はてなブログに引っ越してきて二週間が経ちました。まず、どんな使い勝手か実験してみようと思い、心の赴くままブログを書いてみましたが、えらく攻撃的というか、煽り気味になってしまったと反省しています。
「もしかして、はてなブログが俺の攻撃性や煽り性を引き出しているんじゃないか?」
そんな思いがよぎった事もありましたが、さしあたって気にしないでおこうと思い、黙ってブログ記事の量産につとめました。先月は原稿を書かなくて構わない期間が二週間ほどあったので、今、ブログをまとめて書かなければ次にいつ書けるのか自信がなかったからです。
はたして、私のブログ記事はアグレッシブな疾走……というより暴走気味になりました。ある人は、そんな私の姿をみて
最近なんか冬眠前に腹を空かせて人里に下りてきたみたいな感じあるな
と評していましたが、その通りだったと思います。私は、はてなダイアリー時代よりも好戦的で論争的なブロガーになってしまいました。ブログプロレスがやりたくて仕方の無い・何かガツンと言ってやりたくてしようがない――そんな気持ちが渦巻いていたし、今でも渦巻いています。
- はてなブログに煽られているのは俺だけじゃなかった!
それでも私は、「でも、はてなブログのせいにするのは良くないよなー、俺のこころの問題だよなー」と考えようとしていました。ところがそこに、はてなダイアリーで紳士的なブログライフを営んでいたid:zaikabouさんがはてなブログに引っ越してきたのです。驚くべきことに、このzaikabouさんですら、最近なんだかアグレッシブというか、立て続けに言及するブロガーになっていて驚きました。そういうの、あなたのキャラではなかったのでは?
危惧した種類の馬鹿が早速出てきていて頭を抱えている(追記あり) - 日毎に敵と懶惰に戦う
免疫無しのはじめての事故が致命傷になる悲劇を起こさないで欲しい - 日毎に敵と懶惰に戦う
今朝、twitter上でzaikabouさんは
はてなダイアリーからはてなブログに引っ越してアクセス数が増えたので、やっぱりはてなブログのほうが多いのかなあ、と一瞬思ったけど、単純に引っ越してからアクセス乞食っぽい話題の記事を書いているから、だと思う
と書いておられました。あのzaikabouさんがアクセス乞食などと……そんなバカな!絶対に憑き物がついている!「それは俺と同じ症状だ!」
この一節をみて私は「ああ、はてなブログには、はてなダイアリーには無かった、人を煽りに走らせるような魔物が潜んでいるのだな」と思わずにはいられませんでした。
- はてなブログは、ブロガーを駆り立てるメディアではないか
こうした知見と、昨今のはてなブログユーザー達の信じがたいほどの更新根性・煽り根性を眺めているうちに、私は確信しました。
「はてなブログには、はてなダイアリーには無かった強い力が働いている。そしてブロガーを駆り立てている。」
はてなダイアリー時代にも、トラックバック機能だの、おとなりさん機能だの、ブロガーを駆り立てる要素はそれなり組み込まれていたと思います。しかし、こうしてはてなブログに引っ越してみると、はてなブログがブロガーを駆動させる力ははてなダイアリーの比ではないと感じます。はてなブログを立ち上げると、無性に何か書きたくなってくるんですよ、こう、バキューン!と言ってやりたい気持ちがはやってくるのです。短期的には、これはブロガーにとってモチベーションをあげてくれる要素になるのでしょう。ですが、中~長期的には、これはブロガーを疲弊させるのではないでしょうか。
そしてもし、昔の偉い人が言った「メディアはメッセージである」になぞらえるとしたら、さしずめ「はてなブログは“煽れ!”というメッセージ」なのでしょうか。
本当のことを言うと、私は今、猛烈にはてなブログが書きたいんです。もちろん私は平和主義者なブロガーゴメンナサイ平和主義者でありたいブロガーなので、「ブログ機銃掃射で未訓練ブロガーをあぶりだすぜ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!」などとは考えないように努めているのですが、この、はてなブログに引っ越してきてからというもの、自分のなかの野蛮と戦うのが難しくなっていて、脆弱な自分自身との戦いを始めなければならなくなっています……。
そんなわけで、はてなブログを使っている皆さん、このインターフェースにはどうかご注意ください。私達は、はてなブログを書いているのでしょうか?それとも、書かされているのでしょうか?
そして今からはてなブログを使いたいと思っている皆さんも、立ち止まって考えてみてください……はてなブログ、確かに文章を書きやすいメディアですが、もしかしたら、書いたり煽ったりがやめられなくなってしまうかもしれません。自分の考えやアイデアを徹底的に絞り出すメディアなのかもしれませんよ、こいつは。
はてなブログに限らず、力の強い道具を取り扱うというのは、たぶんこういう事なのでしょう。道具の力が強いぶん、ユーザー自身の節制や判断力が問われているのだと思います。