2008年9月リリースされたホーネック指揮ピッツバーグ響による「英雄の生涯」はあのズヴェーデンの「春の祭典」とともに、2008年度レコード・アカデミー管弦楽曲部門賞を争い、初コンビによる初録音にもかかわらず、2位という好成績を残した知る人ぞ知る名盤です。そのコンビが2011年のマーラー・イヤーを先駆けて、交響曲全集シリーズを始動させました。その記念すべき第1弾がホーネックの音楽監督就任披露演奏会となった第1番「巨人」です。
前回同様、ディテールへのこだわりと巨大な音楽構築とを両立させるホーネック。特に生粋のウィーン人としてマーラーへの愛着はただならず、随所にウィーンの発音でのマーラー像が聴かれます。同時に、細かいレンガを積み重ねるような重厚な、厚みのあるサウンドがこれまでにない密度の「巨人」を構築します。
まさに歴史に残るマーラー・シリーズ。今後の展開にも注目です。