本稿は、和田秀樹『死ぬのはこわくない』(興陽館)の一部を再編集したものです。

まずは食事や家のことから
昔に比べたら、ひとり暮らしは圧倒的に楽になっています。外食もしやすいし、けっこう美味しいお弁当屋さんもたくさんあります。デパ地下やスーパーも活用できますよね。食べることに関しては、あまり心配はいらないでしょう。
どうしても手作りのものが食べたい。でも、致命的に料理ができない。などという場合は家事代行サービスがあります。一週間に一回のサービスでしたら、月に3万円ほどで済むはずです。
夫や妻に先立たれたという寂寞感は、最低限の生活が成り立たないときに感じるものです。食事や家のことができていたら、ひとりのみじめさは、まず感じません。
さて、ある程度のことはできると仮定して、具体的に摂ってほしい栄養素や食事内容について話を進めていくことにしましょう。
コンビニ弁当とラーメンは効率がいい
「肉」「魚介類」「卵」「大豆・大豆製品」「牛乳」「緑黄色野菜」「海藻類」「イモ」「果物」「油を使った料理」この10品目を食べている人ほど筋肉量が多く、握力や歩く速さなど身体的機能も高いとされています。
これらをバランスよく摂ることができればいいのですが、こんなにたくさんの栄養素を摂るのは大変なことです。そこで、解決法の一つとして「コンビニ弁当」の利用を提案します。
コンビニ弁当は、食品添加物が気になるという人もいるかもしれません。しかし、仮に食品添加物の影響を受けるとしても、それはずっと先のことです。今すぐ、体を悪くするなどということはありません。高齢になったら、10年後の健康のために食事をするより、今日という一日のために食事をすることのほうがはるかに重要です。
コンビニの幕の内弁当などは、おかずの種類が豊富で非常にバランスがとれています。多くの種類の食材から栄養素を摂るためには、合理的なのです。
私は、ラーメンが好きでよく食べにいくのですが、最近のラーメンは非常によく考えられています。
今のご時世、化学調味料を使わないお店が増え、スープにコクを出すために20~30種類もの食材を煮込んでいたりします。つまり、そのスープを飲むことで、20~30種類の食品の栄養素を摂取できるということになるのです。効率がいいと思います。
これは体にいい、これはダメと決めつけず、ほどよく中食や外食を取り入れていきましょう。何でも食べる人のほうが、心も体も元気であり続けられます。