上がらぬ給料に、終わりの見えない物価高騰――。限りある資産のなかで、どんなことにお金を使えば、私たちは幸せになれるのだろうか。合理的な「お金の使い方」について、お伝えする。
笑顔になるように折られた10000円札、5000円札、1000円札
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お金を合理的に使えない人は搾取される

近所のスーパーに自動レジが導入されたときのことです。最初は使い方がわからない人が多かったためか誰も利用せず、数を減らされた対面レジには長い列ができていました。しばらくして操作に慣れると、今度はみんなが自動レジを使うようになりました。すると不思議なことに、対面レジには誰もいなくなったのです。

その日も自動レジは長い行列だったので、私が空いている対面レジで精算していると、小学生の男の子を連れた父親が後ろに並びました。おしゃれなジャケットを着て、ブランド物の革のバッグを持った父親は、自動レジの長い列を見て、「あんな大人になるんじゃないぞ」と子どもに言いました。