愛車のサウンドシステムを進化させたいと思ったときには、当連載の各記事を参考にしてほしい。カー用の音響機材の選び方を毎回、多角的に解説している。現在は「メインユニット」の1タイプ、「ディスプレイオーディオ」にスポットを当てている。
◆高機能機からリーズナブルなモデルまで、ラインナップが多彩!
前回は、市販ディスプレイオーディオの市場全体のトレンド解説を行ったが、それに引き続いて当回からは、具体的にどのような機種があるのかを紹介していく。まず今回は、カロッツェリアの製品についてその特長を分析していく。
なおカロッツェリアは、ディスプレイオーディオのラインナップが充実している。現在は計7機種を用意し、機能や価格的なバリエーションも豊富だ。
顔ぶれをざっと見ていこう。7機種あるうちの5機種はハイグレードモデルで、各機ともApple CarPlayとAndroidAuto(以下、CarPlay接続)に対応している。ただしCD/DVDメカは省かれている。それに続き1機種のスタンダード機があり、それはCarPlay接続に対応しCD/DVDメカも搭載する。そして1機種ベーシック機があり、当機はCarPlay接続には非対応だ(CD/DVDメカは搭載)。
なお上位5機種は、3系統に分類できる。「900系」「700系」「500系」、この3つだ。900系のみ1機種展開で、それ以外は2機種ずつが名を連ねる。
カロッツェリア・DMH-SZ500◆トップエンド機なら、ワイヤレスCarPlayにも対応。動画系アプリも便利に楽しめる!
さて、3系統ある高機能モデルのうちのトップエンドとなるのは、最新機でもある900系の『DMH-SF900』だ。なお当機は、カロッツェリアのディスプレイオーディオの中で唯一、10V型のモニター(フローティング構造)を装備する。
そして当機は、CarPlay接続をワイヤレスにて実行できる。なので音楽アプリを楽しむときにもCarPlay接続した方が、Bluetooth接続よりも便利だ。どちらもコードの煩わしさと都度の接続の面倒がない点では共通だが、CarPlay接続ではアプリの表示をそのまま車載機のモニターに映せてほぼすべての操作を車載機側にて行える。Bluetooth接続では、曲送り等の基本操作しか車載機側では行えない。
そしてDMH-SF900は、カロッツェリアだけのスペシャル機能「ウェブリンク」にも対応する。当機能は、対応スマホアプリの表示を車載機のモニターに映し出せて操作も行えるというものだ。CarPlay接続では動画系のアプリは動かせないが、当機能では動画系アプリも満喫できる。HDMI入力端子を装備するのでスマホのミラーリングも可能だが、ウェブリンクに対応するアプリなら当機能経由で接続した方が、より便利に扱える。
カロッツェリア・DMH-SF700◆ブラウザを搭載するモデルも存在。そして全機種とも本格システム運用も可能!
次いでは、それ以外の高機能機について説明していこう。なお登場時期が最近なのは500系の方だ。なのでこの2機種(9V型フローティングモデルと6.8V型2DIN機)もウェブリンクに対応している。そしてさらにHDMI入力端子も備えるので、ミラーリングも行える。ちなみに昨年の夏にリニューアルされた6.8V型2DIN機は、ワイヤレスCarPlay接続も実行可能だ。
一方700系はウェブリンクには非対応だが、この2機種(9V型フローティングモデルと6.8V型2DIN機)には「ブラウザ」が搭載済みだ。ゆえにスマホを使わずしてYouTubeが観られる(通信環境は別途必要)。またHDMI入力端子も装備する。なお9V型機は、高音質Bluetoothコーデックの「LDAC」にも対応している。
ところでカロッツェリアのディスプレイオーディオは全7機種とも、「ネットワークワークモード」に対応している。これを活用するとフロント2ウェイスピーカーの「マルチ駆動」と「マルチ制御」を行える。つまり、本格的なシステム運用が可能となるのだ。この点も大きな魅力となっている。
今回は以上だ。次回はアルパインのディスプレイオーディオにスポットを当てる。乞うご期待。