7月のある日、玄関の近くにカナブンがひっくり返っていた。
死んでいるのかと思ったら、生きていた。
弱っているのかと思ったら、予想以上に元気で、包んだ手をグイグイと押しのけようとしてくる。ものすごい力である。
何でひっくり返っていたのか不思議である。
とりあえず、家にあった空箱に入れてしばらく様子を見ていたが、離れているときは静かにしているが、近くにいるとガサガサ動き出すようなところがある。
水を染み込ませたティッシュに蜂蜜を少々薄めて吸うかどうか試したが、あまり興味がなさそうである。
撮影だけして、逃してやることにした。
撮影中は案外おとなしくしていた。
久しぶりのマクロ撮影である。
ツルツル滑るのでじっとしていたのかもしれない。
カナブンといえば、色が何種類かいて、黒いのも結構かっこいいが、濃い緑色のは大層綺麗でこれを見つけた時には喜んで捕まえて帰ったものである。
子供の頃に捕まえたカナブンは標本にしたように思うのだが、流石に処分してしまったのだろう。
このカナブンは一番標準的な色の個体である。
樹液にカナブンが集まっているところがあれば、また見てみたいものである。いざ飼うとなると、ブンブンとうるさそうであるが。