いよいよ入試目前。志望校や併願校が固まらないと悩む親は、受験当日のギリギリまでいます。2万人の受験生親子を合格に導いた、中学受験PREX代表の渋田隆之さんは「敗を恐れる人や決断が遅い人の共通点に『完璧主義』があげられます。志望校を探すときに一番大事なのは、自分の子どもに合う学校はあっても、万人にとって『完璧な学校』は存在しないと理解することです」といいます――。

※本稿は、渋田隆之著『2万人の受験生親子を合格に導いたプロ講師の 後悔しない中学受験100』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

勉強する中学生
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成績を理由に第一志望を変えるとき

私は第一志望を大事にする派ですが、子どもの成長や価値観の変化によって志望校を変更するのはまったく問題ないと思います。ただし成績を理由に第一志望を変えるときは、子どもの心に傷を残さないような大義名分が必要です。

「成績が伸びなかったから」という理由で、子どもの憧れの学校を「受けることすらできなかった」と後悔するのは、できるだけ避けたいものです。

「今まで第一志望だった学校よりも、あなたに合った学校が見つかってよかった」
「この学校は理系の授業に力を入れはじめたから、あなたの夢にぴったりじゃない」
「スポーツを本格的にやりたいなら、通学時間はやっぱり大事だよ」

などと、しっかり話をして、納得のいく選択をさせてあげるようにしましょう。他人の意見(視線)にとらわれずに、「わが子に合った受験校探し」をするのが一番です。

学校はどこを見ればいい?

「行列ができるラーメン屋に『行列ができているから』という理由だけで並ばない」というのは、志望校選択の大原則だと思います。

昨今では、国際化、アクティブラーニング、ICT、英語指導、海外留学への対応などは、強化していない学校はありません。親世代とは違い、「この学校はなんだか新しいことを取り入れていそう」という理由だけで志望校を選ぶのは危険です。

また、校名変更、共学化、付属校化、校舎の移転などを行った学校は、情報の露出が多いことと期待値の高さから、入学難度が高めになりがちなので注意が必要です。

また、説明会でのアピールのみで判断するのもおすすめしません。改革前から通っている生徒がいきいきとしているかを確かめるほうがいいでしょう。学校行事の盛り上がりも志望校選びの参考にはなりますが、行事はあくまで「特別な日」。普段の授業を見学するほうが、学校の空気をつかむのには手っ取り早いです。