。
計画的に注文する必要が、あります。 - 基本手数料+配達手数料がかかる
週1回のサービスを受ける場合、何も注文しなくとも基本手数料80円がかかります。
また、商品を発注すると配達手数料100円がかかります。
毎週利用すると、年間9,320円、意外とかかる…
ただし、高齢者・障害者割引、お子さんがいる場合や、共同購入などでの各種割引があります。
コープの宅配サービスは、コンスタントに買う人向けですね。
手数料が毎週かかるので、たまに使うような人には向きません。
モノは良いので、赤ちゃんやお子さんのいる家庭は、特にオススメします。
「ほどいなか」だからこそ、オンラインを使いこなそう
オンラインショッピングも、それぞれ特徴がありますよね。
アマゾンやヨドバシドットコムのような大手も便利ですが…
自社配送網の充実している、ネットスーパーや生協もまた便利です。
近所のリアル店舗とうまく使い分けて、便利な買い物生活をエンジョイしましょう!
次回は、テレワーク時の書斎、住宅事情について考えてみます。
「ほどいなか」と都心を比べつつ、テレワークに「使える」家とは何かを探ります。
テレワーク時代の、「程よい田舎暮らし」を考察する、ほどいなかシリーズ。
実際に「ほどいなか」に移住した経験をもとに、連載します。
住まいを選ぶ
- 程よい田舎に住む、という選択
- 程よい田舎へ移住する、理想と現実と金勘定
- 山派?海派?失敗しない、候補地選びのコツ
- マンション?戸建て?程よい田舎の、不動産屋が言わない、家選びのコツ
- 賃貸か持ち家か、程よい田舎では、どっちが得?
- 程よい田舎は、災害にも強い?災害大国日本の、リスクマネジメント
- 二千万円もお得?リタイアしたら、田舎で暮らす、メリットとは
- 都心でも、盛土?東京の造成地の、驚くべき実態
- 住居費と通勤時間を、経済的視点で計算すると…
暮らしは?
- 程よい田舎では、車は必需品?それとも不必要?
- 地産地消も楽しめる?程よい田舎の買い物術
- 地域格差をなくす?程よい田舎の、オンラインショッピング事情
- レストランはある?程よい田舎の外食事情
- 遠隔連携医療で変わる?程よい田舎の、医療の今と未来
- 学力、いじめ問題、健康…程よい田舎は、教育のユートピアか?
- 古くて新しい子供の遊び方「プレーパーク」とは
- 意外と便利?田舎での車なし・自転車生活
仕事は?
青梅・西多摩地区への移住