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十二支プラス猫もいる! 青森県の動物地名を「まるごと青森」が紹介

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インターネット

 年末の風物詩となっているのが、各地で行われる「干支の交代式」。2022年の場合、寅(とら)年から卯(うさぎ)年に変わっていきます。

 干支の動物が出てくる地名は全国にありますが、青森県では県内に十二支すべてと「猫」が揃ってるのだそう。青森県観光企画課が運営するTwitterアカウント「まるごと青森」が、地名の場所を地図化して紹介しています。

 青森県のあまり知られていない観光情報や地元の特選素材、美味しいもの、お店などの情報をTwitterで発信している「まるごと青森」。12月26日に、青森県に散らばる「十二支の地名」を紹介しました。

 Twitterを担当する青森県観光企画課の三上さんにうかがうと、以前から青森県に動物の名前がついた地名が多いと感じていたのだそう。たまたまドライブしていた際に「猪ノ鼻」という地名を見つけ、県内で十二支が揃うのでは?と思ったのだとか。

 そこからは、ネットでひとつずつ検索して調べた三上さん。もともと知っていた地名で半分ほどは埋まったそうですが「『もっと面白い地名もあるのでは?』と思い、一通り調べました」と語ってくれました。

「十二支の動物地名」マップのツイート(スクリーンショット)

 まずは十二支の最初、ねずみ年の「子(ね)」は十和田市の「子ノ口(ねのくち)」。十和田湖畔にあり、奥入瀬川(奥入瀬渓流)の流れはじめる口にあたることから、十二支の先頭である「子」があてられた、という説もあるようです。レストハウスなどもあり、観光の拠点として楽しめます。

 続いて丑(うし)年は、つがる市の「牛潟町(うしがたちょう)」。旧西津軽郡車力町の地名で、日本海に面した海岸「七里長浜」近くには高山稲荷神社があり、近くの展望台から海を見渡すこともできます。

 寅(とら)年の地名は三戸郡南部町の「虎渡(とらと)」。八戸市に向かう青い森鉄道諏訪ノ平駅と剣吉駅の中間にあり、線路と並行して国道4号と馬淵川が貫いています。

 卯(うさぎ)年に関係する地名は、三戸郡五戸町にある「兎内(うさぎない)」。五戸町中心部から県道15号を東へ進んだところにあります。語尾の「ない」は、アイヌ語の「川(沢)」を示す言葉からきているようです。

 辰(たつ)年で思い出す青森県の地名といえば、津軽半島北端の「龍飛崎(たっぴざき)」。「階段国道」で有名な国道339号沿いには石川さゆりさんが歌った「津軽海峡・冬景色」の歌碑がありますが、龍飛崎は2コーラス目に出てくることから、世にも珍しい「2コーラス目が強調された歌碑」となっているのが特徴です。

 巳(へび)年の地名があるのは、下北郡風間浦村の「蛇浦(へびうら)」。津軽海峡に面し、本州最北端である大間崎(下北郡大間町)の東隣にある地名です。

 午(うま)年は、弘前市の「馬喰町(ばくろちょう)」。弘前城の北、亀甲(かめのこ)門を出た先にあり、藩の馬を養う人々(馬喰)が暮らしたところです。

 未(ひつじ)年はちょっと苦しく、漢字の一部に「羊」が入った上北郡おいらせ町の「洋光台(ようこうだい)」。住宅地として開発されたところで、近くのいちょう公園には池のほとりに「日本一の自由の女神像」があります。合併前の旧百石町がニューヨークと同じ緯度(北緯10度10分)にあることを記念して作られたのだとか。

 続いての申(さる)年に関係しているのは、下北郡東通村の「猿ヶ森(さるがもり)」。下北半島北部、太平洋に面した猿ヶ森砂丘は日本最大級の大砂丘で、海岸から少し入ったところには、1000年以上前にヒバの林が砂丘に飲み込まれた跡である「ヒバの埋没林」があります。

 酉(とり)年の地名があるのは、上北郡横浜町の「鶏沢(にわとりざわ)」。陸奥湾に面し、川沿いに細長く続く土地になっています。横浜町の名産といえば、ナマコが有名です。

 戌(いぬ)年の地名は上北郡六戸町の「犬落瀬(いぬおとせ)」。南に奥入瀬川、南東から北西方向に東北新幹線と東北縦貫自動車道(上北自動車道)が貫く土地で、南部を東西に走る国道45号沿いには「道の駅ろくのへ」があります。

 亥(いのしし)年に縁があるのは、上北郡七戸町の「猪ノ鼻(いのはな)」。人家はほとんどなく、農地の真ん中を斜めに東北縦貫自動車道(上北自動車道)が貫きます。

 これで十二支は全部、なのですが、十二支の言い伝えで有名なのが「猫」の存在。神様が十二支を決める日に間に合わず、入ることができなかったとされます。

 まるごと青森では、そんな猫の地名も特例として13番目に紹介しています。それは八戸市の「猫屋敷(ねこやしき)」。正確には「八戸市南郷大字泥障作猫屋敷」と小字の地名で、近くに国道340号が通る林が主になった土地です。これはよく見つけましたね……。

 地名を調べてマップが出来上がるまで、3時間ほどかかったという「青森県内十二支地名マップ」。ただ見て楽しむだけでなく、これをきっかけに青森県を訪れてほしい、と三上さんは話します。

 「このマップで青森県の地名に興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです!『龍飛崎』や十和田湖の『子ノ口』は観光地としても美しい場所なので、ぜひ巡ってみてほしいです。そのほかの地名の中には住宅地のようなところもありますので、住民の方にご迷惑のかからないように訪問してくださるようお願いします」

 冬の青森は八戸の「えんぶり」に「弘前雪灯籠祭り」、毎日花火が楽しめる「十和田湖冬物語」とイベントがたくさん。また「貝焼き(かやき)味噌」や「けの汁」、「ひっつみ」に「せんべい汁」、タラの「じゃっぱ汁」ウニの「いちご煮」に「シャモロック鍋」など、郷土料理も色々あるので、地名をきっかけに訪れてみるのもいいかもしれません。

<記事化協力>
青森県観光企画課「まるごと青森」(@marugotoaomori)

(咲村珠樹)

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