1月受験がスタートし、ここから2月の初めまで、多くの親が入試に向かう子どもを見送っていくことになります。中学受験PREX代表の渋田隆之さんは「勢いをつけて試験会場に送り出しましょう。どんな形でも、子どもを自信たっぷりの状態にすることが大切。当日、会場前で『今朝の計算も間違ってたから、本番では気をつけるんだぞ』なんて、最悪の声かけです」といいます――。

※本稿は、『2万人の受験生親子を合格に導いたプロ講師の 後悔しない中学受験100』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

学校で息子を見送る笑顔の母親
写真=iStock.com/Hispanolistic
※写真はイメージです

受験前日と当日の過ごし方

勝負に臨むときの鉄則は、「迷いなくやり切ること」です。勢いをつけて試験会場に送り出しましょう。試験会場へ向かう子どもたちの背中は本当に美しく、そして頼もしいものです。

入試数日前からは、漢字や計算練習の答えが多少間違っていても○をつけてください。どんな形でも、自信たっぷりの状態にすることです。当日、会場前で、「今朝の計算も間違ってたから、本番では気をつけるんだぞ」なんて、最悪の声かけです。

「なぁ、奇跡が起きたぞ」

過去に、こんなエピソードを話してくれたお父さんがいました。

「奇跡の答え」で笑顔になった日
毎朝子どもと一緒に計算練習をしているのですが、入試前の5日間、答え合わせは全部○にしました。おまけに、入試当日はオリジナルの計算問題を作って、最後の答えを本人の受験番号にしてあげました。「なあ、奇跡が起きたぞ。今までのがんばりを神さまが見てくれていたんだ!」と伝えて、笑顔で入試に送り出しました。結果は、見事合格。本人も喜んでくれたようです。作戦は大成功でした。

受験生本人からも、そのあとに話を聞く機会がありました。

「絶対に間違うもんか」と気合が入った

「うん、お父さんが演技してたの、気づいてたよ。でも、いつも怖いお父さんが私のための問題も作って演技までしてくれたのが本当にうれしかった。『絶対に間違うもんか』って気合い入れて解いたんだ」

バレてはいましたが、父の愛はきっちりと伝わっていました。

子どもは、入試会場ではたった一人で問題と向き合わないといけません。長い間一番近くで努力を見ていたみなさんにしか言えない言葉を、かけてあげてください。

「今まで本当によくがんばってきたね。自慢の子だよ」
「たくさんの悔しい経験、つらい経験が最後に盾になり守ってくれるよ」
「この中学校に一番合っているのは君だ!」
「大丈夫! 胸を張っていこう!」