批評
独自の発想が見られる映画となっている。
今作の大まかな内容は、「ゾンビがいることが当たり前になった世界で、ゾンビが徐々に進化していく」というパニック劇だ。
本当の序盤でどうしてゾンビがいることが当たり前になったかはほんの少しの時間で描かれる。一体どのように進化していくかは、ゾンビのちょっとした仕草から読み取れる。
劇中の世界では階層がはっきり分断されている。本物の金持ちだけが遊んでいられる富裕層が限られ、スラム街に住む貧困層がほとんどを占めるようになった。
理由はゾンビが出現したことにより、その対策ゆえにそうなったと描かれる。階級差の現実味を強く感じ、それによって成り立った脚本となっているが、拍車をかけるのは別の部分である。
今作で独自の発想を見せているのは、やはり上述の進化するゾンビだ。
徐々に人間のような行動ができるようになっていると分かる演出はとても怖く、いざ人間を襲う残酷描写も非常に恐ろしい。
人物間の描写や階級差を描いた部分の脚本が甘いのが残念だが、独自の発想が見たい方におすすめである。
スタッフ・キャスト
監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:ジョージ・A・ロメロ
キャスト:サイモン・ベイカー デニス・ホッパー アーシア・アルジェント ロバート・ジョイ ジョン・レグイザモ ユージン・クラーク トム・サヴィーニ サイモン・ペッグ 他
2005年制作/93分/アメリカ・カナダ・フランス